この記事をまとめると
■教習所や免許取得直後の一般道でのクルマの運転は緊張するもの
料金所に合流に車線規制! 初心者キラーの高速道路の「鬼門」5つと克服法
■思わず笑ってしまうようなハプニングが起こることも
■初心者の勘違い&失敗エピソードを5つ挙げて紹介する
エンジンブレーキひとつください!
皆さんは覚えていますか? 初めて教習所に行った時のことや、免許を取って恐る恐る一般道で運転した時のドキドキを。遠い昔の話ですか? もしかすると今まさに、体験中の人もいるかもしれないですね。初めてのことにチャレンジするのですから、失敗や勘違いはつきものです。が、やっぱり聞くと思わず笑ってしまう、運転初心者のあぁ勘違い。今回はそんな、本当にあった勘違い&失敗エピソードをご紹介したいと思います。
1つ目は、ガソリンスタンドの店員さんが実際に体験したお話です。とあるコンパクトカーに乗って入ってきたお客さん。給油するのかと思い駆け寄ると、窓を開けてちょっと不安そうな顔でひと言「あのぉ、エンジンブレーキが欲しいんですが、売ってますか?」。店員さんは一瞬、何のことか分からず「はい?」。するとお客さんは続けます。「隣りのお宅のご主人が、坂道ではエンジンブレーキを使うといいと言っていたんですが、うちのクルマにはついていないようなので」。店員さん「いえいえ、お客様のクルマにもエンジンブレーキはありますよ」。お客さん「ないんですよ、サイドブレーキならあるんですけど」。
どうも話がかみ合わない。それもそのはず、エンジンブレーキとは走行中にアクセルを緩めるとエンジンの回転数が下がることによって得られる減速力のことですが、このお客さんは「エンジンブレーキ」というペダルやレバーが存在するものだと、すっかり勘違いしていたのです。店員さんは苦笑しつつも、丁寧にエンジンブレーキとはなんぞやを説明してあげましたとさ。ちなみにこの店員さんはのちに、「エンジンブレーキオイルを交換したい」と言ってきたお客さんもいたと証言しています。
2つ目は、教習所の実地講習でのお話です。最近はAT免許を取る人の方が優勢ですが、昔は圧倒的にMT免許が主流でした。MT車の運転で最初に乗り越えなければいけない試練が、半クラ。そう、半クラッチですよね。ギヤを入れた状態で、ゆっくりと左足を動かしながらクラッチペダルを緩めてくると、クルマがゆっくりと動き出しますが、この時のクラッチが半クラッチという状態です。これがうまくできないと、エンストしてしまうので初心者の頃はとても緊張するシーンでもあります。
とある教習所のベテラン教官にあたった実地講習初日のAさん。ガチガチに緊張しつつ教習車に乗り込むと、教官に開口一番「はい、半クラして発進!」と言われ、頭の中で「半クラ? 何だそれ? う~ん、そうだ、これか!」ものすごい勢いで考えた末に、ハンドルにあるクラクションを軽く押して「プッ」。車内はシーンと長い沈黙が流れたあと、「お前なにやってるんだ?」あきれ顔の教官。「いや、その、半分くらいのクラクションを……」。半クラ=半分のクラクション? 「バッカも~ん!」と教官に怒られたのは言うまでもありません。
力いっぱい引いたのはサイドブレーキではなく……
3つ目も教習所でのお話です。今のクルマは電子制御のサイドブレーキが主流で、シフトレバーを「P」に入れると自動的にサイドブレーキが引かれるクルマも多くなっていますが、昔は手でレバーを引き上げて操作するサイドブレーキが圧倒的でした。教習所でももちろん、手動のサイドブレーキの教習車が使われていて、実地講習の終わりにはいつも、サイドブレーキを引き、エンジンを切って終了という流れだったと思います。
その日、厳しいと評判の鬼教官に当たってしまったBさん。最初から最後までずっとガチガチに緊張し、まだ操作もおぼつかないため何度も注意されて、頭は真っ白に。地獄のような講習がようやく終わりに近づき、「よし、あとはサイドブレーキを引くだけだ」と安堵しつつ力いっぱいレバーを引くと……。バタン! と倒れたのは運転席の背もたれ! 仰向けになりながらパニック状態のBさん、なんとあまりの緊張で自分の左側にあるサイドブレーキと、右側のシートについているリクライニングのレバーを間違えてしまったのでした。鬼教官がどんな反応をしたのか、見てみたかったですね。
4つ目は、初めて輸入車を運転する人なら、十中八九、一度は間違えるのがウインカーとワイパーでしょう。ほとんどの輸入車が、日本車とは左右のレバーの位置が逆になっているからです。初めて憧れのドイツ車を購入し、販売店で納車式をしてもらい、多くのスタッフが見送る中、駐車場から出ようとしていきなりワイパーを高速で動かしてしまって超恥ずかしかった! という人。大切な彼女とデートだからと、親の高級輸入車を借りてきたのはいいけど、何度もワイパーと間違えて笑われた! という人も。同じように、ガソリンスタンドで給油口を開けようとして、スイッチを押したらトランクが開いてしまった、という笑い話も多いですよね。
5つ目は、熟練ドライバーがよくやっている、道を譲ってもらったお礼などに、パパッと短くパッシングをして「ありがとう!」と合図を送る動作。これって初心者の頃はものすごくカッコよく見えるものなんです。が、いざやろうとすると、これがなかなか難しい。ライトのレバーって意外に指だけで速く操作するには重いし、戻り切らなくてずっとハイビームになってしまい、逆に「嫌がらせかよ」と思われたり。そのまま気が付かなくて、しばらくハイビームのまま走り続けてしまって、ただの迷惑ヤローになっているのも初心者の悲しいところです。
さらに、お礼のパッシングをするつもりが反対側のレバーを引いてしまい、いきなりフロントガラスにバシャッ! とウォッシャー液が噴き出す始末。一瞬前が見えなくなって、なにが起こったのか分からずオロオロしちゃいますよね。「なにやってんだ、オレ」と落ち込むのもわかります。タイミングよく、カッコいいありがとうパッシングが簡単にできると思ったらそれは勘違いと言えるかもしれませんね。
ということで、昔はそんなことあったな~と懐かしく思った人も多いでしょうか。やらないように気をつけようと密かにメモった人も、大丈夫です。こういう失敗や勘違いを乗り越えた先に、熟練ドライバーが出来上がるのですから。
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