■実は細かく区分されている日本の「タクシー」
地方の空港や駅へ降り立った時、タクシー乗り場が「小型」「中型」「大型」などと複数に区分されている場合があります。
東京ではあまり意識されることがない、いわゆる「小型タクシー」区分とは、一体何のことでしょう。
【画像】小型タクシーの代名詞! 懐かしい「コロナ」「ブルーバード」タクシー仕様を写真で見る(46枚)
全国津々浦々を走るタクシー。そのタクシーにも、小型車、中型車などの区分があり、それぞれの料金が設定されています。
この区分は、道路運送車両法や道路交通法における車種区分とは異なり、乗車定員・車両の大きさなどによって分けられています。
日本のタクシーの区分はもともと、小型車/中型車/大型車/特定大型車(ジャンボ)で分けられていました。
具体的には、小型タクシーは5ナンバー車で全長4.6m以下/乗車定員5名以下を指します。
トヨタ「コンフォート」「カローラアクシオ」「シエンタ」「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」、日産「クルー」「ティーダラティオ」などが該当し、中型タクシーよりも運賃が安く設定されています。
以前はトヨタ「コロナ」「マークIIセダン」、三菱「ギャラン」、マツダ「カペラ」「カスタムキャブ」なども活躍していました。
一方の中型車(中型タクシー)は、同じく5ナンバー車で全長は4.6m以上(なお5ナンバーの全長は4.7m以下)/乗車定員6名以下です。
トヨタ「クラウンコンフォート」「クラウンセダン」、日産「セドリック」「NV200」などが主に見られます。
その他3ナンバー車/乗車定員6名以下では大型車、乗車定員が7名以上は特定大型車(いわゆるジャンボタクシー)に分類されます。
■小型車と中型車を統合し「普通車」とする地域が増加中
九州・四国地方や東北地方・北海道など、いまも主力が小型タクシーというエリアがある一方で、中京圏や近畿地方・中国地方などのように、小型車と中型車の統合を行って「普通車」とする地域も着実に増加しています。
小型タクシーの台数は、近年減少する傾向にあるのです。
小型タクシーが減少した理由のひとつとして、近年のタクシー車両は小型・中型車どちらも乗務員1名+乗客4名の5名乗りだという点が大きく影響します。
昭和の時代では主力だった、フロントベンチシートで合計6人が乗れる中型タクシー車両はほぼ消滅してしまい、小型車と中型車の違いがあまりなくなったことも関係しているのです。
このような理由から、近年は多くのエリアで区分が普通車/大型車/特定大型車の区分に切り替わり、その線引きも従来とは異なる内容となっているほか、地域によってもその詳細は異なります。
東京の例では、排気量2.5リッター以下/乗車定員8名以下を普通車と定め、2.5リッターを超えるもの(ディーゼル除く)で、乗車定員8名以下のものが大型車となります。
例えば同じトヨタ「アルファード」であっても、2.5リッターハイブリッド車と3.5リッター車のタクシーでは、普通車と大型車で区分や料金すら変わってくるという訳です。
さらに関西圏のように、府県やエリアごとにその区分けが細部で異なるケースも散見されます。
■東京のタクシーがかつて「中型車」を好んでいた理由とは
東京ハイヤー・タクシー協会によれば、2020年3月現在、東京都内に存在する事業者の数は約400社、法人タクシーが約3万台、個人タクシーは約1万台あります。
しかし、このなかには小型車は存在しません。では、なぜ東京には小型タクシーが走っていないのでしょうか。
その理由について、タクシーメーター・ドライブレコーダー・LED表示器の販売・取り付けのほか、中古タクシーの販売も行うフタバシステム株式会社 松田 隆氏に聞いてみました。
「実は2007年まで、東京には小型車のタクシー制度は残っていました。錦糸町駅・新宿駅・蒲田駅などのターミナル駅には、小型車専用乗り場もあったそうです。
かつては、タクシー会社側にも行政から一定数の小型車を保有する指示があり、ごくわずかですが、小型車を保有していました。
しかし東京のタクシーでは、埼玉県や千葉県、神奈川県といった隣接県まで足を伸ばす、いわゆる『ロング客』が多く、小型車よりも車体が大きくて車内が広い、中型車の快適性が重視されました。
そのため事業者も、小型車を買う必要が生じにくかったのではないかと思います。
小型車の台数が少ないと、料金を分けたり、車種を区分するメリットもあまり無く、全国に先駆けて小型車(普通車)のみに一本化することになったのではないでしょうか」
なお、東京では小型タクシーは廃止されましたが、小型タクシー用のコンフォートやクルーを一部の事業者が継続使用し、2022年時点でもごくわずかながら活躍を続けていることが、SNSなどから確認できます。
※ ※ ※
前出の松田氏によると、東京の法人タクシーは買い替えのペースが早く、その後は地方の事業者に中古車として譲渡される機会も多いとのこと。
走行距離的には30万から50万キロ以上の個体ですが、JPN TAXI導入まで主流だったトヨタのコンフォート/クラウンコンフォートはまだまだ走れるとのことです。
事業者によるたゆまぬメンテの賜物もありますが、タクシー専用車として設計された同車の耐久性が、ずば抜けて高い証拠ともいるでしょう。
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