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シートの工夫に大きな差あり! 日産ルークス vs ダイハツ・タントを全方位徹底比較

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シートの工夫に大きな差あり! 日産ルークス vs ダイハツ・タントを全方位徹底比較

 一部グレードだがNAにもプロパイロットが装備されている

 日本でもっとも売れているクルマは、今や軽自動車。それもスーパーハイト系が圧倒している。2020年2月の新車販売台数のデータでは、1位ホンダN-BOX、3位ダイハツ・タント、4位スズキ・スペーシアとなる。そんな激戦区に新たに登場したスーパーハイト系軽自動車が日産デイズルークス改め、日産ルークスだ。

安全装備&運転支援装備で圧倒! 打倒ホンダN-BOXの新型日産ルークスがもつ優位点

 新型ルークスが新車販売台数上位に食い込むことは必至。なにしろ、上記の新車販売台数のデータで空白とした2位につけるのが、ルークスのベース車となる日産デイズなのである。そう、新型ルークスは、日産がイチから開発した基本骨格、エンジン、CVT、安全装備、プロパイロットを含む先進安全運転支援装備などをデイズからそのまま受け継ぐスーパーハイト系軽自動車だからである。

 ここでは、新型ルークスに次いで新しいタントに対する日産ルークスの優位点について説明したい。現時点で新型ルークスの試乗は行っていないので、走行性能以外の部分についてである。

 まずは、この時代に不可欠な先進安全運転支援装備について。日産と言えば、セレナから採用されたプロパイロットだが、もちろんデイズにもこのルークスにも用意されている。ただし、ハイウェイスターのプロパイロットエディションのみの装備だが、NA、ターボともにチョイスできるのがタントとの違い。

 つまり、タントでプロパイロット機能に含まれる前車追従、渋滞追従機能を持つACC(アダプティブクルーズコントロール)機能が付くのは、ターボに限定されるのだ。ちなみにタントの大型液晶メーターはACC機能前提のデザインで、ACCが付かないNAモデルだとメーター表示がいきなり寂しくなるのが難点。高速道路、自動車専用道路の走行の機会が多いならプロパイロット、いや新型ルークスが優位となりそうだ。

 また、軽自動車初搭載のインテリジェントFCW=2台前を走る車両の車間・相対距離を検出し、急減速などのクルマの動きに対して音と表示で警報を発してくれるのもタントにないルークスだけの機能だ。

 そして極めつけは、軽自動車にデイズが初採用したエアバッグ連動通報機能付きの緊急通報機能のSOSコールをハイウェイスター全車に標準装備、標準車のXグレードにオプションとして用意している点。現時点でタントにはSOSコールは設定されていない(というか、ルークスとデイズを除く軽自動車に未設定)。あおり運転被害時などにも有効な緊急通報&オペレーターサービスだけに、有無によっての安心感の差は絶大だろう。

 スーパーハイト系軽自動車と言えば、子育て世代にも人気で、親が子供を抱いた状態での後席への乗降性も気になるところ。新型ルークスはBピラーを前出しすることで、スライドドアの開口幅を先代比+95mmもの650mmとし、子供を抱いた状態でもより快適に乗り降りできるようになっている。

 一方、タントの助手席側スライドドアはBピラーレスのミラクルオープンドアを採用。その開口幅はメーカー値で1490mmと説明され、実測の最大開口幅は約860mmと広大だが、それは助手席を前出しした状態。身長172cmの筆者のドライビングポジションに助手席位置(そのまま座れる位置)を合わせた場合、開口幅はスーパーハイト系軽自動車の平均値となる約600mmになるのだ(ちなみに通常のBピラーがある運転席側スライドドアの開口幅は約580mm)。

 助手席が通常位置である前提なら、新型ルークスのほうがスライドドアからの乗降はよりしやすいということになる。もっとも、タントが乗降しにくいことはないからご安心を。

 シートアレンジや装備面ではそれぞれの考え方が異なる

 では、シートアレンジ性にかかわる前後席のスライド量はどうか。じつは、新型ルークスとタントとでは、シートスライドに対する考え方に大きな違いがある。タントは運転席540mm、助手席380mmの前両席ロングスライドによって、前両席がよりゆったり座れる5:5分割になったベンチシートのみの設定ながら、助手席スライドドア側から運転席への移動もよりスムースに行える足抜け空間約190mmを確保。

 後席に子供を乗せたあと、車外に出ることなく運転席に移動できるのはじつに便利で、車道側に出ずに済む安全性も見逃せない。また、後席のスライドは5:5分割で240mmとなる。前席の親が後席の子供をケアする場合、前席の親がシートスライドを下げる方向が基本だ。ただし、運転席をロングスライドさせるには、シフトをPポジションにして解除スイッチを押す手間が必要だ。

 新型ルークスはと言えば、前席のスライド量は常識的だが、後席のスライド量を先代デイズルークス比+60mm、タントを80mm上まわるクラス最大の320mmとしている。これが意味するのは、子育て世代には後席を前にスライドさせることで、前席の親が子供をケアしやすくするというタントやN-BOXと逆の発想だ。

 しかも後席のスライド量がたっぷりあるということは、ラゲッジスペースの奥行もより拡大できるということ。タントが最大約460mmなのに対して、新型ルークスはメーカー値で675mmなのだから、圧倒的だ。しかも新型ルークスのラゲッジには、床下に2分割の大容量トランクを完備。床下部分がパンク修理キットでほぼ埋め尽くされているタントとの違いである。

 装備面では、新型ルークスには子育て世代やアウトドア派にうれしい撥水シート生地が用意されていることと、子供を抱きつつバッグを持っているような、両手がふさがっているときに便利なオートスライドドアを両側に設定。オートスライドドアはタントを含むライバルの場合、助手席側のみの設定だ。両側に必要か? という声もあがりそうだが……。

 そして、夏のドライブに有効なのが、後席のシーリングファン。いわゆるサーキュレーター機能で、エアコンの風を車内全体に拡散させてくれる効果がある。特に通常ではエアコンの風がとどきにくい後席も、シーリングファンによってより快適になるはず(スペーシアにあり)。タントはファンが発する騒音をいやがり、装備を見送っている。

 さて、こうして新型ルークスとタントの機能、使い勝手、装備、先進安全運転支援装備などを比較し、新型ルークスの優位点を中心に紹介してきたが、実際にどちらが便利で使いやすく、快適かは購入者それぞれだろう。で、新型ルークスとタントの購入で迷っている場合は、上記のポイントを重点的に比較し、どちらが自身や家族にふさわしいかをチェックしてみたらいかがだろうか。

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みんなのコメント

3件
  • カスタムのほうが切れ長の目、という自身がつくった予定調和を自ら崩しにかかったタントの外観があまりよくないと思う。(カスタムのほうがぱっちりした目に感じる)
    ルークスのsosコール、プロパイロットが顧客に響くかどうかは、これからの使われ方次第。ちょっとした変化球的な立ち位置だったオーテック仕様のデザインにあまり手が入ってない。
    思い切り悩んで、納得して選ぶのがいい。
  • 要はN-BOXを買っておけば無難で間違いないということだな、了解!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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