中古車購入 [2024.12.20 UP]
ありがとうスープラ。現行型と旧型の中古車相場動向は?
2024年11月、スープラの世界300台の限定車「A90 ファイナルエディション」が発表された。ファイナルエディションの名前からわかるとおり、これは現行型スープラの生産終了に伴ってリリースされる。次期型スープラに関する噂があちこち散見されるが、トヨタから正式なアナウンスは現段階で一切なし。
トヨタ「スープラ」現行モデル生産終了へ。集大成の特別仕様モデルは加速性能アップ!
そうなると気になるのが、現行型スープラの中古車相場だろう。この世代をもって生産終了するならコンディションのよい車両が残っているうちに確保したいと考えるひとは多いはず。そこで今回は、スープラの歴史を簡単に振り返りつつ、現行型および旧型の中古車相場みていこう。
「スープラ A90 ファイナルエディション」ってどんなクルマ?
先日発表された「A90 ファイナルエディション」は、現行型スープラをベースに各所が強化されたファン垂涎の限定モデル。3.0L 直6ターボは、エンジン制御を最適化することで最高出力は435馬力(標準車は387馬力)、最大トルクは58.1kgm(標準車は51.0kgm)に向上し、加速性能やレスポンスを大幅に高めている。これに伴いオイルパンにバッフルプレートの追加、冷却性能の向上などが行われた。また、マフラーにはアクラポヴィッチ製チタンマフラーを採用し、エンジンサウンドも強化。また、トランスミッションは6速MTなのも注目のポイントだ。
足まわりは、フロントにブレンボ社製19インチブレーキパッド、さらに前後にフローティング構造のドリルドディスクを採用。サスペンションはGT4マシン(レーシングカー)のKW製を採用すると同時に前後スタビライザーも強化。タイヤにはミシュラン パイロットスポーツ カップ2が装着されている。
エクステリアにも手が入り、カーボン製のフロントスポイラーやフロントカナード、さらにフロントセンターフラップ、ボンネットダクトを採用するなど、レーシングカー顔負けに仕立てられている。インテリアは、アルカンターラ素材のレカロ社製カーボンフルバケットシートを中心に、アルカンターラ素材を表皮に用いたステアリングやドアトリムなど、最終限定車に相応しい豪華さ。日本導入は検討中で価格も未定だが、これはぜひとも多くの台数を日本で販売してほしいものだ。情報が入り次第、続報をお伝えしたい。
平均価格600万円、高値をキープする現行型スープラ
まずは現行型スープラの相場をみていこう。デビューしたのは2019年5月のこと。先代モデルは2002年に生産終了しており、17年ぶりのカムバックということで大いに話題になった。日本では3代目となる現行型は、BMW Z4と共通のプラットフォームを使用しつつ、足まわりやボディを専用設計。筋肉質なクーペボディは先代譲りで、これに2.0L 直4ターボまたは3.0L 直4ターボを搭載している。トランスミッションは当初8速ATを組み合わせていたが、2022年の改良で6速MTも追加された。
中古車価格帯は430万円から850万円、中古車平均価格は600万円と高値安定傾向が続いている。デビュー当初の新車時価格が490万円~690万円だから、ほとんど値下がりしていない。ちなみに新車時価格がスープラよりも高額だったBMW Z4の中古車平均価格は565万円と、スープラよりも安い。つまり、価格に逆転現象が起きている。スープラというクルマの価値がいかに高いかを物語っている。仮に次世代型スープラが発売されなかったら、現行型の相場はさらに上がっていくだろう。
平均価格は800万円!? プレミアが加速するA80型
1993年5月、2代目(海外では4代目)のスープラが発売された。当時はスポーツカーの全盛期で、フェアレディZ、RX-7、R32 スカイラインGT-R、NSXなど伝説的なモデルが揃っていた頃。そんな群雄割拠な市場に投入されたA80も、ライバルを圧倒するハイパフォーマンスを誇っていた。パワートレインは3.0L 直6および同ターボを設定。ターボモデルは、自主規制値いっぱいの280馬力を誇る。後者を搭載した「RZ」グレードにはゲトラグ社と共同開発の6速MTを組み合わせるなど、先代よりも走りにこだわったのが見どころだ。
90年代スポーツカーの価格高騰は以前から話題になっていたが、改めて中古車市場を覗いてみるとその傾向に拍車がかかっている。中古車価格帯は480万円~1400万円で、中古車平均価格はなんと800万円。グーネットの登録台数(2024年12月16日現在)は29件と少なく、走行距離などのコンディション、グレードを問わず軒並み高額になっている。状態の悪いものは淘汰されてしまったのか、流通している物件はどれも一定の水準には達していそうだ。しかし、フルノーマル車などマニアが飛びつくような物件は希少で、走行距離にかかわらず1000万円オーバーは当たり前。いま入手が極めて難しいモデルのひとつといっていいだろう。
じつは狙い目? 平均価格430万円のA70型スープラ
日本では初代、海外では3代目に当たるA70型スープラが登場したのは1986年2月のこと。従来モデルの「セリカXX」という名称から「スープラ」に改められた。豪華なスペシャルティクーペという立ち位置から、走りを明確に意識したハイパフォーマンスカーに変革を遂げたのもこのタイミング。当初は2.0Lまたは3.0Lの直6エンジンを設定し、最上位には230馬力の3.0L 直6DOHCターボ(7M-GTEU)が搭載された。1988年のマイナーチェンジでは2.0Lの「1G-FE」、1990年のマイナーチェンジでは2.5Lの「1JZ-GTE」エンジンが登場。パワートレインのバリエーションが多いのもA70型スープラの特徴である。
中古車市場をみると、A80型よりも物件が充実している。中古車価格帯は200万円~1380万円、中古車平均価格は430万円と、スープラのなかでは買いやすい価格帯にある。物件は決して多くはないが、この時代のスポーツカーと考えるとまずまず流通している。また、A80型よりも改造車が少ない傾向にあり、高価格帯には状態のよさそうな物件も存在する。特に500台限定で販売された低走行の「3.0GTターボA」が1380万円で販売されている(2024年12月16 日現在)。気になるひとはチェックしてみよう!
価格はピンキリ!現存車が少ないセリカXX
セリカをベースとした高級スペシャルティカー、セリカXXが登場したのは1978年のこと。当時はフェアレディZが大成功を収めた時代で、トヨタがそれに追従するべく投入されたニューモデルだ。初代セリカXXはスポーツカーというより、高級クーペというポジションで、美しいファストバックのボディがファンを惹きつけた。パワートレインは2.0L~2.8Lの直6を搭載し、ゆとりの走りも魅力である。なお、海外名はセリカXXではなく「スープラ」を名乗っており、日本と海外でスープラの世代がずれるのはこのためである。
1981年にはフルモデルチェンジを受けて2代目が登場。この世代からスポーティ路線に舵を切り、同じファストバックながらもグッと精悍なデザインとなったのが見どころ。エンジンは、当初2.0L~2.8L 直6を搭載。後者(5M-GEU)はソアラにも搭載された高性能エンジンで、ゆとりある走りを生み出した。力強いルックスと走りはユーザーの心を掴み、その方向性は次期型A70へ受け継がれていくことになる。
初代のデビューから46年が経過しており、残存する中古車は非常に少ない。特に初代(A40/A50)はグーネットに2台しか登録されておらず、極めて希少。しかし200万円台で販売されており、相場が極端に高いわけではなさそうだ。2代目(A60)も決して多くはないが、初代ほど少なくもない。2代目の中古車価格帯は280万円~680万円となっており、例外的にフルレストア車が1300万円で販売されている(2024年12月16日現在)。よい車両に巡り会えれば買いだが、購入へのハードルはそれなりに高い。
スポーツカーはほしいときが買い時!
スープラにかぎらないが、スポーツカーは流通量が実用車と比べて少なく、時間が経って価値がどんどん上がることも珍しくない。特に内燃機関のスポーツカーは近い将来絶滅する可能性が高く、現行型スープラは今後は相場が上がると予想される。となれば、入手するなら早ければ早いほど選べる物件が幅広くなり、買いやすい。5年待ったら相場が倍になっていた……なんていうのも、あながち冗談ではない話。ほしいときが買い時、これがスポーツカー購入の鉄則だ。
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そのへんもあって、生産終了かなぁ?