背の低い4ドアクーペといえばかつて日産にもあった。バブル華やかなりし頃の1990年に颯爽と登場した初代プレセアを覚えているだろうか。今回は日産版カリーナED的な位置づけだったこのモデルを取り上げよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産
超エレガントな初代[プレセア]は日産版カリーナED]!? スタイリッシュ4ドアクーペの優雅なスタイルは唯我独尊!!
■桐島かれん起用のテレビCMが印象的……
のちにアウディに転身し、シングルフレームグリルを手がけたデザイナー、和田智氏が手がけた優美なデザインが特徴的な初代プレセア
初代プレセアは1990年6月、7代目B13型サニーをベースにして誕生した背の低いFF4ドアピラードHTモデルだ。当時、人気を博していたトヨタのカリーナEDやマツダのペルソナなど一連の“4ドアクーペ”カテゴリーに位置づけられる。
そのボディサイズは全長4395×全幅1695×全高1320mm、ホイールベース2500mm。ベースの7代目サニーが全長4210×全幅1670×全高1375mm、ホイールベース2430mmなので、プレセアはややロー&ワイドにして全長を伸ばしている。
シートの素材も7代目サニーよりもワンクラス上の仕上がりだった
全高の1320mmという数値は現在のモデルでいえば、GR86/BRZの1310mmに近いもの。4ドアモデルであることを考えればいかに低い車高だったかがわかる。しかもデザインを手がけたのは初代セフィーロなどを担当した和田智氏(のちにアウディに転身)だった。
フロントマスクはグリルレスで特徴的なインバース形状のフロントヘッドライトが何ともオシャレな雰囲気を醸し出し、全体的には丸みを帯びた優しいデザインを採用していたのを思い出す。パワートレーンには2種類のSR系1.8&2LNAエンジンを搭載。
インテリアもベースのサニーよりも上質な素材を多用していた
インテリアに使用されていた素材はベースになった7代目サニーよりも上質なものが採用されており、プレセアは車格的にはサニーのやや上に位置するモデルに位置づけられていた。
テレビCMも非常に印象的で、タレントの桐島かれんを見返り美人に仕立てて採用し、そのキャッチコピーは「絶世のセダンです」「全身センス」を謳い、まさにバブル期ならではの雰囲気に満ち溢れていた。
■軽快に吹け上がる1.8Lエンジン
直4DOHCのSR系2種類を設定した初代プレセア。1.8Lと2Lの2本立て
このクルマには個人的な思い出があって1990年夏、免許を取得したばかりの担当は大学のサークル合宿でこのクルマを持ってきた友達のプレセアを運転。確か、彼の親のクルマだったと思うのだが、ほかにも2代目プレリュードや6代目B12型サニーなど計4台のクルマに分乗し、サークル仲間男女15人ほどで避暑地に向かった。
友達の乗っていたプレセアは直4、1.8LDOHCで最高出力110ps/最大トルク15.3kgmのSR18Diを搭載していたが、ミッションが5MTだったこともあり、なかなか軽快に走るクルマに仕上がっていた。
追加設定されたスポーツグレードの「ブラックスター」は精悍な印象
当時、プレセアはまだデビューしたばかりのホヤホヤの新車。合宿先の現地でみんなで肝試しがてらナイトドライブに向かったのだが、プレセアのインテリアはなかなかにムーディーでメーターパネル照明にマリンブルーを採用していたのが非常にオシャレな感じだった。
初代プレセアのリアビュー
運転していて楽しかったし、当時の女子ウケもそこそこよくて、そんなことから最初の愛車は2代目カリーナEDにしようかと思ったくらい。
初代プレセアは1995年1月に2代目モデルに切り替わるのだが、初代は4年半で2代目の倍以上となる19万3400台を販売。年間5万台以上を売り上げていたのでかなりのヒットモデルになったのも頷ける出来栄えだった。
【画像ギャラリー】超エレガントなデザインを身にまとっていた初代プレセアを写真でCHECK!(21枚)
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みんなのコメント
それは女子に馴染みがなく、車名と気付かず、異世界っぽいということだった。
だから「プレセア」も女子ウケはそこそこどころか、眼中にない存在だったw
まあ、「エメロード」も「セレス」もそうだけどね。