ダイハツは2022年8月22日、2022年秋に発売を予定しているタントのマイナーチェンジ車に関する情報を先行公開し、先行受注を開始したことを発表した。
タントは2003年に発売し、軽スーパーハイトワゴンのジャンルを確立。2代目から採用した軽自動車初のピラーインドア「ミラクルオーピンドア」は助手席側の前後ドアを開けると大開口を実現し、同車の最大の売りになっている。
アルトに派生車の存在?「アルト スピリット」との商標…どんなクルマか?
現行型は2019年7月に発売。ダイハツの新世代のクルマづくり「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の第1弾モデルとして新プラットフォームを採用するなど、良品廉価な商品をアピールしている。2022年1月~6月の合計販売台数(届出台数)では、ライバルのホンダ Nボックスが10万3948台でトップ。スズキ スペーシアは4万7675台で2位に。タントは4万4188台と2位に僅差で3位に甘んじている。
■ファンクロスはタフトのテイストを導入
ライバルのスペーシアは標準系、スポ−ティなカスタムに加え、SUV風の内外装を持つギアを設定。3車系のワイドバリエーションが特徴となっている。その点、タントには市場が拡大しているアクティブ系モデルの設定がなかったことから、今回のマイナーチェンジの目玉として「ファンクロス」と名付けた新シリーズを追加した。なお、レジャーなどでの使い勝手を売りにしていたウェイク(2022年8月生産終了)の後釜としての役割もあるようだ。
ファンクロスは日常を超えて、楽しい時間を過ごすことができるアクティブなクルマとして、“ファン”とタフなイメージの“クロス”を組み合わせて命名。外観はバンパーやグリル、サイドガーニッシュに、多角形をモチーフとしたブラックのパーツでアウトドア風のイメージを付与。バンパー下端にはシルバーのアンダーガード風の処理を施している。ホイールはタフトが履くタフなデザインの6本スポークタイプがベースのようである。
内装はエアコンの吹き出し口やドアハンドル周辺などにオレンジのアクセントを配してアクティブ感を強調。シートはタフトに似た迷彩柄の撥水シート表皮を採用。後席のシートバックはゴム素材としてアウトドアなどでの使い勝手を考慮している。
特筆すべきは、荷室に上下2段調節式デッキボードを採用した点。ウェイクで採用していた便利アイテムで、タント用に専用開発。デッキボードの脚を立てれば2段積みモードになり、前倒しした後席と同じ高さの荷室となる。これに合わせて後席にも、リヤゲート側からのスライド機構を設けて使い勝手が向上している。
グレード体系はファンクロスターボ、ファンクロスの2グレード構成。ボディカラーはタフトで使用する色を中心に新導入。レイクブルーメタリック、サンドベージュメタリック、コンパーノレッド、クロムグレーメタリック、フォレストカーキメタリックをタントで初採用した。モノトーンは8色、ルーフやドアミラーがブラックマイカメタリックとなる2トーンも5色を新設定している。
■カスタムは顔を大変更。標準系は白ルーフの2トーンカラーを新設
カスタムもフロントフェイスを大幅に変更。押し出し感を強めつつ、大人の上質・洗練さを表現したという。写真からは確認しづらいが、リヤバンパーも新作のようだ。内装はインパネまわりの質感が向上し、シート地も見直している。使い勝手の面では、ファンクロスにも採用する上下2段調節式デッキボードを装備。グレード体系はスタイルセレクション系モデルがなくなり、ターボエンジン搭載のカスタムRS、NAエンジン搭載のカスタムXの2グレード構成となる。ボディカラーは新採用のクロムグレーメタリック、クールバイオレットクリスタルシャインを含む7色のモノトーンカラーと、黒ルーフの2トーン2色をラインアップしている。
標準系はXターボ、X、Lの3グレード構成。Xスペシャルは廃止、Lのスマートアシスト非装着車の設定もなくなるようである。ボディカラーはファンクロスと同様にサンドベージュメタリックを新導入。マスタードイエローマイカメタリックとターコイズブルーマイカメタリックがなくなり、モノトーンは9色を設定。2トーンはルーフがホワイトとなり、アイスグリーンとサンドベージュメタリックの2色を用意している。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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