GSユアサ・バッテリーは2023年4月3日、電池工業会で制定されたヨーロッパ規格に準拠した日本車向けの自動車用の鉛バッテリー「ECO.R ENJ(エコ.アール イー・エヌ・ジェイ)」シリーズをリニューアルして6月に発売すると発表した。このリニューアルでは高機能繊維「ゴアテックス」、医療・航空宇宙などの最先端分野で有名なゴア社製の触媒デバイスを組み込んで新たに共同開発した世界初の長寿命化のための新技術「GRテック液栓」を新採用しているのがアピールポイントだ。
GSユアサの「「ECO.R ENJ」バッテリー鉛バッテリーは、充電時に水が電気分解され水素と酸素となって排気口から電池外部へ流出するためバッテリー液が減少する。そのため定期的な補水メンテナンスが必要とされる。しかし近年自動車メーカーで採用が増加している EN規格バッテリーは、後部座席下やラゲッジスペース下などに格納されていることが多く、メンテナンスしづらい環境にある。
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ゴア社は、自動車用液式鉛バッテリーの限られた内部空間に装着できる小型のゴア触媒デバイスを開発した。ゴア社が持つ世界最先端の多孔質PTFE技術と触媒成膜技術により開発されたゴア触媒デバイスは、過酷な高温酸性条件下でも鉛バッテリー内で発生する水素と酸素を効果的に水に再結合させ、電解液の減液を抑制することができる。この減水抑制がバッテリーの耐久性を向上し、寿命を延ばすことにつながるのだ。
ゴアの多孔質PTFE技術を用いた触媒デバイス日本ゴアのプロダクトスペシャリスト麻生昌之氏のコメント
「100年以上の歴史を持つ鉛バッテリーが抱えてきた電解による液減りの問題をゴアの持つ特殊な技術を組み合わせることにより問題解決を図ることに成功しました。これにより鉛バッテリーの寿命を延ばし、環境性能の更なる向上に貢献できます」
GSユアサは、ゴア触媒デバイスを組み込んだ「GR テック液栓」を採用し、バッテリーから発生した水素と酸素を再結合させ、水に戻すことで大幅な液減り抑制効果を実現。補水メンテナンスの手間を大幅に軽減する(従来品から液減りを90%低減)。さらに液減りを抑制できたことにより、バッテリー液の比重が安定し、クイックチャージ性能を長く維持することで、寿命指数を 114%に向上させ、長寿命化を実現している。
この「ECO.R ENJ」シリーズはもちろん日本車にも適合し、2重蓋構造を採用することで優れたメンテナンスフリー性能を発揮。また車室内に搭載にも安全な排気構造としている。
アイドリングストップ車に対応するLN2-IS、LN3-IS、LN5-ISは、腐食や変形に強い高耐久性グリッドに、活物質の脱落を抑制するハードペーストを加えた 「ULL(ウルトラ・ロングライフ)構造」を採用しており、アイドリングストップ車の過酷な要求特性にもマッチしている。
さらに薄型極板を採用し枚数を増加。反応面積を増やし、クイックチャージ性能と耐久性を向上。鉛のイオン化促進に適した添加剤もバッテリー液に配合することで、通常車(アイドリングストップなし)車用の電池と比較してクイックチャージ性能を向上させている。
日本ゴア 公式サイト
GSユアサ・バッテリー 公式サイト
The post GSユアサ ゴア社と共同開発した世界初の新技術でバッテリー長寿化 first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.
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