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トヨタ人気のコンパクトSUVを買うなら…… ライズがいい? それともヤリスクロスがいいのか?

掲載 更新 14
トヨタ人気のコンパクトSUVを買うなら…… ライズがいい? それともヤリスクロスがいいのか?

 最近、絶好調に売れているのがトヨタのコンパクトSUV、ライズとヤリスクロスだ。

 この2台、ライズは167万9000円~228万2000円、ヤリスクロスが179万8000円~281万5000円と、実は価格が意外とバッティングしている。そんなわけで、どちらかの車種をいざ購入しようと考えた時に迷う人も多いのではないだろうか?

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 ただ、同じコンパクトSUVでもクラス分けされているので、予算に余裕がある人はヤリスクロスのハイブリッドを選ぶのかもしれない。とはいえ、ボディは小さくてもいいという人ならライズの上級グレードを買ったほうがいいのでは? と考える人も少なくないはずだ。

 この2台、買うならどっちがお薦めなのだろうか? さらにお薦めグレードを含めて、モータージャーナリストの岡本幸一郎氏に解説してもらった。

文/岡本幸一郎  写真/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】ライズvs.ヤリスクロス 大人気SUVのデザイン、質感、実用性を徹底比較!!

■ライズもヤリスクロスも売れているのは上級グレード

コンパクトSUVのライズは2019年11月に発売。ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm

明るさや楽しさを感じさせるライズのインテリア。小さいボディながら、後席もヤリスクロスと同等の広さが確保されている

 いつのまにかSUVの宝庫となったトヨタのラインアップのなかでも、特に旬を迎えているのが、いずれも価格がリーズナブルでサイズが小さめのライズとヤリスクロスだ。

 2019年11月秋に発売されたライズはすぐさま売れまくり、同月に登録車の販売台数ランキングで4位にランクイン。4294台の姉妹車ロッキーと併せると実質的に首位という華々しいデビューを飾るや、翌1月には単独で首位に立った。

 2020年8月にヤリスクロスが発売されても、9月~10月とライズがヤリスクロスの倍近い1万3000台を超える売れゆきを見せた。そして11月~12月にほぼ並び、その後はヤリスクロスが上回るという状況となっているが、ライズの勢いもまだまだ衰えていない。

 ヤリスクロスの売れ筋はハイブリッドが圧倒的で、グレードで見ると1位がハイブリッドの「Z」(50%)、2位がガソリンの「Z」(22%)、3位がハイブリッドの「G」(14%)で、一方のライズは1位が「Z」(50%)、2位が「G」(20%)、3位が「Z」の4WD(15%)となっている。

 どちらも上級グレードが売れているわけだが、この2台は価格もサイズも近く、実際にも購入者でどちらを選んだらよいのか迷った人も少なくないことだろう。

■購入の決め手はデザインの好み

2020年8月に登場したヤリスクロス。ボディサイズは全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm

ヤリスクロスのインパネは落ち着いた空間に仕上げられている

 価格については、ライズが167万9000円~228万2000円、ヤリスクロスが179万8000円~281万5000円となっている。ただし、ヤリスクロスの低価格グレードは、まさに何もついていない状態なので、価格の下限を低く見せるために設定された印象もなくはない。

 一見すると価格帯がかぶっているように感じるものの、実質的にはやはりライズのほうが安い。

 中身について、まず基本的なところから述べると、TNGAとDNGAすなわち開発主がトヨタかダイハツかという違いがあるのはご存知のとおりとして、スリーサイズはライズが3995mm×1695mm×1620mm、ヤリスクロスは4180mm×1765mm×1590mmとなる。

 5ナンバーと3ナンバーという違いはもとより、ライズは全長が4mを切り、最小回転半径もMAXで4.9mと5mを切ることが特筆できる。実寸の差はそれほど大きくなくても、そのあたりを決め手に選ぶ人もいることだろう。

 むろん価格だけでなくデザインの好みも分かれ道だ。幸いこの2台では、RAV4の弟分的なライズとハリアーの弟分的(顔つきはだいぶ違うが…)なヤリスクロスではずいぶん雰囲気が違うので、好みが分かれて迷わないのではと思うところだが、どちらでもOKという人にこそ、ぜひ本記事を参考にして欲しい。

■ライズは軽快でパワフルな走りを発揮

ライズに搭載される1L、3気筒ターボエンジン(最高出力98ps/14.3kgm)は低回転域から太いトルクを発揮する

 ところで、ライズは前々回の東京モーターショーに出たダイハツのコンセプトカー「DNトレック」の市販版かと思われたところ、いざ出てきたらずいぶん雰囲気が違っていた。DNトレックの柔らかみのあるフォルムは、むしろヤリスクロスのほうがイメージは近い。

 実はデザイナーも変わったらしく、おそらく当初のダイハツの企画に対し、ある時からトヨタの意向が入り、より売れることを重視したデザインとされ、しかもヤリスクロスとかぶらないようにされたのではと想像している。

 パッケージング的には、ヤリスクロスのほうが微妙に広い気はするものの、居住性や積載性に大差はない。ライズは小さいのにがんばっている。

 ただし、テールゲートが電動開閉できたり、リアシートを3分割で前倒しできるなど、使い勝手のよさではヤリスクロスが上回る。運転席のシートポジションが電動で調整できる点も異なる。

 エンジンについて、ヤリスクロスのハイブリッドはなかなか完成度が高く、圧倒的に燃費がよいのに加えて、低速域のアクセルレスポンスに優れる点も武器だ。そこに魅力を感じるなら、少々高くてもハイブリッドを狙ったほうが悔いなく乗れる。

 ハイブリッドでなくてもいい人は、1.5リッター3気筒の自然吸気か1.0L 3気筒ターボかという選択となる。

 エンジンサウンドはいずれも3気筒らしい安普請なものだが、パワフルなのはターボ付きで98psと140Nmを発揮するライズ。ただしドライブフィールは少々粗削りで、そのあたりを許せる人へ。かたやヤリスクロスのガソリンは控えめで面白味に欠けるという感じだ。

■実用性はヤリスクロスが圧勝

ヤリスクロスのハイブリッドは1.5L、3気筒ガソリンにモーター2つを組み合わせたもの(システム最高出力116ps)。ハンドリングや乗り心地のよさはヤリスクロスに軍配が上がる

 ヤリスクロスはハイブリッドとガソリンで走りのキャラがぜんぜん違ううえに、ハイブリッドの2WDと4WDでもだいぶ違う。ざっと述べると、ガソリンは非力ながら軽いぶん走りも身軽だ。ハイブリッドの2WDは軽快で俊敏なのに対し、4WDはリアサスがビーム式からウイッシュボーン式になることで、乗り心地もやさしくなり、どっしり、しっとりとした感覚もある。

 SUVゆえ4WD性能も気になるところ。ヤリスクロスのハイブリッドはリアもモーターで駆動するE-Fourとなる。ガソリンはダイナミックトルクコントロール4WDも、3つのモードが選べるマルチテレインセレクトが与えられるのが特徴。

 一方のライズもこのクラスでは珍しく電子制御デファレンシャルが与えられているのがポイントだ。

 先進運転支援システムについて、現状ではトヨタとダイハツの差がモロに出ていて、機能も性能もヤリスクロスに圧倒的に軍配が上がる。このあたり、せっかくのトヨタの技術をダイハツとも共有したほうがユーザーにとってもメリットが大きいと思わずにいられないほどだ。

ヤリスクロスにゴルフバッグを積んだイメージ。リアシートは3分割が可能。実用性はヤリスクロスのほうが優れている

 というわけで、価格やデザインやサイズの好みでライズを選ぶのはもちろん大いにアリだが、もし迷うようだったら、現時点ではヤリスクロスにしておいたほうが賢明ではある。

 お薦めグレードとしては、ライズ、ヤリスクロスのどちらもすでにユーザーが選んでいるとおり最上級の「Z」を選べるだけの予算を念頭に置いておくべき。そして、標準で付かないオプション設定の安全に関する装備をできるだけ充実させることを薦めたい。

【画像ギャラリー】ライズvs.ヤリスクロス 大人気SUVのデザイン、質感、実用性を徹底比較!!

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みんなのコメント

14件
  • 深田恭子むっちむちやないかい
  • 「どちらが良い」を検討するのに重要な情報は車より先に人物の設定だろ。
    だいたい今時の車は好きなのを選べば良い。
    薦めるにしろ「こう言う人にはコレがベスト!」と言う限定的な正解でしか無い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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