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プジョー508は、より大きく、かつてないプレミアム感にあふれていた【10年ひと昔の新車】

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プジョー508は、より大きく、かつてないプレミアム感にあふれていた【10年ひと昔の新車】

2010年9月のパリオートサロンで公開されたプジョー508の国際試乗会が、2011年春、スペイン南部アリカンテで開催された。コンセプトカー「SR1」のデザイン様式に則ったエレガントなスタイリングが話題となっていたが、その走りはどうだったのか。Motor Magazine誌はその国際試乗会に参加しているので、今回はその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年5月号より)

プジョーのフラッグシップモデルらしい落ち着き
「508は、プジョーの新しいフラッグシップですか?」と尋ねたら「そう考えてください」とプジョー本社の広報部長であるマルク・ボクェ氏が答えてくれた。エクステリア、インテリア、そしてハンドリング性能に質の高さを見せる508は、フラッグシップらしい落ち着きがあるクルマに仕上げられているから、この答えは予想できた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

407の後継車として2010年のパリサロンでデビューした508であるが、407だけではなく607の後継車という意味合いも持つ。だから自動的にプジョーの最上級車になる。

この508から、プジョーの新しいデザインコンセプトが採用されている。フロントグリルの口の開き方と位置が変わり、ヘッドライトユニットの吊り目のイメージは残るがこれまでの強い個性からちょっと大人しくなった気もする。あまり目立たずに乗れるようになったから、欧州でも日本でも数を売るにはこの方が無難かもしれない。

508のシルエットを見ると、今までのプジョーのイメージから外れている。それはフロントのオーバーハングが短くなっているからだ。407より43mmも削られ、顎が短くなった感じである。

全長×全幅×全高は4792×1853×1456mmと、407に比べて101mm長く、42mm幅広く、ホイールベースは92mm延びている。Dセグメントの中では大きなボディ、大きなキャビンを持っている。

サルーンと、ワゴンのSWが用意される。カタログを見るとセダンより20kg重いSWであるが、燃費も含めて性能的な差はほとんどない。ちなみに空気抵抗係数はサルーンが0.26、SWは0.27である。

エンジンはガソリンが2モデル、ディーゼルが5モデルと、フランス車らしくディーゼルが充実している。すべてユーロ5にパスしている。

ガソリンは1.6Lのターボ付きとなしの2種類で、ターボ付きには6速MTと6速ATが用意される。NAは6速AMTでアイドリングストップシステムが装備される。

ディーゼルはすべてターボ付き。1.6Lは5速MTと6速AMT用の2種類のチューニングがある。2Lも6速MT用と6速AT用でチューニングを変えている。150kWと450Nmを発揮する最強GTの2.2Lは6速ATのみだ。

しなやかな足が生み出す抜群の乗り心地を見せる
冬でも天候に恵まれることが多い地中海沿いのスペイン南部、アリカンテで開催された国際試乗会でのインプレッションをお伝えしよう。

最初に試乗したのはガソリンの6速MT。156ps/6000rpm、240Nm/1400~4000rpmを発揮するから、1400kgの508を引っ張るのに十分なパワーとトルクを持っている。滑らかでかつダイレクトなフィールで動くシフトレバーを1速に入れ、クラッチペダルをゆっくり戻し、半クラッチ状態からアクセルペダルを踏み込んでいくと、クルマが一瞬動きそうになったときに電動パーキングブレーキが自動的に解除されてスタートする。クルマを停めてエンジンを切ると、自動的に電動パーキングブレーキがかかる仕組みになっている。ターボなしのモデル以外はMT、ATに関係なく標準装備されるオートパーキングブレーキシステムだ。

100km/hでの6速クルージングではタコメーターの針は2200rpm弱を指している。室内も静かで快適な移動空間だ。最大トルクは1400rpmからだから、100km/hからでもシフトダウンせずにそのままアクセルペダルを踏み込めば楽に加速していく。

市街地やワインディングロードも走ったが、しなやかで非常に良い乗り心地だった。サスペンションのフリクションが小さい感じが伝わってくる。これは乗り心地だけではなくハンドリング性能にも大きく寄与している。しなやかな動きでコーナーでも路面を掴んでへばりつく感じがいい。スキール音も出にくいから、ハイスピードコーナリングをあっさりやってのける。ニュートラル感はセンターの遊びがなくフランス車らしい動き。ターンインのときも狙い通りのラインに乗せるのが楽だ。

2.2LディーゼルのGTというグレードは、407から継承したダブルウイッシュボーンのフロントサスペンションを持つが、これはエンジンが重いからだ。ガソリンも含めて他のエンジンは、ストラットを採用している。ストラットを採用したモデルはエンジンが軽いこともあってハンドリングも軽快である。

プジョーらしいしなやかな脚は長時間乗っていても快適だし、飽きることがない。508はルックスが穏やかになったが、こうした走り味の面ではますます磨きが掛かった感じだ。強豪がひしめくDセグメントの中にあってきちんとプジョーの個性を出していることは評価に値する。

日本では6月に発表、7月から発売されるのはガソリンエンジンだが、近い将来ディーゼルの導入も考えているようだから楽しみだ。(文:こもだきよし)

プジョー508 サルーン 1.6 THP 156 主要諸元
●全長×全幅×全高:4792×1853×1456mm
●ホイールベース:2817mm
●車両重量:1400kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:115kW(156ps)/6000rpm
●最大トルク:240Nm/1400-4000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
※EU準拠

[ アルバム : プジョー508 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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