現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】ハイブリッドなのにエンジンの主張がハンパない! 新型アコードってこんなに楽しいクルマだったの?

ここから本文です

【試乗】ハイブリッドなのにエンジンの主張がハンパない! 新型アコードってこんなに楽しいクルマだったの?

掲載 36
【試乗】ハイブリッドなのにエンジンの主張がハンパない! 新型アコードってこんなに楽しいクルマだったの?

 この記事をまとめると

■レーシングドライバーの木下隆之さんがホンダ・アコードに試乗した

【試乗】e:HEVが驚くほどの進化を遂げた! リニアでスポーティな新型アコードでセダンの復権なるか?

■アコードはe:HEVであるが積極的にエンジンを使用するセッティングがなされていた

■2040年までは精一杯、内燃機関を楽しもうじゃないかというホンダの意志を感じた

 新型アコードはEV時代までの繋ぎなんかじゃない

 誤解を恐れずにいうなれば、新型アコードにはそれほどの期待を持てずにいた。

 理由はふたつある。2040年にハイブリッドからの決別を宣言したホンダが、EVではないアコードにリソースを注ぐとは思えなかったこと。SUVが国民の足になりつつる日本で、4ドアセダンの可能性が広がると思えないこと。

 実際に新型アコードの日本投入はe:HEVのみとなる。ささやかな意匠変更でお茶を濁すに違いないと、気乗りしないまま試乗会場に向かった。

 ただし、待ち受けていたアコードは、バイアスのかかった目を覚まさせるように、印象的な施策の数々で僕を刺激したのだ。

 搭載するパワーユニットは、直列4気筒2リッターと電気モーターを組み合わせている。e:HEVである。印象的なのは、ハイブリッドであるのにエンジン支配率を高めたことだ。

 クルージングからの加速では、迷うことなくエンジンが始動する。これまでのように電気モーターに頼りすぎない。加速遅れが少ない。

 高速巡航時にはエンジンと駆動輪を直結させるのがホンダe:HEVの武器のひとつだったが、その領域を格段に広げている。軽はずみにモータークルーズすることなく、安定してエンジンを始動させ続けている。

 アクセルペダルを強く踏み込むような加速では、多段化ミッションのように擬似的なステップを踏む。速度の上昇に比例して、階段を登るようにして回転計の針が跳ね上がる。そのシステムを伝えずに走らせれば、2ペダルMTと勘違いするかもしれない躍動感だ。

 2040年まで内燃機関をしゃぶり尽くしたくなる

 しかも、ドライブモードを「スポーツ」にセットすれば、電子的サウンドが増幅される。4気筒のチープな感覚はなく、その音階が野山に響くかのようなスポーティ感覚が得られる。内燃機関であるかのような高揚感なのだ。

 これまで4段だった減速モードの擬似的変速も6段に増やされた。減速モードの左パドルを引けば、それこそ2ペダルMTに似た感覚で弾ける。

 いやはや、ことほどさように、これはもう内燃機関への回帰を狙っているとしか思えないセッティングである。とてもエンジンに引導を叩きつけたホンダのクルマとは思えない。いや、ハイブリッドさえも否定するかのように、改めて内燃機関の魅力を再確認し、いかにも内燃機関らしいフィーリングを盛り込んでいる。

 エンジンを捨てようとしているホンダ経営陣へのエンジン屋の謀反であるかのような完成度の高さなのだ。 そんな走りの爽快感を味わってから改めてデザインを観察すると、新型アコードがキラキラと輝いて見える。

 これまでのホンダが好んできたガンダム的なデザインは影を潜めている。前後に長いボディは伸びやかであり素直にスタイリッシュだ。曲げたり捻ったり尖ったり凹ませたりといった線と曲線の他用から決別している。過去のアコードを否定するかのようにスッキリとまとまっている。

 インテリアも同様で、直線基調の造形美が感じられる。ダッシュボードとコンソールボックスの位置関係は正しくT字型であり、ドアサイドのベルトラインと道幅のラインは一点のベクトルで結ばれている。

 試乗前にはアコードに対してかなり否定的だったものの、その走り味を楽しんでいるうちに考えが改められていった。ホンダは内燃機関の魅力に取り憑かれた開発陣が多く残っているに違いない。2040年までいまから16年もある。それまでは精一杯、内燃機関を楽しもうじゃないか。新型アコードがそう語っているような気がした。

 ちなみにアコードのグローバル販売の主戦場はアメリカであり、米国工場で生産される。中国仕様は中国製。この二カ国がメインであり、わずかな数字にとどまる日本市場向けはタイ製となっている。

こんな記事も読まれています

ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ?
ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ?
WEB CARTOP
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
AUTOCAR JAPAN
クルマは軽ければ軽いほどいい……っていわれてなかった? じつは重いことによるメリットも存在した!
クルマは軽ければ軽いほどいい……っていわれてなかった? じつは重いことによるメリットも存在した!
WEB CARTOP
素のスイフトにMTがあるのは「走り好きの若者」もだけど「高齢ドライバー」のためでもあった! MT設定にみるスズキの良心に感動!!
素のスイフトにMTがあるのは「走り好きの若者」もだけど「高齢ドライバー」のためでもあった! MT設定にみるスズキの良心に感動!!
WEB CARTOP
昭和生まれのアクティブオヤジ感涙! かつてSUVがRVと呼ばれていた時代にイケてた懐かし装備たち
昭和生まれのアクティブオヤジ感涙! かつてSUVがRVと呼ばれていた時代にイケてた懐かし装備たち
WEB CARTOP
14代目クラウンはベンツ BMWを蹴散らしたのか? 走りの進化は歴代最高! 注目のハイブリッド試乗プレイバック
14代目クラウンはベンツ BMWを蹴散らしたのか? 走りの進化は歴代最高! 注目のハイブリッド試乗プレイバック
ベストカーWeb
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
GQ JAPAN
NSXの次の「タイプR」はホンダじゃなくてマツダ「ランティス」だった! 2リッターV6まで搭載するも1代で消えた残念な名車
NSXの次の「タイプR」はホンダじゃなくてマツダ「ランティス」だった! 2リッターV6まで搭載するも1代で消えた残念な名車
WEB CARTOP
ボルボの新型SUV悪くないやん! でもドアも始動も自動は慣れないなー 今季注目の新型EX30は中々に手強いゾ!
ボルボの新型SUV悪くないやん! でもドアも始動も自動は慣れないなー 今季注目の新型EX30は中々に手強いゾ!
ベストカーWeb
ハイブリッドシステムまで進化したぞっ! ホンダ・ヴェゼルのマイチェンを詳細リポート
ハイブリッドシステムまで進化したぞっ! ホンダ・ヴェゼルのマイチェンを詳細リポート
WEB CARTOP
新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~
新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~
グーネット
ホットハッチの太鼓判──新型フォルクスワーゲン ポロGTI Edition 25試乗記
ホットハッチの太鼓判──新型フォルクスワーゲン ポロGTI Edition 25試乗記
GQ JAPAN
フェラーリに8年先行したロードカー ドライエ・タイプ145 シャプロン・ボディのスーパークーペ(1)
フェラーリに8年先行したロードカー ドライエ・タイプ145 シャプロン・ボディのスーパークーペ(1)
AUTOCAR JAPAN
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(2)】「SV」を冠するレンジローバースポーツには、たぶん敵わない
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(2)】「SV」を冠するレンジローバースポーツには、たぶん敵わない
Webモーターマガジン
10年目にして一新! マツダ「ロードスター」は事実上のモデルチェンジ!? ドライビングファンは現代版ロータス「エラン」でした
10年目にして一新! マツダ「ロードスター」は事実上のモデルチェンジ!? ドライビングファンは現代版ロータス「エラン」でした
Auto Messe Web
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
AUTOCAR JAPAN
サーキットはもちろん、日常のアシとしても魅力的! 「ヒョンデ・IONIC 5 N」試乗インプレッション
サーキットはもちろん、日常のアシとしても魅力的! 「ヒョンデ・IONIC 5 N」試乗インプレッション
月刊自家用車WEB
コンビニに入るのもひと苦労の「シャコタン」って意味あるの? じつは聞き慣れない「ロード・ハギング・レシオ」が走りに大きく影響していた!
コンビニに入るのもひと苦労の「シャコタン」って意味あるの? じつは聞き慣れない「ロード・ハギング・レシオ」が走りに大きく影響していた!
WEB CARTOP

みんなのコメント

36件
  • b**c**7
    何がどうあれ、北米用のクルマです。
    ホンダも日本で売れるとは思ってませんから。
  • dum********
    朝令暮改はホンダの長所であり短所でもあるんだけど、最近はダメな点ばかり目立ちますね。
    オデッセィの絶版と復活、オール電動化宣言・・・経営陣、現場、販売店との意思疎通がちゃんと取れていないんでしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

544.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.0549.3万円

中古車を検索
アコードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

544.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.0549.3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村