2019年11月に発表された、フォード「マスタング Mach-E(マッハE)」。「マスタング」は、アメリカを代表するマッスルカーというイメージではあるが、このMach-EはピュアEVのクーペSUVという、それまでとは全く違うパッケージングで登場し、世界を驚かせた。
このモデルは従来のマスタングである、クーペやコンバーチブルに取って代わるモデルということではなく、マスタングファミリーの一員として新しく加えられたモデル。そして、フォードの電動化戦略を担う重要なモデルである。マスタングMach-Eの魅力と特徴を解説していく。
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文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:Ford
【画像ギャラリー】マスタングを次世代に!! 「マッハ1」を想起させるピュアEV「マッハ-E」と、フォードの電動化戦略
あの「マッハ1」を想起させるネーミング
1964年に登場した、フォード「マスタング」。アメリカン・スピリットを象徴するモデルとして人気のモデルだ。大排気量V8モデルの盛大なエキゾーストノートには、「あぁ、これこそアメリカだな」と思わず感じてしまう存在感がある。
ところが、今回の「マッハ-E」は、100%モーター駆動のピュアEVである。最新のインフォテインメントシステムとコネクテッドテクノロジーを搭載し、新時代のドライビング体験を提供する。それも、後席ドアを備えたSUVという実用的なパッケージングでだ。
ファミリーでも使いたくなる、実用的なクーペスタイルSUV
ところで、この「マッハ-E」というネーミングでピンときた方は、相当なマスタング好き、もしくはクルマ好きであろう。
1969年、2代目マスタングに設定された高性能版の名前が「Mach 1(マッハ1)」であった。マスタングにおいて「マッハ」と付くモデルは、「ラインアップにおける高性能版である」ことを意味しており、マッハ-Eは性能面においても、ファミリーを牽引するトップ・パフォーマンス・バージョンというわけだ。ちなみに、マッハ1は、幾度かにわたるイヤーモデルの登場を経て、2020年6月に17年ぶりの復活を果たしている。
「Mach」と付いたマスタングは高性能の証だ
マスタングらしくないフロント、マスタングらしいリア
マスタングマッハ-Eのボディサイズは全長186.7インチ(約4742mm)×全幅74.1インチ(約1882mm)×全高63.5インチ(約1613mm)で、ホイールベースは117.5インチ(約2985mm)となる(数値はいずれもGTグレード)。全長、全幅は、おおよそトヨタのランドクルーザープラドと同程度と、ミドルクラスSUVより少し大きい程度で、日本の狭い道路事情でも決して扱いにくいサイズではない。
エクステリアデザインは、マスタングを象徴する筋肉質なフォルムを基本としながらも、クーペスタイルらしいエレガントでゆったりとした雰囲気を感じる。くっきりとしたプレスラインなどがなく、またEVモデル特有のグリルレスのデザインによるところが大きい。
フロントセクションは基本のクーペモデルとかなりイメージが異なるが、リアセクションにははっきりとマスタングのデザインエッセンスを感じられる。
初代を彷彿とさせる3連テールランプが配置され、中央部分は水平方向に伸びた立体的なバーがデザインされている。このバーにより、見る角度によってはリアコンビネーションランプにノッチが付いているように見え、先進的でスポーティな印象を高めている。
初代を彷彿とさせる3連のテールランプ。中央の立体的な意匠がカッコいい
インテリアは、水平基調のシンプルなインパネに、中央に15.5インチの大型タッチスクリーンパネルが鎮座しているのが特徴的だ。また、メーターパネルはフードレスで、こちらも10.2インチのスクリーンがステアリング奥に配置されるのみである。マスタングの印象からは遠ざかり、どちらかというとテスラを意識したデザインにも感じられ、マッハ-Eが先進的なモデルであることを印象付けている。
先進的なイメージのすっきりしとしたインテリア。中央の巨大スクリーンが印象的
マスタングファミリーで最高のパフォーマンス
マッハ-Eには68kWhの「スタンダード」と88kWhの「エクステンデッド」の2種類のバッテリー容量が用意され、後輪駆動か4WDシステム「eAWD」を選択できる(グレードによっては後輪駆動のみ)。
このうち最も高性能なグレード「GT」には88kWhのバッテリーとeAWDという組み合わせにより、480psという高出力が与えられる。最大トルクは標準のGTで600lb.-ft(813Nm)、さらなる高性能版の「GTパフォーマンスエディション」だと634lb.-ft(860Nm)という強烈なトルクが発生する。
これにより0-60mph(約96.6km/h)加速はGTで3.8秒、GTパフォーマンスエディションで3.5秒となり、フォードによると、ポルシェ911GTSに匹敵するパフォーマンスだそうだ。
航続可能距離はGTで270マイル(約435km)、GTパフォーマンスエディションで260マイル(約418km)となっている。急速充電器であれば、約10分でおよそ59マイル(約95km)走行分を確保できる。また、45分の充電で容量の残り10%の状態から80%まで充電することが可能だそうだ。
急速充電であれば、約10分の充電でおよそ59マイル(約95km)の走行が可能となる
マスタングであることの意義
2021年5月、フォードはEV開発のための投資を2025年までに300億ドル以上に増やすと発表した。これにより、フォードが世界で販売する車両の40%が2030年までにEVになると予測されている。
フォードの描くビジョンと伝統との融合はひとまず成功したと言えるだろう。実際のところ、マスタングマッハ-Eを購入したユーザーの70%はフォードの新規顧客であるとのこと。これまでマスタングに関心のなかったユーザー、そして高級SUVやEVというカテゴリーで魅力的なクルマを求めていたユーザーの獲得に成功したというわけだ。
これだけのパフォーマンスを持つクルマなのだから、V8の咆哮が聞こえなくても、後席ドアがあっても、「マスタング」ブランドと「Mach」の称号が与えられていても誰も文句は言うまい。「マスタング」というブランドを新時代に引き継ぐためには、このタイミングでガツンとピュアEVで脇を固める必要があった。今後、軸足をEVに移すための重要なプロセスだったのだ。
マスタングというブランドを次世代に引き継ぐためにも、マッハ-Eは必要
日本からフォードが撤退した2016年からわずか3年ほどで、これほどの高いパフォーマンスと実用性を兼ね備えたマスタングがリリースされたのは何とも寂しいことである。
一方で、日本でもバッテリー動力のみで駆動する電動SUV「アリア」が日産より発売されたことにより、EV市場のさらなる活性化が期待されている。その流れによっては、フォードの再上陸と日本市場でのマスタング復活もあり得るだろう。今後もEV市場の動向からは目が離せない。
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