BMWのSUVラインナップとしては、エントリーに位置するX1だが、その走りはとてもエントリーモデルとは思えぬほどレベルが高いと評判だ。今回は、そんなX1シリーズに用意されている3つのパワートレーン(2Lガソリン、2Lディーゼルターボ+MHEV、ツインモーターBEV)を乗り比べてみた。走り視点で選ぶならばどれがベストなのだろうか?
ウォークスルー構造の車内がめちゃ便利! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
●文:川島茂夫●写真:編集部
悪路走破も考慮した実用的な設計。レジャーユースも余裕でこなせる
BMWのSUVラインナップではエントリーに位置するX1。FFプラットフォームをベースに開発された、最もコンパクトなモデルとなるが、全長が若干長いものの、平面寸法はトヨタ・RAV4と大差なく、ホイールベースは同サイズになる。
実車を目の当たりにすると、寸法より小振りに見えるが、これは全高が低めなことと、キャビン周りのデザインによるもの。標準サス仕様の最低地上高は205mmで、ローダウンサスのMスポーツとBEVのiX1はさらに低くなるものの、SUVらしい悪路走行も多少考慮した設定。キャビンや荷室まわりも十分な広さで、レジャー用途もしっかりと考慮したバランスよく纏まったモデルといえる。
―― BMW iX1 xDrive30 Mスポーツ 価格:734万5000円
現在、日本に導入されているモデルはすべてxDriveの4WD仕様となり、2Lのガソリンターボと2Lディーゼルターボ+マイルドHEV、ツインモーターのBEVの3タイプのパワートレーンが用意される。
BMWのBEVの歴史はi3とi8から始まるが、この2つのモデルはともにBEV専用モデルとして開発されている。一方、現在の「i」シリーズは車種を大幅に拡大しているが、いずれも既存ラインナップのバリエーションとして設定される。
X1シリーズの中でiX1は、最上位モデルとしての役割を持つ。そのことが分かるのがグレード名称で、ガソリン仕様とディーゼル仕様のグレード名がともに「20」なのに対して、iX1は「30」と1クラス上のパワートレーンを搭載したモデルとして設定されている。
ただ、動力性能に関しては内燃機モデルの上位設定になるが、BEVには航続距離というウイークポイントがある。iX1のWLTCモード満充電航続距離は465kmで、対して50L消費(タンク容量54L)の計算値航続距離はガソリン仕様が645km、ディーゼル仕様が975km。ロングドライブ基準では、iX1は少し心許無くも感じてしまう。
―― BMW iX1 xDrive30
―― BMW iX1 xDrive30
巧みな駆動輪制御の恩恵で、優れたコーナリング性能を体感できる
今回、試乗したモデルは、BEVが「iX1 xDrive30 Mスポーツ」、ディーゼル仕様が電子制御ダンパーを採用したアクティブMサスペンションを装備した「X1 xDrive20d Mスポーツ」、ガソリン仕様は標準グレードとも言える「X1 xDrive20i xライン」の3モデル。
まず、価格的にもエントリーに位置するガソリン仕様の「X1 xDrive20i xライン」は、X1シリーズのコンセプトをそのままにしたような走行感覚が印象的だ。パワーフィールは力強く、回転域ごとのドライバビリティの変化も少なめ。妙な刺激もなく、全域で余裕を感じさせてくれる。フットワークはワインディング路でも揺れの挙動は少なく、乗り心地と素直な操舵感が共存できている。落ち着いた運転感覚が印象的だ。
BMWらしいダイナミズムな走りを求めるユーザーにとっては多少物足りなさを感じるかもしれないが、家族や友だちと一緒のレジャーユースに用いるSUVとしては十分なレベル。なお、X1シリーズはFFモデルがベースだが、後輪に荷重が掛かったFR的なコーナリング感覚が強く感じられる。これは4WDのトルク配分制御の恩恵によるものだが、試乗した3モデルに共通している走行感覚だった。
ディーゼルとBEVは上位設定にふさわしい走りだが、総合力で「IX1」がリード
装着タイヤの違いもあるだろうが、ディーゼルの「X1 xDrive20d Mスポーツ」になると、ドライブモードをコンフォートにしても路面からの当たりはかなり強め。さらにスポーティ寄りのモードにするほど、アクセル踏み込み時の瞬発力や、ハンドリングの切れ味感が強まってくる。刺激的なドライビングを好むユーザーに応えた特性で、ある意味「BMWらしい」味だろう。
同じMスポーツでも「iX1 xDrive30 Mスポーツ」の印象は異なる。電動特有の圧倒的なトルクを活かした加速だが、繋がりはさらに滑らか。重い車両重量も利いているのだろうが、据わりがよく乗り心地の質感が高い。ハンドリングも収束感高く、よりラインコントロール性がさらに増した印象だ。車外からのロードノイズも抑えられているなど、BEVのアドバンテージをさらに際立たせる静粛性もある。走り全般の車格感が内燃機モデルよりも1クラス上がった印象で、航続距離は少しネックになるものの、内燃機モデル以上の走りの質の高さは大いに魅力的。積極的に選びたくなる魅力を持つモデルだ。
―― iX1のシステム最高出力は272PS。スペックにふさわしい力強い加速を楽しむことができる。BMWらしいダイナミックな走りを求める向きには、見逃せない魅力を持っている。
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