ドレスアップパーツとしても人気のチタンマフラー
バイクのドレスアップを目的とした定番のカスタムといえば、マフラー交換が人気です。外観や排気音をガラッと変えることができ、乗り心地や性能アップも期待できるため、メリットの大きいカスタムと言えるでしょう。
マフラーに使われている素材には、スチールやステンレス、チタン、カーボンなどさまざま。そのなかでも、カスタム用のマフラーとして人気が高い素材がチタンです。
それぞれの素材には一長一短がありますが、チタンマフラーの特徴の一つに虹のような美しい焼き色がつくことが挙げられます。この虹色の見た目がカッコいいという理由で、あえてチタンマフラーを選ぶライダーも少なくありません。
では、チタンマフラー特有の虹のような焼き色は、一体どういった原理で付いているのでしょうか。
虹のようなグラデーションの焼き色がつく以外にも、チタンマフラーが多くのライダーを魅了する理由はたくさんあります。
まず、マフラー用の素材のなかでチタンはもっとも軽量で、スチールやステンレスの6割ほどの重量しかなく非常に軽い金属です。マフラーが軽くなると車体全体の軽量化につながり、バイクの操作性も大きく向上します。
強度も金属のなかでトップクラスなのでマフラー自体を薄くできるため、ほかの素材よりも圧倒的に軽くすることが可能。
また、スチールやステンレスに比べて乾いた甲高い音が出るので、チタンマフラーの排気音が好みというライダーも少なくありません。
さらに、ステンレス以上にサビに強いという特徴があり、耐久性も非常に優れているため、一度取り付ければ安心して長く使うことができます。
しかし、チタンは強度が高い金属であるがゆえに、加工は簡単ではありません。その為、製造工程で非常に手間がかかりコストも高くなるため、かなり高額になりやすいというデメリットがあります。
このように、チタンはマフラーの素材として非常に優れているため、クルマのカスタムパーツとしても人気です。そのほか、航空機器や建築資材、スポーツ用品、医療器具など、さまざまな分野でチタンが利用されています。
なぜチタンマフラーは虹色に変化するの?
では、なぜチタンマフラーは虹のような焼き色に変化するのでしょうか。
チタンは高温に熱すると鮮やかな虹色に変化しますが、これはマフラーそのものの色ではなく、光の反射が起こり干渉することで見える色。
この光の反射がなぜ起こるかというと、金属は高温にさらされると表面にごく薄い「酸化皮膜」ができるからです。酸化皮膜は、金属と酸素が結びついて酸化したサビの一種ですが、無色透明でチタンの表面にしっかりと密着しています。
よくチタンやステンレスは錆びないと言われますが、実はその金属の表面に酸化皮膜、つまり錆びの一種である透明な薄い膜が不安定な状態でつくられているのです。
同じ酸化皮膜でも銅の場合は緑青色になり、鉄の場合は赤茶色に変化します。金属の種類でも、錆びると言われるものと錆びないと言われるものがあるのは、酸化皮膜が「見える」か「見えない」かの違いとなっています。
チタンの場合は、透明な酸化皮膜ができると膜の表面で反射する光と、膜の内側で屈折して反射する光が干渉して、光が弱められたり強められたりすることで波長ができて、虹のような色が出ます。
そして、干渉する光の波長は酸化皮膜の厚さによって変化するのですが、チタンは高温で熱せられると酸化皮膜が成長し厚さが増していくため、グラデーションのような色に変化して虹のように見えるというわけです。
なお、シャボン玉やCDの表面が虹色に見えるのも光の干渉によるもので、実は同じ原理。シャボン玉は、表面で反射する光と内側で反射する光が干渉することで虹色に見えます。
CDの場合は、表面にピットと呼ばれる小さな凸凹が規則的に並んでいて、この溝に入って反射した光と表面で反射する光が干渉することで虹色に見えるのです。
ちなみに、ノーマルのマフラーでも虹色になることがありますが、チタンマフラーのような鮮やかな虹色にはなりません。また、チタンマフラーに早く焼き色つけたい場合は、高回転で長時間エンジンを回し続ける必要があります。
マフラーをチタンマフラーにカスタムしたという人は、愛車の見た目を良くするために、高速道路を使ってツーリングに出かけてみると良いかもしれません。
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みんなのコメント
最近「バイクのニュース」はど素人のような記事を書く無知なライターが多いが、まさか青い焼き色=チタンマフラーだと思い込んでステンレス製の純正マフラーの写真を掲載しちゃったことはないよね?
車等で出口付近(マフラーカッター部分)に色が着いている物があるが、出口付近がそんなに高温になるならマニホールドやタービンブレードは溶け落ちている。
それに樹脂のバンパーに引火するだろう。