現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ブガッティ「W16ミストラル」は巨大台風並みの強い風力を活用! オープンエアで最高速420キロの世界を楽しめるハイパーカーの空力はどうなっている?

ここから本文です

ブガッティ「W16ミストラル」は巨大台風並みの強い風力を活用! オープンエアで最高速420キロの世界を楽しめるハイパーカーの空力はどうなっている?

掲載 1
ブガッティ「W16ミストラル」は巨大台風並みの強い風力を活用! オープンエアで最高速420キロの世界を楽しめるハイパーカーの空力はどうなっている?

巨大台風ほどの大きな風の力を活用

「ミストラル」とは南フランスを吹き抜ける独特な風であり、季節の変わり目を告げる風のこと。「フォルムはパフォーマンスに従う」というブガッティの理念からも、風や空気はブガッティのデザインに大きな影響を与えています。W16エンジンを搭載した輝かしいモデルラインの最後の1台、「W16ミストラル」はこの目に見えない「空気」をどのようにデザインしたのでしょうか。ブガッティの空気に関する考えを紹介します。

99台限定、8億7000万円のブガッティ「W16ミストラル」は開発最終段階で3万2000キロ走破! なぜ完売しているハイパーカーの開発進捗が発表されるのでしょうか?

最高速度は驚異的な420キロ

「フォルムはパフォーマンスに従う」というブガッティの長年にわたる理念に忠実に、「W16ミストラル」は空気を巧みに活用している。ミストラルの類まれなドライビング体験は、1世紀にわたる空力学の研究によってもたらされている。最高速度420km/hで屋根のない強烈な体験を味わえるこのモデルは、最高のデザインと最高のエンジニアリングの結晶ともいえる。

馬蹄形グリルはこれまでの象徴的なモデルのデザインを再考し、3Dプリントメッシュを装備することで空気を中央のラジエターに導く。この結果、最高出力1600psを達成し、4ターボのW16エンジンの冷却に必要なパワーがもたらされた。また、空気の力を活用するデザインの役割はフロントライトユニットにも及び、性能要求に基づいた形状の追求をさらに進めている。ライトは8つのライトエレメントを持つ「シロン」のデザインを踏襲し、「ディーヴォ」や「ラ・ヴォワチュール・ノワール」などのモデルへのオマージュとして製作されたデザインは、空気のカーテンを誘導する溝により空気抵抗を低減する役割を果たしている。

最大限のパフォーマンスを引き出すために高い位置に持ち上げられたCラインにはエアインレットが設けられ、圧力レベルをさらに高めている。エアインレットは空気と圧力を同時に処理し、エンジン、ギアボックス、リアアクスルを冷却している。ブガッティの指針となる理念に忠実に、Cラインの形状もパフォーマンスを追求している。優雅に続くラインはレーシングヘルメットのバイザーの美学を思わせ、フロントガラスを横切る一体型クロスビームはオープンコクピット上の気流をスムーズにし、空気をリアウイングに導いて最大限のダウンフォースを生み出す役割を果たす。

ウインドウに接する部分はエアスクープを通り過ぎ、1934年製の「タイプ57 ロードスター・グランドレイド・ウジーヌ」から、近代的なオープンエアのブガッティである「ヴェイロン16.4 グランドスポーツ」まで続く伝統に敬意を表している。W16ミストラルではこれらの彫刻的な優雅さと性能を融合し、新たに高度に進化した独自のエアインテークシステムが導入されており、強靭なカーボンファイバー製クラッシュ構造に統合されている。

エアロダイナミクスと洗練されたデザインを融合

スクープから8L 16気筒エンジンの4つのターボチャージャーに空気が送り込まれ、驚異的なパワーを発揮。エンジン音はスクープによって増幅され、キャビン内の乗員に自動車の世界では比類のない聴覚体験をもたらす。

16気筒エンジンを冷却するラジエターから排出される熱気は、ダクトを通ってリアへと導かれる。これは、全体的に複雑なキャンバスにおける最も洗練されたデザインのひとつである。負圧によって引き込まれた熱気は、X型テールライトの通気口から排出される。この見事なディスプレイは、「ボライド」からインスピレーションを得たもの。強化されたランプのディフューザーにより、車両後部から排出される空気の流れを劇的に加速し、高温の空気をさらに排出するとともに、高速走行時のダウンフォースを全体的に増加させる役割も果たすのである。

AMWノミカタ

最高速度420km/hの屋根のない体験とは一体どのようなものなのだろうか。まったく想像がつかないが、W16ミストラルの最高速度を風速に換算すると約116m/秒となる。ちなみに世界最大の風速を持った台風は1996年にサイクロン・オリビアによってオーストラリアのバロー島で観測された113m/秒だそうだ。巨大台風ほどの大きな風の力をブガッティのエンジニアは活用しコントロールする知見をもっていることに驚く。

2019年にシロンはドイツのエーラ・レッシェンというVWのテストコースで時速304.77マイル(490.48km/h)という記録を打ち立てた。このときは時速300マイル(約480km/h)を達成するための特別な仕様だったというが、生産モデルでも最高速度420km/hを記録している。しかしW16ミストラルのシロンとの違いはオープンで時速420km/hを体験できる点である。屋根がないことで空気の流れは数段複雑になり、さらに高度なエンジニアリング技術が求められることは想像に難くない。エットーレ・ブガッティは自らに困難な課題を課すことを躊躇しない人物だったというが、その飽くなきチャレンジ精神はW16ミストラルにも受け継がれている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【ワールドプレミア】V12ツインターボエンジン+マニュアルトランスミッション搭載「パガーニ ユートピア ロードスター」公式発表 その全情報!
【ワールドプレミア】V12ツインターボエンジン+マニュアルトランスミッション搭載「パガーニ ユートピア ロードスター」公式発表 その全情報!
AutoBild Japan
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】セダンでもミニバンでもない微妙な[ナディア]はトヨタの大失敗作だったのか?
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】セダンでもミニバンでもない微妙な[ナディア]はトヨタの大失敗作だったのか?
ベストカーWeb
1960年代風の「レトロなスポーツカー」発売へ 500馬力V6に "リトラ" 採用! ベルトーネ新型「ランナバウト」公開
1960年代風の「レトロなスポーツカー」発売へ 500馬力V6に "リトラ" 採用! ベルトーネ新型「ランナバウト」公開
AUTOCAR JAPAN
水平対向エンジン搭載! 新型「2ドア“クーペ”」公開! ド迫力ワイドボディ&ツインターボでめちゃ楽しそう! 900馬力超えの「P39 40SE」英国に登場
水平対向エンジン搭載! 新型「2ドア“クーペ”」公開! ド迫力ワイドボディ&ツインターボでめちゃ楽しそう! 900馬力超えの「P39 40SE」英国に登場
くるまのニュース
“2000GT”後継機! トヨタ「4500GT」がスゴイ! 4.5リッター「V8」×軽量ボディで300km/h達成! ツルツルデザインの「和製スーパーカー」とは
“2000GT”後継機! トヨタ「4500GT」がスゴイ! 4.5リッター「V8」×軽量ボディで300km/h達成! ツルツルデザインの「和製スーパーカー」とは
くるまのニュース
高級セダン乗りに吉報! 人気の「ウェッズスポーツSA-27R」に19&20インチが追加で大口径車にベストマッチです
高級セダン乗りに吉報! 人気の「ウェッズスポーツSA-27R」に19&20インチが追加で大口径車にベストマッチです
Auto Messe Web
ロータリーエンジン搭載バイク【バンビーンOCR1000】漫画『熱風の虎』にも登場した70年代モンスターマシンに乗る
ロータリーエンジン搭載バイク【バンビーンOCR1000】漫画『熱風の虎』にも登場した70年代モンスターマシンに乗る
モーサイ
5000万円まであと少し…メルセデス・ベンツ「190E エボII」はライバルのBMW「M3スポエボ」をはるかに凌駕する高値をキープ
5000万円まであと少し…メルセデス・ベンツ「190E エボII」はライバルのBMW「M3スポエボ」をはるかに凌駕する高値をキープ
Auto Messe Web
361psの「RWD」がベスト? 最新 ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 精緻な操舵感へ惹かれる
361psの「RWD」がベスト? 最新 ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 精緻な操舵感へ惹かれる
AUTOCAR JAPAN
新型「シトロエンC5エアクロス」ハイブリッドを全方位からチェック&レポート!フランス製コンパクトSUVの性能やいかに?
新型「シトロエンC5エアクロス」ハイブリッドを全方位からチェック&レポート!フランス製コンパクトSUVの性能やいかに?
AutoBild Japan
「ミウラS」のレストア途中車両が30周記念モデル「ディアブロ SE30」とともに展示…「オート・エ・モト・デポカ」のランボルギーニブースを紹介
「ミウラS」のレストア途中車両が30周記念モデル「ディアブロ SE30」とともに展示…「オート・エ・モト・デポカ」のランボルギーニブースを紹介
Auto Messe Web
バブル時代の象徴フェラーリ「テスタロッサ」は「赤」以外が高額に! ブルーの個体は4000万円以上で落札…クラシケ認定も高評価
バブル時代の象徴フェラーリ「テスタロッサ」は「赤」以外が高額に! ブルーの個体は4000万円以上で落札…クラシケ認定も高評価
Auto Messe Web
実用性にはほど遠いけどロマンの塊! バケモノみたいな「16気筒エンジン」を積んだクルマはやっぱり見た目も強烈だった
実用性にはほど遠いけどロマンの塊! バケモノみたいな「16気筒エンジン」を積んだクルマはやっぱり見た目も強烈だった
WEB CARTOP
BMW新型「1シリーズ」日本デビュー! 森 星さん、淡路島へ長距離ドライブした感想は?…「FREUDE by BMW」でオリジナルデザートを期間限定で販売
BMW新型「1シリーズ」日本デビュー! 森 星さん、淡路島へ長距離ドライブした感想は?…「FREUDE by BMW」でオリジナルデザートを期間限定で販売
Auto Messe Web
オランダのカップルは3万キロ走破! 3カ月のバカンスは当たり前!?…そしてついに65センチのバラマンディがヒット!【豪州釣りキャンの旅_08】
オランダのカップルは3万キロ走破! 3カ月のバカンスは当たり前!?…そしてついに65センチのバラマンディがヒット!【豪州釣りキャンの旅_08】
Auto Messe Web
レクサスの“小さな高級車”「LBX」に新たな世界観を放つ新グレード登場! “おしゃれなインテリア”が目を惹く「エレガント」はコスパのよさも魅力です
レクサスの“小さな高級車”「LBX」に新たな世界観を放つ新グレード登場! “おしゃれなインテリア”が目を惹く「エレガント」はコスパのよさも魅力です
VAGUE
アバルト「124ラリー」と「30年つきあっても全然飽きない」理由とは?…DIYでコツコツとライフワークの「軽量化」を楽しんでます
アバルト「124ラリー」と「30年つきあっても全然飽きない」理由とは?…DIYでコツコツとライフワークの「軽量化」を楽しんでます
Auto Messe Web
【限られた時間でもわかった究極の片鱗】 第4世代ベントレー・コンチネンタルGTスピードに初試乗!
【限られた時間でもわかった究極の片鱗】 第4世代ベントレー・コンチネンタルGTスピードに初試乗!
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.0269.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.9159.0万円

中古車を検索
ミストラルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.0269.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.9159.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村