V12エンジンと決別してV8+THS2のハイブリッドに
トヨタ自動車は、2017年10月25日(一般公開は28日)から開催される第45回東京モーターショー2017で、トヨタブランドの最上級モデル「新型センチュリー」のプロトタイプモデルを公開する。
【ニッポンの名車】匠の技術で生産! 唯一無二の超高級車トヨタ・センチュリー
皇室の御料車にも使用されるセンチュリーは、世界に誇れるショーファーカー。1967年に初代が誕生し、1997年には2代目が登場、2017年初頭まで販売されていた。
今回東京モーターショーで公開される新型センチュリーは3代目のモデルだ。
最大の注目点は、日本車唯一のV型12気筒エンジンが踏襲されず、5リッターV型8気筒エンジン+THS2のハイブリッドシステムが搭載されたことだ。エンジンにはポート噴射と直噴を切り替えて使用するD-4Sを採用し、スムースな走りと燃費を追求した。さらにエンジンマウントの最適化、アクティブノイズコントロールの採用などにより、室内の圧倒的な静粛性を実現している。
もちろん走りは操縦安定性と乗り心地を高次元で両立しており、高剛性のボディ、専用チューニングを施したサスペンションに加えて、乗り心地に特化した新開発のタイヤを装備するという。
まずボディは、先代に比べて全長が65mm延長の5335mm、全幅が40mm拡大の1930mm、全高も30mmアップし1505mmと全体に大きくなっている。ホイールベースも65mm延長された。
ボディサイズが大きくなったことで、より重厚感を強調した見た目となったほか、ホイールベースの延長分は後席スペースの拡大に充てられ、フロアの低段差化やドア開口高さの拡大などで、後席乗員の居住性と乗降性を向上している。
外観は、センチュリーらしさを踏襲した上で、フェイスマスク面積に対してヘッドライトの割合が小さくなるなど、現代の高級車らしい雰囲気が見られる。グリルの縦格子は二重構造となり、グリルの奥側やクリアランスランプに七宝文様が施されることで、華やかな雰囲気を演出した。先ほど小さいと表現したヘッドライトは、プロジェクター式3灯とLEDアレイAHS(アダプティブ・ハイビーム・システム)を組み合わせたものだという。
また、クォーターピラーを立たせることで、キャビンの中心を後ろに感じさせるなど、あくまで後席中心のクルマであることを外観でも伝えている。
今回公開された写真では確認できないが、リヤコンビネーションランプのイメージは「和の光」だという。横一文字に配置されたリヤコンビはガーニッシュ部を黒色化、線発光する立体的なレンズを採用して華やかな印象も持たせている。
当然インテリアにもこだわりは多い。天井は折り上げ天井洋式を採用しつつ伝統的な柄を施して、高級車にふさわしい雰囲気を演出。
重要な後席は、前席シートバックやドアトリムショルダーには杢柄(もくがら)オーナメントを配し、視覚的に横方向への広がり感をもたせた。シート表皮は100%ウールのファブリックもしくは最高級の本革仕様が選択可能。さらに無段階調整可能な電動オットマンやアジャスタブルリヤシート(リフレッシュ機能付き)を装備して居住性を追求している。加えて、中央のアームレストにはオーディオやシート、エアコンなどを操作できるタッチ式液晶マルチオペレーションパネルを備え、そのほかライティングテーブル、読書灯、大型ディスプレイ付リヤシートエンターテインメントシステム、20スピーカープレミアムオーディオなど、あらゆる快適装備が備わる。
そして安全装備としては、トヨタ・セーフティセンスPを採用。さらにブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラートなど、最新の技術が盛り込まれ、ドライバーや乗員のスムースで安全な移動を実現する。
この新型トヨタ・センチュリー、発売は2018年年央の予定だ。
全長:5335mm 全幅:1930mm 全高:1505mm ホイールベース:3090mm トレッド フロント:1615mm トレッド リヤ:1615mm エンジン型式:2UR-FSE 排気量:4968cc バッテリー:ニッケル水素
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