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一気に存在感を高める可能性 シャオペンG9 AWDへ試乗 2340kgを軽々と動かす550ps

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一気に存在感を高める可能性 シャオペンG9 AWDへ試乗 2340kgを軽々と動かす550ps

海外進出に意欲的な新興のシャオペン

メルセデス・ベンツやアウディといった定評ある上級ブランドと、肩を並べたいと考える中国のシャオペン。まだ耳馴染みの薄い自動車メーカーだと思うが、ソフトウエアやテクノロジーを強みに掲げ、欧州市場での本格的な展開へ一歩を踏み出した。

【画像】一気に存在感を高める可能性 シャオペンG9 AWD 競合クラスのBEVと比較 P7も 全128枚

先日ご紹介した中型サルーンのP7と同時に、この土地へ先発としてやってくるのが大型SUVのG9。当初からグローバルモデルとしてデザインされており、実際に試乗してみると、なるほどと、うなってしまう水準に仕上がっている。

シャオペンというブランド名は、フ・シャオパン(何小鵬)氏という創業者の名前が由来で、2018年から量産車の生産をスタートさせた。G9は同社としては4番目の量産モデルに当たり、さらに新しいプラットフォームをベースにしたG6も発表されている。

急速に成長している企業の1社ではあるが、巨大な中国市場のバッテリーEV(BEV)メーカーとしては、規模は小さめ。それでも、海外進出にはかなり意欲的な1社だといっていい。

2021年にノルウェーで販売をスタートさせ、2023年にはネザーランド(オランダ)やデンマーク、スウェーデンでも提供が始まる。英国市場への上陸も明らかになっているが、時期はまだ決まっていないそうだ。

歴史の浅さを感じさせないインテリア

G9が基礎骨格としているのは、P7と同じエドワード・アーキテクチャ。駆動用バッテリーがフロア部分に敷き詰められた、スケートボード構造で設計されている。

ボディサイズは全長が4891mm、全幅が1937mm、全高が1680mmで、メルセデス・ベンツEQE SUVより僅かに大きく、テスラ・モデルXよりは小さい。丸みを帯びたスムーズなスタイリングで、大柄なボディを優しく見せている。

ドアを開くと、ドイツの老舗プレミアム・ブランドに引けを取らない、上質な雰囲気に驚かされる。2018年に量産車を生産し始めたという、歴史の浅さを感じさせないといっても過言ではない。

試乗車は、プレミアム・コンフォートとオーディオという2つのオプション・パッケージを装備。通常のG9より内容は充実していた。

ナッパレザー仕上げのシートには、温度調整に加えてマッサージ機能を内蔵。リアシートはほぼフラットにリクライニング可能で、ドルビー・アトモスに対応したオーディオが美音を奏でる。

ダッシュボードには、運転席正面のメーター用に1面と、インフォテイメント用に2面、合計3面のモニターが並ぶ。テスラのように、基本的に車載機能はタッチモニター上で操作することになり、実際に押せるハードスイッチは殆どない。

インフォテインメント・システムのメニューは直感的に操作しやすいものの、ドライブモードや回生ブレーキの選択にはメニューを2回掘り下げる必要があり、少々手間に感じた。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには非対応だ。

2340kgのボディを軽々と動かす550ps

今回の試乗車は、前後アクスルに駆動用モーターを1基づつ、合計2基が搭載されるツインモーターのAWDパフォーマンス。1基のみの、後輪駆動版も選べる。

AWDパフォーマンスでボディを進めるのは、後輪駆動版と同じく基本的にリアモーター。フロント側へは、必要な場合に電力が供給される。システム総合での最高出力は550ps、最大トルクは73.0kg-mとたくましく、2340kgあるボディを軽々と動かす。

0-100km/h加速時間は3.2秒が主張されるが、実際にアクセルペダルを踏んでみると、その勢いを実感できる。驚くほどリニアでスムーズに、スピードが高まる。

サスペンションは、エアスプリングが標準。試乗したネザーランドの路面は平滑だったこともあり、圧巻の乗り心地を味わわせてくれた。

ステアリングホイールの感触は淡白。軽くて回しやすいものの、操舵時の楽しさまでは備わらない。もっとも、大きな電動SUVを購入するドライバーが重視する項目とはいえないだろう。

AWDパフォーマンスの駆動用バッテリーは、ニッケルとマンガン、コバルトを主成分とする三元系リチウムイオン。容量は98kWhで、航続距離は519kmがうたわれる。シングルモーター版はリン酸鉄リチウムイオン・バッテリーで、78.2kWhとひと回り小さい。

試乗時の電費は約4.6km/kWhとなり、480km程度の距離を実際に走れるはず。現在のBEVとしては、充分な能力といっていい。

欧州でも一気に存在感を高める可能性

電動パワートレインは電圧800Vで稼働し、急速充電能力は最大300kWまで対応。最短5分で、100kmぶんの電気を蓄えられる計算になる。

また、カメラとセンサーを利用した自律運転システムも、独自で開発し実装されている。テクノロジーを強みに掲げるシャオペンらしい。

ネザーランドの価格から換算すると、G9 AWDパフォーマンスの英国価格は約6万3000ポンド(約1014万円)から。お手頃とは呼べないものの、該当するクラスで俯瞰すれば、競争力のある設定とはいえる。

上質なインテリアに先進的な技術、不足ない動力性能などを備えたG9は、訴求力が低くない。今後の数年間で、シャオペンが欧州でも一気に存在感を高める可能性は充分あるだろう。

シャオペンG9 AWDパフォーマンス(欧州仕様)のスペック

英国価格:約6万3000ポンド(約1014万円/予想)
全長:4891mm
全幅:1937mm
全高:1680mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.9秒
航続距離:519km
電費:4.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2340kg
パワートレイン:誘導モーター(フロント)+永久磁石同期モーター(リア)
駆動用バッテリー:98.0kWh
急速充電能力:300kW(DC)
最高出力:550ps(システム総合)
最大トルク:73.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

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