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【新モデル2種】ランドローバー、新たなエントリーモデル/ディフェンダー高級EV版を計画か

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【新モデル2種】ランドローバー、新たなエントリーモデル/ディフェンダー高級EV版を計画か

エントリーモデルとディフェンダーの高級EV

text:Hilton Holloway(ヒルトン・ホロウェイ)

【画像】007ボンドカーに ディフェンダーさまざまなシチュエーション【ディテール】 全55枚

ランドローバーは、今後5年間で2つのモデルをラインナップに追加する予定だ。

1つは、長い間議論されてきたエントリーモデルの追加。

新しい5ドアのエントリーモデルの目標価格は約2万5000ポンド(357万円)である。従来のモデルよりも安くなると見込まれる。

コードネームは「L860」とされており、発売は2021年の予定。

もう1つは、ディフェンダーをよりスポーティ、かつ高級志向に仕立てたモデルである。

ディフェンダー新型派生EVの詳細

一方、ディフェンダーシリーズの新型派生モデルの発売は4年後と言われている。

シャープでスリムなスタイル、高級感のある内装を持つEVであり、価格は10万ポンド(1428万円)を超える見込みである。

エントリーモデルのスタイリングは、新型ディフェンダーと初代ランドローバーをモチーフにしていると言われている。

2011年に発表され物議を醸したコンセプトモデルである、DC100コンセプトほど角ばった機械的なデザインにはならず、洗練されたものになると思われる。

内装についても、新型ディフェンダーで使われているシンプルで機能的なインテリアに似たものとなると思われる。

価格の違いを考えると、装備は簡素化されるものと予想される。

「L860」 どんなポジションになる?

L860がブランド内でどのようなポジションとなるのかはまだわからない。

ディフェンダーの下位ブランドになることは考えにくく、ディフェンダーシリーズのモデルということになるだろう。

L860は、ジープ・コンパス、ミニ・カントリーマン、フォルクスワーゲン・ティグアンなどの小型SUVだけでなく、BMW X1やボルボXC40のようなプレミアムモデルとも競合すると見られている。

エントリーモデルを必要とする理由の1つは、ヨーロッパ全域の中小型SUV市場が50万台を超え堅調に成長していることである。

一部の報道によると、このクルマはヨーロッパ以外でも販売される予定だという。

アメリカと中国ではより小型のSUVが求められ始めている。

欧州燃費規制(WLTP)により、EUにおいて2021年までに平均130g/kmにCO2を抑えることが求められており、このような低燃費モデルの必要性はさらに増している。

ジャガー・ランドローバーはまた、2021年の平均CO2排出量の目標値が他の自動車メーカーよりも高いことも気にかけている。

同社はEU全体で30万台より少ない数のクルマを販売している。

ブランドのラインナップには大型車が多く含まれていることを考えると、この目標を達成するのは難しい。

「L860」を製品化する際のハードル

ランドローバーがL860を製品化する際のハードルは、戦略的な価格を実現するために、開発費と製造コストを減らすことだ。

現在のディスカバリー・スポーツの英国価格は3万1000ポンド(443万円)で、2006年に発売されたフリーランダー2と同等の価格である。

新型車のスターティングプライスは2万5000ポンド(357万円)に設定されているため、ランドローバーは大幅にコストを削減する必要がある。

価格はL860に使われるプラットフォームによって、おおよそ決まると見られている。

ランドローバーがD10と呼び、親会社のタタがオメガ・アーキテクチャー(最適化されたモジュラー型のグローバル・アドバンスト・アーキテクチャー)と呼ぶ新しいプラットフォームを使うと予想されている。

オメガ・アーキテクチャーは、2019年初頭に発売された新型タタ・ハリアーに使われている。

これは、先代のレンジローバー・イヴォークやディスカバリー・スポーツで使用されていたD8スチール・プラットフォームを、コストを抑えつつアップデートしたものである。

オメガ・アーキテクチャーはタタ・スティールの技術が使われており、車両の安全性に影響を及ぼすことなくコストを削減することを可能とした。

また、このアーキテクチャーは小型のバッテリーパックを搭載することもでき、プラグインハイブリッドにも対応している。

L860より前にも、タタ・ハリアーと同じ時期にこのプラットフォームを使ったモデルを市場に投入する計画があったと言われている。

鍵をにぎる「オメガ・アーキテクチャー」

2017年1月に、インドの経済紙は、このプロジェクトがランドローバーによってキャンセルされたと報じた。

これは、ブレグジットと、当時アメリカ大統領となったドナルド・トランプによる保護貿易主義の拡大への懸念があったためである。

インドにおける報道によれば、オメガ・アーキテクチャーはタタとランドローバー双方での利用を想定して設計されている。

例えば、ハリアーは車軸式を採用する一方で、L860はFWDおよびAWDの両バージョンにマルチリンク・リヤサスペンションを採用している。

L860にはランドローバー専用のフロント・サスペンション・システムも装備され、フロント・サブフレームはインドで約1万8000ポンド(257万円)で販売されているハリアーよりも格段に洗練されたものになる。

低燃費を追求するために、L860にはプラグインハイブリッドに対応した新しいプラットフォームに、ターボ版とマイルドハイブリッド版の1.5L 3気筒インジニウム・エンジンが搭載され、FWDモデルとして発売されると予想されている。

より強力な4気筒エンジン、AWDモデルも販売するものと思われるが、ランドローバーはディスカバリー・スポーツのユーザーを奪わないようにしなければならないと考えている。

プラグイン版の3気筒仕様は、欧州燃費規制(WLTP)のもと、大型のレンジローバーとディフェンダーの高いCO2排出量をカバーすることが期待されている。

2種の新型モデル いつ頃の登場か?

コストがプロジェクトの最優先事項であることから、L860はスロバキアにあるランドローバーの新工場で生産されると見られている。

この工場はイギリスよりもはるかに人件費が安く、東ヨーロッパの部品サプライヤーの近くにある。

プロトタイプの試作車は、計画通りに進めば2021年の第3四半期に発表される前の2020年初めに登場するはずだ。

一方、ディフェンダー・スポーツは関係者によると開発の初期段階にあるという。

これはディフェンダー・ファミリー初のEVモデルとなる見込みで、ジャガー・ランドローバー・グループが開発した新しいMLAアーキテクチャーをベースとしている。

新しいアストン マーティンDBXやベントレー・ベンテイガのエントリーモデルに匹敵する豪華なあつらえを施したEVとなる。

ディフェンダー・スポーツは、より厳しくなる2025年の燃費規制を前に、ランドローバー車のCO2排出量をさらに削減することと、富裕層向けのより高級で環境に配慮したクルマとなることが期待されている。

モーターによる精密制御のおかげで、ディフェンダー・スポーツは他のランドローバーのモデルと同様に優れたオフロード性能を持つだろうと考えられている。

標準のディフェンダーよりもはるかにオンロード志向となるはずだ。

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