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ルノー・メガーヌRS初試乗 カップシャシー仕様 最大の長所はシャシー 

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ルノー・メガーヌRS初試乗 カップシャシー仕様 最大の長所はシャシー 

もくじ

どんなクルマ?
ー メガーヌRS待望のカップシャシー仕様
どんな感じ?
ー 硬い乗り心地が生む秀逸のハンドリング
ー ハンドリング以外の魅力もほしい
「買い」か?
ー シビック・タイプRに競り勝てるのか
スペック
ー ルノー・スポーツ・メガーヌRS 280カップのスペック

ルノー・カングーのことが分かる「4つの事実」 20周年限定車も登場

どんなクルマ?

メガーヌRS待望のカップシャシー仕様

第4世代となったホットハッチの最高峰、ルノー・メガーヌRSが、右ハンドル仕様となって、ついに英国の道へと降り立った。

メガーヌRSは、話題のスポーツクーペ、アルピーヌA110と同じ1.8ℓの直列4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力は280psにまで高められ、シフトパドル付きの7速ATか、6速マニュアルを選択できる。またこのセグメントでは初めての4輪操舵システムも装備し、標準モデルとなるスポーツの他に、大径ホイールに強化サスペンション、リミテッドスリップデフを装備した、カップシャシーのオプションもラインナップする。

ライバルモデルよりも秀でたメガーヌRSの、エンスージァストへの高い訴求力はすでに明確だとは思う。たとえスペックリストや装備一覧に目新しいものがなくても、新しくラインナップに加わった、右ハンドル仕様車への期待は高まらずにはいられない。

2018年のはじめにポルトガルで開かれたメガーヌRSのプレス発表会での印象は、極めて優れたものだった。しかし、そのときはカップシャシー仕様でのサーキット走行は制限されており、標準のスポーツ仕様のクルマを、一般道で試しただけだったのだ。

今回は、さらに硬い足回りを持ったメガーヌRSを、はじめて吟味する機会でもある。
この日を待ちわびていた。

どんな感じ?

硬い乗り心地が生む秀逸のハンドリング

新しいメガーヌRSカップを、英国の荒れた路面の道へと連れ出してみる。なぜポルトガルでのプレス発表会の際、サーキット走行が制限されていたのか、いろいろ勘ぐってしまった。

乗り心地は確実に硬い。ダンピングは効いているが、かなりアグレッシブな設定で、普通に流しているだけだとガサツにボディが揺さぶられてしまう。シャシーの性能を引き出すには、一般道でもかなりのスピードを出さなければ難しいだろう。路面の凹凸をいなし、乗り心地が安定してくるには、ストラットへかなりのエネルギーがかかった状態が求められるのだ。

従来型のメガーヌRSトロフィーを運転したことのある読者も中にはいると思う。今回のカップ仕様の乗り心地、縦方向のボディの動きは、それに近いレベルだといえる。

あいにく、ダンパーの設定は固定式となる。硬いショックアブソーバーと、油圧式によるサスペンション・バンプストッパーの組み合わせだが、その時の気分や状況に合わせて乗り心地をソフトに変更することはできない。乗り心地の悪さは、走りのために我慢するしかない、という昔ながらの諦めがよみがえる。

しかし、この硬い乗り心地が生む秀逸なハンドリングは、間違いなく気に入るはず。

ステアリングフィールは、かつてのメガーヌが備えていた、不安感のない重さやフィードバックに欠いていることも事実。加えて、路面の傾きにも敏感で、サスペンションの沈み具合でステアリングが変化するバンプステアや、若干ではあるものの、トラクションの状況に応じた直進性への影響も感取される。

ハンドリング以外の魅力もほしい

しかしクルマに慣れスピードも乗ってくると、本来の素質どおり、極めて鋭くバランスを保った状態でタイトコーナーを縫うように、スムーズに走らせることができる。読者が想像できるであろう、どんな優れたフロントドライブのホットハッチよりも、ハンドリングは勝っていると思う。

4輪操舵システムを最もダイナミックな設定にするには、ドライビングモードをレースか、任意に設定できるパーソナルモードにする必要がある。通常は50km/h前後までのところが、100km/hまで、リアホイールに逆位相の制御が入るように変化し、われわれ好みのホイールベースが短く感じられる設定になるのだ。

その俊敏さはむしろ、感覚に慣れるまでオーバーステア気味にすら感じられるほど。これをエキサイティングと取るか、不安定だと取るかは、個人の好みによるところが大きいだろう。わたしは、すぐに慣れて、そのエキサイティングさを楽しめた。

その一方で、メガーヌをRS化するために付加されたパーツ類は、ありきたりなものばかりで、話題にできるものは少ない。

車内のレイアウトも、人間工学的には素晴らしいといえないし、デザインも一部のホットハッチのように高級感を感じられるものでもない。シートに腰掛けると、ペダル付近の空間はやや余裕に欠け、ステアリングコラムの調整幅も不足気味だと思う。画面が縦長に備え付けられたRリンク2と呼ばれるインフォテインメント・システムも使いにくく、操作に気を取られがちだし、グラフィックも優れているとはいいにくい。

ドライバーズカーとして、ハンドリングの魅力以外の側面にも期待するなら、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIやゴルフRなど、ほかのモデルを選択することになるかもしれない。

「買い」か?

シビック・タイプRに競り勝てるのか

もし読者が真のホットハッチ信者で、メガーヌRSのようなホットモデルを所有していたことがあるなら、このクルマの長所も短所も、受け入れられる心の準備はできているはず。

決定的な短所は、乗り心地かもしれない。非常に硬く、過去にテストしたカップシャシーのモデル以上だと思う。また、スポーツモードにすれば重くはなるものの、軽すぎて情報量も不足気味なステアリングフィールも気になる。

加えて、旧モデルが搭載していたトルキーな2.0ℓユニットと比べると、霞んでしまうエンジンにも不満が残る。このクラスでラインナップされている4気筒エンジンのベストとは、到底いえない仕上がりなのだ。

メガーヌRSの最大の長所はシャシーに尽きる。今回もサーキット走行の機会はなかったのだが、次回のレポートではお伝えしたいと考えている。その時に注目されるポイントは、われわれのお気に入りで、最もお手頃なドライバーズカーだといえる、ホンダ・シビック・タイプRを超えることができるかどうかになるはず。

この卓越したハンドリングは素晴らしいものだが、このひとつの強みだけで、シビック・タイプRに競り勝つことができるのか、興味深いところではある。比較テストは近日中に公開予定だ。

ルノー・スポーツ・メガーヌRS 280カップのスペック

■価格 2万8995ポンド(423万円)
■全長×全幅×全高 4372×1874×1445mm
■最高速度 254km/h
■0-100km/h加速 5.8秒
■燃費 13.8km/ℓ
■CO2排出量 163g/km
■乾燥重量 1407kg
■パワートレイン 直列4気筒1798ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 280ps/6000rpm
■最大トルク 39.7kg-m/2400-4500rpm
■ギアボックス 6速マニュアル

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