MotoGP第17戦オーストラリアGPの決勝レースは、グレシーニのマルク・マルケスが勝利。珍アクシデントも発生したレースを、マルケスが振り返った。
マルケスは予選で2番グリッドと好位置を確保していた。しかし決勝レースではスタート時に大きなホイールスピンを発生させてしまい、1周目は13番手と後方までポジションをダウンさせてしまった。
■マルク・マルケス、スタート大失敗も驚異の挽回で今季3勝目! マルティンがタイトル争いリード拡大|MotoGPオーストラリアGP
幸いペースはよく、ライバルを次々と追い抜いて優勝争いに復帰したマルケスだが、スタートの失敗はグリッドでヘルメットのティアオフシールド(捨てバイザー)を剥がした際、それがリヤタイヤの下に入り込んでしまったことが原因という、珍しいアクシデントだったことも明らかとなった。
レース後会見で、マルケスはこの一件について当然尋ねられることとなったが、「アンラッキーな状況だったけど、結局は僕のミスだった」と答えた。
「これはルールじゃないんだけど、ライダー達はいつも、自分や他のライダーのためにグリッド上ではティアオフシールドを外さないほうが良いと話しているんだ」
「でも今回、ここでかなり大きな虫がいて選択肢がなかった。フロントのライドハイトデバイスを決めているときに、デカいやつがついちゃったんだ」
「視界がクリアではなくなってしまって、僕はティアオフシールドを剥がすことに決めた。風が(剥がしたシールドを)飛ばしてくれるだろうと思っていたんだ。でもシールドはリヤタイヤのほうに行ってしまった」
「危険な状況だったね。盛大にスピンしてしまって、序盤はリヤタイヤがかなりロックもしていたけど、温度が通常に戻ってからいい形で乗れるようになった」
また、マルケスは13番手に後退したあと、ターン2までに6つもポジションを上げたことについては「何をしたのか分からないよ」と笑いながら答えていた。
マルケスはそこから怒涛の追い上げを見せて、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)をパスして2番手に浮上。終盤に向けてホルヘ・マルティン(プラマック)を狙い、ラスト4周で仕掛けていった。
マルケスは、マルティンを追いかけていた時のことについては、次のように語っている。
「ホルヘを目指していたわけではなかったけど、彼がリヤタイヤのマネジメントをしているのを見て、僕は『全力で行ってみよう。リヤタイヤを使って、彼を捕まえて最後どうなるか様子を見てみよう』と思った。それが僕のやったことだ」
「終盤の4~5周でアタックするプランを立てていたけど、彼が小さなミスを犯したから攻めたんだ。それで、ここからレースをリードするぞ、と思った。彼が後ろに留まってくるだろうと思っていたんだ」
「でもストレートで彼は僕を追い抜くことができた。それで僕も『うまく攻めないとな』と思ったんだ。その後はターン4でアタックし、最後の2周はまたタイヤをプッシュして、かなり速いラップにすることができた」
なおマルケスとしては、これで今シーズン3勝目。初優勝となったアラゴンGPや2勝目のサンマリノGPとは違い、コンディションが彼に味方したわけではない状況で、真っ向から勝利したレースとなった。
今回の勝利は比較して特別なモノになったのではないか? そう訊かれたマルケスは「もちろん」と答え、さらに一貫性が増して来ていると語った。
「一歩一歩、僕はより一貫性を増している。日本GPではこの最速のふたり(マルティンとバニャイヤ)とかなり接近していた」
「インドネシアでもそうだった。今回のスプリントレースでもそうで、レースでも競争力を感じられた。でもそうだね、アラゴンの後、僕はそういった一貫性を求めていた。そして、そういった一貫性を一歩ずつ得られると、もっと自信が持てるようになる」
「そして今週末は、リスクを冒すときだった。優勝争いのための大きなチャンスがあることを示さなくちゃいけないサーキットのひとつだったんだ。そして僕らはそれをやり遂げた。残り3戦でも、同じようなレベルを維持して行きたいと思う」
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