現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 車にくっついてる「謎の棒」は何!? かつての「定番品」も今や存在感薄い? 重要視されなくなった理由とは

ここから本文です

車にくっついてる「謎の棒」は何!? かつての「定番品」も今や存在感薄い? 重要視されなくなった理由とは

掲載 208
車にくっついてる「謎の棒」は何!? かつての「定番品」も今や存在感薄い? 重要視されなくなった理由とは

■「脱着式」や「伸縮式」など様々な形態が存在する謎の「棒」

 最近はあまり見かけなくなりましたが、屋根やトランクから「金属の棒」が伸びているクルマを、時おり目にすることがあります。
 
 はたしてこの“棒”はどんな機能を有しているのでしょうか。

丸い「ボタン」の正体は? 答えられる人はかなりにマニア!? シートベルトの丸いボタンの役割とは

 先にあっさりとネタバレしてしまうと、この金属の棒はクルマのオーディオでラジオを聴くための「アンテナ」です。

 しかし近年では、黒い樹脂タイプで短い可倒式のものや、「シャークフィンアンテナ」や「ドルフィンアンテナ」と呼ばれる、サメやイルカの背びれを思わせる形状のものが主流となっています。

 ただこれらのアンテナはスタイリッシュである反面、ややコストがかかってしまうため、現在でもコスト面に厳しい軽トラックや軽ワンボックスバンなど、一部の商用モデルなどには金属製のアンテナが採用されているのです。

 そんな金属製のアンテナは「ロッドタイプ」とも呼ばれ、その名の通り杖のような棒状のものを指します。

 ロッドタイプのアンテナ(ロッドアンテナ)にも種類があり、単純に棒状のアンテナの端にネジが切ってあって、ボディのアンテナベースにねじ込む「脱着式」(ネジ式)という最もシンプルなものも存在します。

 これは非常にシンプルでコストも抑えられますが、洗車機や立体駐車場に入るときなどはいちいち車両から降りて脱着しなければならないという手間が生じます。

 そのため現在では採用車種もあまり見られませんが、日産「NV200バネット」などはいまだにこの脱着式を採用しています。

 ロッドアンテナで、現在でも軽商用車などに採用例が多いのは「伸縮式」のものです。

 ラジオを聴くときはロッドを伸ばして長くすることで受信感度を高め、使用しないときは格納することができるものとなっています。

 この伸縮式のロッドアンテナは、信号待ちなどのタイミングで車両から降りることなく伸縮できるよう、運転席側のAピラーに装着されていることが多く、現在でも軽商用車などに採用されている姿を見ることができます。

 そしてこの伸縮式ロッドアンテナの進化版として「パワーアンテナ」や「電動アンテナ」と呼ばれるものが存在していました。

 これはアンテナを伸縮させる動作をモーターによって電動化したもので、トランクなど運転席から遠い位置にアンテナが備わっている車種でも車両から降りることなく操作できるというものでした。

 主に高級車や上級グレードに装備されていたもので、動作は個別にスイッチがあるものやオーディオをONにすると動作するものなどさまざま。

 ただトランクなど運転席から遠い位置にアンテナがあることで、悲しい事故も少なくありませんでした。

 アンテナが伸びていることを失念したまま洗車機や立体駐車場に入ってしまい、アンテナをうっかり破損してしまうのです。

 手動のものに比べると部品代もかなり高額となってしまうため、現在ではほとんど見ることはない形状となっています。

 このようにただの金属の棒に見えるラジオのロッドアンテナではありますが、装着したり伸ばしているときと、そうでないときでは明らかに放送の受信感度が異なります。

 それがあまりにも明確に違うので、かつて筆者(小鮒康一)も「簡素な棒だけどこんなに効果があるんだ!」と感動した記憶があります。

※ ※ ※

 最近では、サブスクリプションサービスでさまざまな音楽が聴き放題となっています。

 そのため、いまやすっかりカーラジオを聴く機会が減ってしまったことも、アンテナの存在がすっかり薄くなってしまった大きな理由といえるかもしれません。

 たまには旅先で、ローカル局が流すラジオを聴きながらドライブしてみるのも楽しいかもしれません。

こんな記事も読まれています

フィアット『Nuova 500』モチーフのティッシュケースが登場
フィアット『Nuova 500』モチーフのティッシュケースが登場
レスポンス
まさか!? 4時間セーフティカー&またSCでレースは振り出しに……2号車キャデラックが暫定トップ|ル・マン24時間:18時間経過
まさか!? 4時間セーフティカー&またSCでレースは振り出しに……2号車キャデラックが暫定トップ|ル・マン24時間:18時間経過
motorsport.com 日本版
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
くるまのニュース
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
モーサイ
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
Merkmal
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
Webモーターマガジン
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
AUTOSPORT web
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
THE EV TIMES
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
motorsport.com 日本版
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
レスポンス
箱根のロング有料道路「値上げ」全線通ると普通車1000円超に 37年ぶり7月から 新割引も
箱根のロング有料道路「値上げ」全線通ると普通車1000円超に 37年ぶり7月から 新割引も
乗りものニュース
ホンダが「斬新 軽バン」発表! 荷室フラットで「快適車中泊」出来る? N-VANとe:では違いある?
ホンダが「斬新 軽バン」発表! 荷室フラットで「快適車中泊」出来る? N-VANとe:では違いある?
くるまのニュース
世界に1台しかないフェラーリ「テスタロッサ」タルガトップが5000万円からと激安の理由と製作したEBSとはなにもの?
世界に1台しかないフェラーリ「テスタロッサ」タルガトップが5000万円からと激安の理由と製作したEBSとはなにもの?
Auto Messe Web
3列シート 7人乗り、多彩なライフスタイルにフィットするSUV 電気自動車 メルセデス「EQB」を発売
3列シート 7人乗り、多彩なライフスタイルにフィットするSUV 電気自動車 メルセデス「EQB」を発売
AutoBild Japan
【悲報】 アバルト「F595」/「695」在庫一杯で国内販売終了のお知らせ 電動化の推進に伴い
【悲報】 アバルト「F595」/「695」在庫一杯で国内販売終了のお知らせ 電動化の推進に伴い
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
レスポンス
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

208件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村