現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則06】14年ぶりに復活を遂げた2代目BMW6シリーズは新しいカテゴリーを狙っていた

ここから本文です

【ヒットの法則06】14年ぶりに復活を遂げた2代目BMW6シリーズは新しいカテゴリーを狙っていた

掲載 更新
【ヒットの法則06】14年ぶりに復活を遂げた2代目BMW6シリーズは新しいカテゴリーを狙っていた

2004年にはBMWから1シリーズの他にもう1台、衝撃的なモデルが登場している。2003年のフランクフルト モーターショーで8シリーズ(E31)の事実上の後継として姿を現した2代目の6シリーズ(E63)だ。初代からおよそ14年ぶりとなった復活で、その美しいスタイリングが大きな話題を呼んだが、BMWはここでもライバル車とは一線を画す、類い稀なオリジナリティを持っていた。(Motor Magazine 2005年1月号より)

美しいだけでなくポジショニングが巧み
昨年のフランクフルトショーで発表された新型6シリーズのインパクトは大きなものだった。何より議論を呼んだのは、そのスタイリング。「世界一美しいクーペ」と呼ばれた往年の6シリーズの繊細な美に対して、新しい6シリーズは近年のBMWに共通するダイナミズムが強調されたスタイリングをまとっていたからである。

【スクープ】専用スペースフレーム採用か!? 特許公開でわかったRX-9の開発進捗状況

しかし、最近のBMWがどれもそうであるように、時が経過するにつれて、その姿は徐々に目に馴染み、当初は聞こえてきた否定的な声も、今やまったく耳にすることはなくなった。むしろ伝わってくるのは、その美しさを讃える声、そして溜息ばかりだ。

この6シリーズ、美しいだけでなくしたたかでもある。それは、ポジショニングの巧みさ。最大のライバルであるメルセデス・ベンツの4シータークーペはCL、そしてCLKだが、6シリーズはそのいずれとも直接競合せず、位置付けは、そのちょうど中間あたりとなる。さらに周囲を見回してみても、実はこのクラスには有力な4シータークーペは存在しない。つまり、誰もが見逃していた空白地帯に見事に入り込んでいるのだ。

かつて8シリーズでは、SLと直接対峙してうまくいかなかったBMWだが、今回はうまくやったと言えるだろう。この6シリーズの後を追うように、メルセデス・ベンツがCLSを投入してきたのはご存じのとおり。ここでもまた、うまくニッチを見つけたBMWが、新たなマーケットを創造するという図式が展開されたのである。

同じことは、遅れて投入されたカブリオレについても言える。645Ciカブリオレは、CLKカブリオレやアウディA4カブリオレより明らかに格上。しかしジャガーXKRコンバーチブルよりは圧倒的にリーズナブルという、絶妙な位置にいる。カブリオレにおいてもライバルは不在なのだ。

もちろん、6シリーズの成功の要素はそれだけではない。最初に書いたスタイリングの美しさもそうだし、最近のBMWでは珍しく操作系がドライバー側を向いた明確なコクピットスタイルを採用したインテリアも、その特別な存在感に繋がっている。

そして走りだ。645Ciは、基本部分を共用する5シリーズと同様、ボディはアルミとスチールのハイブリッド構造とされ、さらにアクティブステアリング、ダイナミックドライブといった様々なデバイスもフルに採用されている。

エンジンは4.4L V8。545iに積まれているものと較べると、より野太い咆哮を響かせるこれは、とりわけSMGとの組み合わせでは、豪放にしてキレ味鋭い、大排気量スポーツカーに相応しい走りをもたらす。

そのスタイリングと同じく、6シリーズは走りにおいても、最新のBMWの哲学が、余すことなく体現されているのである。(文:島下泰久/Magazine 2005年1月号より)

ヒットの法則のバックナンバー

BMW 645Ciクーペ(2004年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4830×1855×1375mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:1740kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4398cc
●最高出力:333ps/6100rpm
●最大トルク:450Nm/3600rpm
●トランスミッション:6速AT※6速SMGも設定

[ アルバム : BMW 645Ciクーペ(2004年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

新型フリードが2024年6月に発売! 歴代モデルの相場は現在どうなってる?
新型フリードが2024年6月に発売! 歴代モデルの相場は現在どうなってる?
グーネット
パナソニック カーバッテリー「カオスW1シリーズ」発売 アイドリングストップに耐える長寿命
パナソニック カーバッテリー「カオスW1シリーズ」発売 アイドリングストップに耐える長寿命
グーネット
ジープ「ラングラー」新型モデル発売!エントリーグレード導入&2種類の限定モデル設定
ジープ「ラングラー」新型モデル発売!エントリーグレード導入&2種類の限定モデル設定
グーネット
ランドローバー「ディフェンダー」2025年モデル受注スタート 標準装備をアップデート
ランドローバー「ディフェンダー」2025年モデル受注スタート 標準装備をアップデート
グーネット
DS4 ヒナゲシのような赤いボディカラーの特別仕様車「コクリコエディション」発売
DS4 ヒナゲシのような赤いボディカラーの特別仕様車「コクリコエディション」発売
グーネット
渋谷の空に新型ラングラーが現れた!【改良新型ジープ ラングラー アンリミテッド】
渋谷の空に新型ラングラーが現れた!【改良新型ジープ ラングラー アンリミテッド】
グーネット
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
AUTOSPORT web
不遇のイメージが色濃いR33スカイラインだが乗っていて楽しかったゾ! 所有していたからこそわかった[走り]の真実
不遇のイメージが色濃いR33スカイラインだが乗っていて楽しかったゾ! 所有していたからこそわかった[走り]の真実
ベストカーWeb
シェイクダウンは今季初出走のソルドが首位タイム。ヒョンデがトップ3独占/WRCポルトガル
シェイクダウンは今季初出走のソルドが首位タイム。ヒョンデがトップ3独占/WRCポルトガル
AUTOSPORT web
ガソリンを捨てきれない理由は[ハイブリッド車]のバッテリー寿命!? 延命術はあるのか?
ガソリンを捨てきれない理由は[ハイブリッド車]のバッテリー寿命!? 延命術はあるのか?
ベストカーWeb
ウェッズの人気ホイール「レオニス」に輝く新作登場! 繊細さの「FR」と躍動感の「MV」はトヨタ「アルヴェル」から軽自動車まで対応
ウェッズの人気ホイール「レオニス」に輝く新作登場! 繊細さの「FR」と躍動感の「MV」はトヨタ「アルヴェル」から軽自動車まで対応
Auto Messe Web
ポイントリーダーのマルティン、初日最速で予選へ。母国戦クアルタラロも奮闘10番手|フランスGPプラクティス
ポイントリーダーのマルティン、初日最速で予選へ。母国戦クアルタラロも奮闘10番手|フランスGPプラクティス
motorsport.com 日本版
新型ミニ・クーパー SEへ試乗 プレミアムでも「個性」は希釈? 本当の4代目はEVのみ
新型ミニ・クーパー SEへ試乗 プレミアムでも「個性」は希釈? 本当の4代目はEVのみ
AUTOCAR JAPAN
ニューウェイ離脱に「彼の役割は変わった」とレッドブル代表。チームは数年前から準備をしてきたと主張
ニューウェイ離脱に「彼の役割は変わった」とレッドブル代表。チームは数年前から準備をしてきたと主張
AUTOSPORT web
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
Auto Messe Web
グローバル販売は340万台超 日産、2023年度決算発表 売上アップも中国では「苦戦」続く
グローバル販売は340万台超 日産、2023年度決算発表 売上アップも中国では「苦戦」続く
AUTOCAR JAPAN
「風評は瞬く間に拡散されてしまう」ミック・シューマッハーが明かすWEC挑戦決断時の葛藤と、F1との違い
「風評は瞬く間に拡散されてしまう」ミック・シューマッハーが明かすWEC挑戦決断時の葛藤と、F1との違い
AUTOSPORT web
630万円! 最上級の「3列シートSUV」発表! パワフルな「ターボ×ディーゼル」エンジン搭載した特別な「オーバーランド仕様」発売へ!
630万円! 最上級の「3列シートSUV」発表! パワフルな「ターボ×ディーゼル」エンジン搭載した特別な「オーバーランド仕様」発売へ!
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1100.01462.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.0598.0万円

中古車を検索
6シリーズ クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1100.01462.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.0598.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村