現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型ヴェゼル来春!! 新SUV開発情報あり!! タイプR戦略どうなる ホンダの新車全情報

ここから本文です

新型ヴェゼル来春!! 新SUV開発情報あり!! タイプR戦略どうなる ホンダの新車全情報

掲載 更新 24
新型ヴェゼル来春!! 新SUV開発情報あり!! タイプR戦略どうなる ホンダの新車全情報

 今年(2020年)2月の新型フィット、アコードの発売以後、表向き目立った動きのなかったホンダだが、ここにきてホンダeの正式発表、オデッセイのビッグマイナーチェンジのアナウンス、N-ONEのフルモデルチェンジ発表と、にわかに活気づいてきた感がある。

 それらのいくつかはコロナ禍による様々な発表が先延ばしになった結果、という面もあるが、バックヤードに目を向けてみれば、遡ること4月には研究所と本社との事実上の統合がなされ、ホンダの新車開発そのものが大きな転換期へと突入していくと見られる。

エッ嘘でしょ!? なんで? ホンダが2021年限りでF1からの撤退を正式発表!!

 大転換期を迎える今秋~2025年の最新情報を徹底的に解き明かしていく!

【画像ギャラリー】北京モーターショーで発表された最新画像も! ホンダ戦略のこれからをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年9月のものです
文:ベストカー編集部/写真:HONDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年10月10日号

■売れるクルマを効果的に投入する

 ホンダの新車計画に大きな動きがありそうだ。

 本誌スクープ班が、開発に近いホンダ関係者や、マーケティング部門の関係者、さらに販売店の上層部などに接触し、話を聞くと、今後5年程度の中期的な商品投入計画に、これまでとは違った動きが出ているというのである。

 その大きな引き金となったのが、今年4月、4輪車の開発体制を従来の本田技術研究所(栃木)主体から、事実上研究所を本社に統合し、本社主導の体制に組織編成を改革したことにある。

 これによって研究所機能は縮小され、ホンダの新車開発は、名実ともに青山の本社四輪事業本部主導になった。

今年4月までの体制と新体制を図にしたもの

 これまでは、建前として本田宗一郎氏が掲げた「技術開発が金の心配はするな」という精神のもと、研究所が技術開発を進めていくという方針がホンダの特徴だった。

 しかし、そうはいっても実際のところ、20年以上前から青山と栃木は一体化していて、青山の意向がそのまま栃木の方針になっていた。

 特に、研究所の社長を務めたのちに青山本社の社長になっていくという、現在の八郷社長以前のルートが確立したことで、ますます「出世を望む」開発系の社員は、青山の顔色を窺うようになっていたというのが実情だ。

 したがって、4月の機構改革は内部の人たちにとっては「やっと、実情に組織体制が合わせてきたか」というとらえ方で、即座にホンダのクルマ作りの方向性が変わるものではない、というとらえ方も多いのだが、それでも会社組織として本社主導が明確化されたことで、本社の意向がこれまで以上に大きく新車投入計画に生きることになる。

 今の時代、「プロダクトアウト」の開発では商品力を高めることは難しくなっており、「マーケットイン」でニーズをとらえた新車=商品を提供していかなければ生き残っていけないというのはわかりきったことである。

オデッセイはマイナーチェンジを発表…先行公開されたオデッセイ。フロントマスクの印象がずいぶん変わった。ジェスチャーコントロールパワースライドドアが採用される

 確かに、これまでのホンダのクルマ作りを振り返ると、4輪黎明期のN360、S600シリーズ、初代シビック、CVCCエンジン、ホンダマチックなど、コンセプト面で独創的かつ、技術的にも革新的なものであふれていた。

次期シビックタイプR(2022年12月登場予想・画像はベストカーによる予想CG)

 1980年代の2~3代目プレリュード、3代目アコードのエアロデッキなども新たなジャンル開拓に挑戦した意欲作。マーケットインの企画手法では出てこなかったクルマたちだ。

 1990年代の初代オデッセイ、初代ステップワゴン、初代ストリームなどもいかにもホンダらしいモデルで、いずれも他社が追随する新たなジャンルを切り拓いた。

 しかし、ここ最近のニューモデルを見ていると、こうした“ホンダらしい”モデルが見られない。研究所と青山の本社の微妙な力関係というか、意思疎通の狭窄がその要因となってしまったことは否めないだろう。

 しかし、前述のように、組織体制として明確に企画/開発体制が整ったことで、マーケットインとプロダクトアウトの絶妙なバランス感覚が構築されつつあるというのだ。

■SUVラインナップの強化が急務

 ホンダはあくまでもフルラインナップメーカーを維持する方針。そこにブレはない。そのなかで今不足しているのがSUVラインナップだ。トヨタのライズ、ヤリスクロス、日産キックスのゾーンだ。

 当然そこに投入するコンパクトSUVの開発は進んでおり、来年5月にも登場の計画だ。新開発プラットフォームをベースとし、現状国内モデルには搭載されていない直3、1Lターボエンジンが搭載されるほか、1.5Lエンジンを搭載するe:HEVもありそう。

1Lターボ搭載 コンパクトSUV(2021年5月登場予想・画像はベストカーによる予想CG)

 これより前に、ワンサイズ大きいSUV、ヴェゼルのモデルチェンジが3月に予定されているため、販売台数が見込める小型SUVを一気に2モデル投入することになる。

新型ヴェゼル(2021年3月登場予想・画像はベストカーによる予想CG)

 さらにSUVではミッドサイズにCR-Vがあるが、これはトヨタではRAV4、ハリアー、マツダならCX-5、三菱アウトランダークラス。ホンダとしては世界的な動向をにらんで、スポーツ性を追求した大型SUVの必要性を痛感しているという。

 特にホンダが販売上重視する米国向けにはこのゾーンが不可欠。ポルシェカイエンクーペ、ランボルギーニウルスなどがそれだ。

 ホンダが企画に挙げているのがNSXをイメージしたスポーツSUVだというのだから驚き。ミドシップハイブリッドのNSXをそのままSUVにはできないので、パワーユニットはフロントエンジン、後輪モーター駆動となって、パッケージ的には「レジェンドSUV」とも言えるが、あくまでも内外装のイメージはNSXのスポーツ性をアピールするものになるという。

 まだ構想段階の企画ということで、企画がスタートしても、実車のデビューは早くとも2025年となるだろう。

2025年に向けてスーパーSUV開発!(画像はベストカーによる予想CG)

■電動化への急速な動き

 ホンダの電動化への動きは、まずはモーター駆動を主体としたハイブリッド、e:HEVの拡大だ。いまさら説明は不要だろうが、e:HEVは搭載するエンジンは主に発電用で、実際の駆動力はモーターが主。

 低負荷の高速走行時にエンジン駆動力が電磁クラッチで接続されるが、一般道での走行はほぼモーター。フィット、インサイト、アコード、ステップワゴン、オデッセイ、CR-Vのハイブリッドがこのシステムを採用する。

 このシステムは、バッテリーを大容量化することでPHEV化が容易で、クラリティPHEVがそれに当たる。さらに大容量バッテリーを搭載することでピュアEVへの発展性もある。

2021年年初に中国での発売を予定しているCR-V PHEV。国内戦略のヒントにもなる?

 ホンダは軽自動車を除く今後のニューモデルでは、基本的にこのe:HEV方式のハイブリッドを主軸とし、ニーズや世の中の情勢をにらみつつEV化を進めていくことになる。

 一方軽自動車ではホンダeで提案した小容量バッテリーによる短距離航続がユーザーの理解を得られれば、一気にEV化を視野に入れた戦略に打って出る。

ホンダ初の量産型EVとしてデビューを果たしたホンダe。パナソニックと共同開発したリチウムイオンバッテリーの容量は35.5kWhで航続距離は283km(WLTCモード)。

 軽自動車ユーザーの多くが1日当たりの走行距離は数十キロで、航続距離は問題にはならないが、現状では充電設備の充実や、ユーザーのEVに対する意識、認識がネックとなっている。小型バッテリーは「e」で開発されたパナソニック製が有力だ。

 しかし、欧米での燃費規制の強化を視野に入れれば海外向けモデルの電動化は急務だ。

 GMとの共同開発でEVプラットフォーム、バッテリー開発が進んでおり、2024年にニューモデルが登場するが、これが日本向けに投入される可能性も大きい。

北京モーターショーで世界初公開されたコンセプトモデル「Honda SUV e:concept(ホンダ エスユーブイ イーコンセプト)」。中国で初となるHondaブランド電気自動車(EV)の将来の量産方向性を示しているという

■タイプRはラインナップ強化へ

 最後になるが、ホンダがこれらと並行して重要視しているのがタイプR戦略だ。

S660タイプR(2022年夏登場予想・画像はベストカーによる予想CG)

 ホンダの電動化への動きより趣味性が強いタイプRシリーズだが、自動運転や電動化の流れでクルマが交通インフラの一部になるなか、際立った趣味性の強いモデルこそが、「あえて選んでもらえる商品」となる。

 ホンダとしても、得意分野のスポーツモデルだし、この分野の強化に力を入れていくことになる。

NSXタイプR(2021年10月登場予想・画像はベストカーによる予想CG)

新開発ミドシップスポーツ(2024年登場予想・画像はベストカーによる予想CG)

【画像ギャラリー】北京モーターショーで発表された最新画像も! ホンダ戦略のこれからをギャラリーでチェック!!!

こんな記事も読まれています

フェルスタッペン、王座確定のため、マネジメントモードで5位フィニッシュ「自分のレースを心掛けた。最高の気分」
フェルスタッペン、王座確定のため、マネジメントモードで5位フィニッシュ「自分のレースを心掛けた。最高の気分」
AUTOSPORT web
HRC/ホンダ渡辺社長がフェルスタッペンを祝福「4連覇をサポートし続けられたことは誇り。さらなる高みを目指し支援する」
HRC/ホンダ渡辺社長がフェルスタッペンを祝福「4連覇をサポートし続けられたことは誇り。さらなる高みを目指し支援する」
AUTOSPORT web
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
AUTOSPORT web
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web

みんなのコメント

24件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村