新型ノート、新しい日産のシンボル
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】新型ノート(2020年型)の内外装 大量に撮影 新旧比較【ディテールをみる】 全204枚
日産の新型ノートがついに登場した。
商品コンセプトは「コンパクトカーの常識を変える運転の快適さと楽しさが詰まった、先進コンパクト」である。
日産関係者は商品プレゼンの中で「これまでノートなどコンパクトカーを、普段の生活での使い勝手などを考えると『どこか妥協して』所有していた人が多くいる。そうして意識を根本的に変えるクルマだ」と強調した。
そんな先進性とか、新しさという表現を最もわかりやすく具現化しているのが、第2世代eパワーだ。
周知の通り、eパワーという発想は「リーフ」で培ってきた電動パワートレイン技術と、ガソリン車の技術を融合させたものだ。
2016年11月に、2012年8月登場の第2世代ノート「ビッグマイナーチェンジ」としてeパワーが世界初採用された。
それにしても、ノートeパワーのインパクトは凄まじかった。
2017年(1~12月)のコンパクトカー販売台数でトップ。さらに、2018年(1~12月)の販売台数は13万6324台となり、トヨタ・アクア(12万6561台)とプリウス(11万5462台)を抑えて第1位となった。
驚くことに、日産車が乗用車全体(登録車)での年間販売台数でトップに立ったのは日産史上初となる偉業だ。
ノートがここまで売れたのは、eパワーのおかげである。
そのeパワーが第2世代へ、どのように進化したのか?
初代ノートeパワーの第一印象を回顧
進化を知るために、原点に戻ってみよう。
2016年11月のeパワー発売の前、日産本社(神奈川県横浜市西区)で開催された同車のメディア向け試乗会。
車両基地となっている地下駐車場から屋外へ出るために、比較的勾配の強い坂道を登るのだが、そこでいきなりエンジンがかかった。
「あれ? このタイミングでもう……」
それが筆者(桃田健史)のeパワーに対する第一印象だった。
日産はeパワーについて「充電のいらない電気自動車の新しいかたち」という表現を使い、「エンジンは発電専用」としている。
この発電専用という言い回しだと、例えばBMW i3のような電池容量が大きなEVでも採用しているレンジエクステンダーを想像する。
だが、eパワーが搭載する電池パックの容量は1.5kwhであり、i3の42kwhと比べてかなり小さい。
またシステム構造を見ても、eパワーはレンジエクステンダーではなく、いわゆるシリーズハイブリッドに分類される。
クルマの電動化では、一般的な考え方として、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、EV、そして燃料電池車という順序で、エンジン車+モーターという構造から、モーター専用へと電動技術が拡大するイメージだ。
そうした概念の中で、「充電のいらない電気自動車の新しいかたち」というeパワーは独自の立ち位置にいる。
衝撃の初体験から4年 新型ノートは?
eパワーは、そうした特殊な存在なので、前述の「このタイミングでエンジンがかかってしまうこと」に対して、筆者なりに納得した。
その後、担当エンジニアが強調した「ワンペダルで赤信号で止まれる」ことを、試した。
こうしたアクセルのみでの大幅な車速調整について、EVのリーフではワンペダルと呼ぶが、こちらは「eパワー・ドライブ」と表現している。
横浜中華街の周辺から、元町、さらに山手に登り、港の見える丘公園を抜けて、フェリス女学院を抜けて……。
eパワードライブのインパクトは確かに強かった。
ノートeパワーは、ユーザーそして販売店で圧倒的な指示を得て、ノートよりもボディサイズの大きなセレナへのeパワー採用も自然な形で進んだ。
さらに、2020年夏に登場の「キックスeパワー」に至るが、これまではあくまでも第1世代の改良型であり、ドライバーの体感としては、筆者のノートeパワー初体験を基本としている。
それが今回、第2世代eパワーとなり、インバーターが一体化され40%小型化と33%の軽量化となった。1.2Lを継承するガソリンエンジンも出力アップと燃費を向上させた。
その結果、最大出力が80kwから85kw(6%増)、最大トルクが254Nmから280Nm(10%増)となった。
では、実際の走りはどう変わったのか?
「静かで滑らかに」日産は表現する
本稿執筆時点では、実車確認はしているが実車を走行させる機会を得ていない。
そのため、日産側の技術説明を基本に話を進める。
まずエンジン作動の頻度が減った。
この点はキックスで第1世代eパワーを改良済みだ。ユーザーの利用状況データを精査したところ、電池残量を気にし過ぎてた傾向があることがわかり、極力発電しない制御に変更した。
さらに、世界初の試みとして、路面状態に応じた発電制御を行う。ホイールの回転変動をセンシングして、滑らかな路面を走行して外からの音や振動が少ない時は発電しない。
一方、荒れた路面では外からの音が大きくなりエンジン音が気にならないとシステムが判断してエンジンをかけて発電する。
こうした静粛性への試みに加えて、力強い加速はもちろんのこと、「なめらかさ」に拘ったという。
アクセルオフでの減速Gの変化や時速約5kmでのAT車のようなクリープ走行も可能とした。
また、赤信号などでブレーキを踏めば、オートブレーキホールドが作動してブレーキペダルから足を話しても停止状態を維持する。
こうした改良は、第1世代eパワーが日本市場で大量に普及したことで、各方面から数多くのフィードバックがあり、そうした生の声を受けて「ユーザー体験最優先」という目線で作り上げた。
では、初試乗を楽しみに待ちたい。
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みんなのコメント
楽しみです。
SUV FFキックスにも搭載されて賛否両論ある
“e-power”
の存在意義とは何ですかね?
やはり、燃費向上ですかね?