ボディラインナップを一新した新世代のアウディ「A5」
2024年夏に本国で新型が発表されたアウディのミッドサイズモデル「A5」が、2025年2月に日本へ上陸。早速、横浜の市街地で試乗することができました。
【画像】「えっ!…」アウディのエンジン車は未来が明るい! これが大きなリアゲートが特徴の新型「A5」セダンです(30枚以上)
先代「A5」は、2ドアクーペとそれをベースとする「A5カブリオレ」、そして「A5スポーツバック」と呼ばれる4ドアクーペのラインナップでしたが、新型「A5」はちょっと様相が異なります。そんな新型への理解度を深めるべく、まずは簡単にその歴史を振り返ってみましょう。
初代「A5」は、2007年に本国で発表。まずは「A4」セダンをベースとする2ドアクーペが世に送り出されました。追って、オープン仕様のカブリオレがラインナップに加わりますが、基本的に2ドアのモデルでした。
2016年に発表された2代目も、まずは2ドアのクーペとカブリオレをラインナップ。その後、大型のリアゲートを備えたスタイリッシュな4ドアクーペ「A5スポーツバック」が追加されます。
スポーティなルックスと使い勝手のいいラゲッジスペースにより、この4ドアクーペは瞬く間に主力モデルへと成長。「A5」=「スポーツバック」という図式を構築したのです。
それを受けて登場したのが3代目となる新型。ですがアウディは、そのポジショニングを大胆に変更してきました。
アウディは電動化へと大きく舵を切る中、モデルラインナップを刷新中。それによりミッドサイズセダン&ステーションワゴンをラインナップしてきた「A4」と、クーペの「A5」は統合されることになりました。
さらにボディ形状も、リアゲートを備える4ドアクーペのようなセダンと、ステーションワゴンの「A5アバント」に集約されています。
結果、従来の「A5」にラインナップされていた2ドアクーペとカブリオレは残念ながらリストラの憂き目に。「スポーツバック」も純粋な4ドアセダンと統合され、聞き慣れたその名も消えることとなりました。
つまり、アウディ「A4」シリーズ群は今回、統廃合がおこなわれ、新世代の「A5」が誕生したというわけです。
もちろん変化したのは、名前だけではありません。新型「A5」の最大のトピックは、新世代の内燃機関向けプラットフォーム“PPC(プレミアムプラットフォームコンバッション)”の初採用。クルマ全体が刷新されており、アウディのエンジン車の未来を凝縮した1台となっています。
そんな新型「A5」のラインナップは、セダン、ワゴンともに共通。前輪駆動車は2リッター直4ガソリンターボを搭載する「TFSI」(150ps/280Nm)を、4WD車は2リッター直4ガソリンターボを積む「TFSIクワトロ」(204ps/340Nm)と、2リッター直4ディーゼルターボにマイルドハイブリッド機構を組み合わせた「TDIクワトロ」(204ps/400Nm)を用意しています。
なおトランスミッションには、全車デュアルクラッチ式の7速“Sトロニック”を組み合わせています。
●セダンのようにノッチがついたリアゲートを備える新型「A5」
今回、レポートをお伝えするのは、そんな新型「A5」のセダンの方です。
そのエクステリアは、低重心かつ伸びやかなスタイルが印象的。シンプルなカマボコ型ガラスエリアが特徴のサイドビューと、セダンを思われるノッチのついたリアゲートの採用で、流麗でありながらもリアゲートの存在を意識させることがありません。
この4ドアセダン然としたルックスは、既存の「A4」セダンのユーザーもしっかり取り込めるようにとの配慮から採用されたものでしょう。
ボディサイズは全長4835mm、全幅1860mm、全高1435~1455mmで、先代「A4」と比べて全長は65~75mm、全幅は15mm、全高は25~45mmそれぞれ拡大。文字どおりひと回り大きくなっていることが分かります。
その主因は、フロントマスクのロー&ワイド化や、尻上がりのサイドビューを採用するといったデザインの変化によって生じたもの。さらに、ロングボディ化とロングホイールベース化もサイズアップにつながっています。
「さすがはアウディ!」と思わせる上質なインテリア
そんな新型「A5」セダンのインテリアは、昨今のアウディ車が得意とするデジタル化をさらに推進したもの。
センターディスプレイはオンダッシュ式のフレームレスワイドスクリーンに換装されたほか、助手席の前方にも10.9インチのタッチディスプレイが装着できるようになっています。
助手席前のディスプレイはパッセンジャー向けのエンタメを充実させるのがねらいで、走行中でも助手席乗員は映像作品を楽しむことができます。
コックピット回りでは、アウディが積極的にラインナップを拡充している電気自動車と同様、物理スイッチが大幅に削減されています。
とはいえ、代用の静電スイッチ類は操作時に確実なフィードバックを伝えてくる上、ステアリング周辺のレバー類はアダプティブクルーズコントロールの操作系を含めて以前と変わらぬ仕立てとなるなど、従来モデルと同等の操作性がキープされています。
タッチスクリーン上で操作するエアコンやインフォテイメント系も同様で、走行中はステアリングスイッチや音声操作でコントロール可能。全般的な操作性は上々と評価できます。
また、シートやトリム類、ダッシュボードの設えは「さすがはアウディ!」と思わせる上質なもの。ステアリングなどの触感も良好で、所有欲を満たしてくれます。
レザー表皮が基本となるシートは、フィット感と座り心地が良好。ロングホイールベース化で後席足元もゆとりがあり、フロント/リアシートともに大人の男性が座っても快適に過ごせます。
そんな新型「A5」は、セダンでありながら大型のリアゲートによる開口部の大きなラゲッジスペースが魅力的。荷室は通常時で445リットルと、ワゴンに迫る容量を誇ります。流麗なシルエットが魅力のモデルながら、優れた実用性を備えているのは大きな美点といえるでしょう。
●往年のドイツ車ファンを魅了するピュアエンジンの走り味
今回試乗したセダンの「TFSIクワトロ」は、新型の主力モデルになるであろうグレードです。
動力性能は最高出力204ps、最大トルク340Nmと十分で、約1800kgという重量級の車体ながら、それを意識させない力強い加速を得られます。
ボディサイズは従来の「A4」セダンよりひと回り大きくなっているものの、運転していてサイズアップのネガを意識することはありません。
ドライブしていると、大きなリアゲートを備えているものの、ライバルのセダンに負けないだけの剛性感が魅力的。サスペンションがしなやかに動くのも好印象です。
熟成された4WDシステムのクワトロは、ドライバーの意思に対してとても従順で、ステアリングを切った分だけ素直にクルマが向きを変えてくれます。
日本仕様に設定される2リッターのガソリンターボは、いまや欧州車でも珍しくなったモーターアシストのないピュアエンジンです。
回生による燃費向上や加速時のモーターアシストといったメリットがない反面、回転数を上げていったときやパワーを絞り出す際には心地よい反応を示します。往年のドイツ車ファンなら思わずうれしくなるポイントといえるでしょう。
* * *
デザイン面では、セダンのフォーマルさと4ドアクーペのスポーティさを融合。対する機能面では、「A4」セダンの走りのよさと「A5スポーツバック」の使い勝手を受け継いだ新型「A5」セダン。
セダン派だけでなく、スタイリッシュさと実用性の両立を望む欲張りなユーザーの期待にも応えてくれる、頼もしい相棒となりそうです。
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みんなのコメント
FFも150馬力と320i、C200と比べても低い。
本国にはFFの204馬力がある。
先代にあった12VのMHEVも廃止となり純粋なエンジン車なのでモーターによるアシストもない。