現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > BMWのフラッグシップらしさ全開!──新型7シリーズ試乗記

ここから本文です

BMWのフラッグシップらしさ全開!──新型7シリーズ試乗記

掲載 9
BMWのフラッグシップらしさ全開!──新型7シリーズ試乗記

BMWのフルモデルチェンジしたフラグシップセダン「7シリーズ」のガソリンモデルに、島下泰久がアメリカで乗った!

フロントマスクにビックリ!

ボルボの“新しい時代”、到来!──新型EX90詳細レポート

BMW 7シリーズは、モデルチェンジの度に、常にインパクトの大きなスタイリングで登場してきた。いよいよ登場した新型の姿もやはりまた度肝を抜くものだった。何より目をひくのは、そのフロントマスク。ヘッドライトは水平2分割され、上側にスワロフスキーがキラキラと煌く、伝統の4灯式をモチーフとしたデイタイムライト/ターンインジケーター、下側にメインライトを置く。縦にも横にも大きなキドニーグリルは輪郭をぐるりと囲むイルミネーションが備わった。

続いて登場した「X7」にも基本線が踏襲されたこの顔、BMWは今後、ラグジュアリークラスにのみ使っていくという。セールス的に大成功となったX7と合わせて、これまで今ひとつ突き抜けられなかったこのセグメントで、確固たる存在感を築いていこうというわけである。

この顔を除けば、プロポーションはむしろオーソドックス。中国が最大のマーケットだということもあるのだろうが、典型的なスリーボックスのサルーンとしてまとめられている。キャラクターラインの類も煩雑ではなく、往年のBMWのようにすっきりスマートだ。

7シリーズとしては初めて、新型はロングホイールベースだけの設定に絞った。全長は5391mmと非常に大きい。ホイールベースは3215mm。当然、そのスペースは後席居住性に充てられているわけだが、初めてバッテリーEV版であるi7を用意するというのも、ロングだけとした大きな理由に違いない。バッテリーは前後車軸の間のフロア下に積まれる。1544mmという全高も、その余波だろう。

そのインテリアは広さもそうだが、なによりハイテクぶりに圧倒される。ドアの開閉からして電動で、操作はタッチするだけ。センサーが周辺を監視しており、障害物がなければおごそかに開閉する。

そして室内に入れば、目の前にはBMWカーヴドディスプレイ。「OS8」と呼ばれるBMW最新のインフォテインメントシステムで動作する。ダッシュボード下側でクリスタルのように輝くのはBMWインタラクションバー。室内を艶やかに照らすだけでなく、たとえば車両接近中にドアを開けようとすると赤く点滅するなど、実用的な機能ももたされている。

そして後席にまわれば、エグゼクティヴラウンジ仕様はパッセンジャー側シートは深々とリクライニングができ、更に座面前端がせり上がるかたちのレッグレストも伸びて、リラックスして過ごせる。アームレストには5.5インチのタッチコントロールディスプレイを装備。スカイラウンジパノラミックグラスサンルーフは、LEDライトが埋め込まれていて開けていない時も目を楽しませてくれる。

さらに、普段はルーフに折り畳まれている31インチという超大画面のBMWシアタースクリーンを起動して、Amazon FireTVを使っての映画などの視聴も可能なのだ。これが自動車史上、かつて無かった体験となること請け合いである。

乗って楽しく、乗せられて心地良いクルマ開発陣が新型7シリーズで重視したのは、この室内空間の寛ぎ、そして静粛性だという。今回は日本未導入の4.4リッターV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを積む760i xDrive、そして電気自動車のi7に試乗したが、実際に走らせてまず実感したのは、この静けさだった。

なにしろ風切り音もロードノイズもきわめて小さい。何か新しい技術が? そう思って訊いたが、かえってきたのは「凄まじい努力の賜物だよ」という言葉だった。遮音材を増やすのではなく、ボディパネル間の間隔を詰め、段差を可能な限り平滑にしてということを、限りなく高い精度で行なった。そんな話である。おかげで後席は、なるほど映画や音楽を楽しむのに、まさにもってこいの空間となっている。

いや、そこはさすがBMWのフラッグシップらしく、新型7シリーズはステアリングを握っても思いきり楽しめるクルマだ。前後エアサスペンション、後輪操舵を組み合わせたインテグラルアクティブステアリング、単にロールを規制するだけではなく積極的に姿勢づくりを行なうアクティブロールスタビリゼーションなどを組み合わせたシャシーはしなやかな乗り心地を示すが、そのままワインディングロードに入っていっても、確かなロードホールディングにより連続するコーナーを気持ち良く抜けていくことができる。

さらに、SPORTモードに入れれば姿勢変化が抑えられて、タイトなレスポンスを味わえる。ホイールベースの長さ、車体の大きさ、重さをまるで意識させないフットワークは見事というほかない。

乗って楽しく、乗せられて心地良いクルマ。開発陣が新型7シリーズで狙った境地は、この760i xDriveを試した限りでは、見事実現されていたと言って良さそうだ。すでに発表されている日本仕様には現時点では3.0リッター直列6気筒ガソリンターボエンジンを積む740i、同じくディーゼルターボエンジンの740d xDriveと、i7が用意されている。

では、i7は一体どんな走りを見せるのか? は、別の記事として改めて紹介したい。

文・島下泰久

こんな記事も読まれています

メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース

みんなのコメント

9件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1598.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55.01380.0万円

中古車を検索
7シリーズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1598.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55.01380.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村