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ランボルギーニがル・マン24時間レースで2台ともに完走! ハイパークラス初参戦、10位フィニッシュでポイント初獲得。次戦への自信につながる

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ランボルギーニがル・マン24時間レースで2台ともに完走! ハイパークラス初参戦、10位フィニッシュでポイント初獲得。次戦への自信につながる

ランボルギーニSC63は10位、13位でフィニッシュ

2024年6月15日~16日に開催されたル・マン24時間レースのハイパークラスに初参戦したランボルギーニSC63は、10位、13位で2台が無事にゴールする結果で終了しました。大きなトラブルに見舞われなかったマシンの高い信頼性が今回の完走の鍵だと語りますが、この2台のレースの様子がレポートされているので紹介します。

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FIA世界耐久選手権で初のドライバーズポイントを獲得

ランボルギーニ・アイアンリンクスは、ル・マン24時間レース初出場で、ミルコ・ボルトロッティ/ダニール・クビアト/エドアルド・モルタラのドライブする63号車が、素晴らしいパフォーマンスを発揮し、トップ10フィニッシュを果たし FIA世界耐久選手権で初のドライバーズポイントを獲得した。

一方でマッテオ・カイローリ/アンドレア・カルダレッリ/ロマン・グロージャンのドライブする19号車は、FIA WECデビュー戦で13位入賞を果たし、ランボルギーニSC63は2台とも24時間レースの最後にチェッカーフラッグを受けることができた。

ランボルギーニ・アイアンリンクスの2台揃っての完走の鍵となったのは、レース中、2台ともガレージに戻る必要がなかった強い信頼性だった。この結果は、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセにとって、7回目の挑戦で24時間レースの初完走を果たすという、より重要な意味を持つものとなった。

フリー走行と予選の様子

63号車(ボルトロッティ/クビアト/モルタラ)

日曜日に行われたテスト走行はおおむね良好だったが、63号車は水曜日の午後に行われたタイムアタック前に問題が見つかり、シャシー交換を余儀なくされた。ボルトロッティ/モルタラ/クビアトのクルーは、最初のプラクティスで高燃費のロングランに集中してセッティングを行う作戦を取る。GT3の車両に阻まれたボルトロッティのフライングラップは、ターン1でスピンを喫したこともあったが、その後立て直し63号車は3分25秒973の最高タイムで14番手のポジションで終了した。予選終了後、2回のナイトセッション(水曜日のFP2は2時間、木曜日のFP4は1時間)で決勝のセットアップに集中することとなった。

19号車(カイローリ/カルダレッリ/グロージャン)

2024年3月のセブリング12時間以来、週末レースでの走行がなかった19号車は、ル・マン遠征前にマニクールで100kmにわたってシェイクダウンされた新シャシーで、今回が初のレース走行となった。カイローリ/カルダレッリ/グロージャンのクルーはFP1とFP2でフロントエンドの振動に悩まされたものの、4回のプラクティスセッションでパフォーマンスを向上。予選では、カルダレッリが3分27秒655を記録し、13.262kmのコースでこれまでのトップタイムを3.190秒更新した。

決勝レースの様子

63号車(ボルトロッティ/クビアト/モルタラ)

天候が変わりやすいという予報が出ていたため、レース序盤はタイヤ戦略が重要な課題となっていた。スタートして2時間後、予報されていた雨がサーキットに降り、上位のいくつかのクルーはウエットタイヤへの交換を決断。雨は通り過ぎると確信していた63号車はスリックタイヤを履き続け、ボルトロッティは19号車の SC63の後方で5位まで順位を上げた。クビアトはアウトラップのダンロップシケインでスピンを喫したが、マシンを修復してトップ15圏内を維持することができた。

夜が更けるにつれて雨が降り出し、4時間にわたってセーフティカーが導入されるほどの難しいコンディションになる。日曜日の朝7時頃にレースが再開されると、63号車はプジョーの2台とポイント圏内で戦略的な争いを続け、終盤には経験豊富なブランドとの戦いに持ち込む安定したレースペースを見せた。雨が再び降り出し、その後雨脚が強まったため、ウエットに交換した63号車は、最後の1時間で10位まで順位を上げ、ランボルギーニにとって今シーズン初のドライバーズポイントを獲得した。

19号車(カイローリ/カルダレッリ/グロージャン)

カルダレッリがスタートした19号車は、オープニングラップでトラブルに巻き込まれることなく、雨に降られることもなく、次第に厳しくなるコンディションに見事に対処できた。63号車と同様、ピットストップ後のニュータイヤでのタイヤマネージメントがとくに難しく、カイローリはテルトル・ルージュでマシンをスピンさせてグラベルに突っ込み、辛うじてバリアーを避けて走行を続行。その後カルダレッリに代わってグロージャンが3スティントを走行した。

大きな問題はなかったものの、マシンのライトに問題があったため、チームはいくつかのピットストップでフロントノーズとリアのボディワーク交換を余儀なくされ、さらにリアウイングの破損と2度のドライブスルーペナルティが19号車のポイント獲得の妨げになった。それにもかかわらず、カルダレッリは2位のプジョーからわずか21秒差でマシンを戻し、マシンの性能の高さを証明した。19号車は、来週末にワトキンス・グレンで開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第3戦に照準を合わせている。

AMWノミカタ

今年のル・マンは、トヨタの復活か、フェラーリの2連覇か、最後の最後まで目の離せない展開が続いたとてもおもしろいレースだったと思う。ランボルギーニSC63は初参戦で10位と13位を獲得し、上位チームに絡むことはできなかったが、2台とも完走し、ファンを喜ばせたのではないだろうか。

ダニール・クビアト選手が

「シーズン開幕以来、チームが積み重ねてきたハードワークが報われました。次のステップが非常に重要ですが、アップグレードなしの新車でこの結果を出せたということは、我々の強さを示していますし、将来的には勝利を目指して戦えるようになるでしょう」

と語るように、レース後のドライバーのコメントは皆とてもポジティブで、チームにとっても成績以上に良い経験になっているのだと感じた。今後のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップや来年のル・マンでのランボルギーニの勇姿をぜひ期待したい。

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