この記事をまとめると
■第44回バンコクモーターショーが開催された
偽造でも裏ルートでもなく免許が「買えた」ってマジか! 日本じゃ考えられない新興国の「運転免許」事情
■そこで発表されたシビック タイプRやジムニーの価格に驚愕
■タイなど新興国において新車が高い理由について解説
シビック タイプRやジムニーの価格に驚愕!
2023年3月22日から一般公開の始まった、第44回バンコクモーターショーで、一般公開に先立った3月21日のプレスデーに開催されたプレスカンファレンスにて、ホンダはシビック タイプRのタイ国内での価格を発表した。その額は399万バーツとなり日本円に換算すると約1532万円となった。日本での価格は499万7300円なので約3倍となっている。もちろん日本からの完成車輸入となりさまざまな諸経費がかかるので、単純に車両価格が3倍ともいえないが、それでもイメージとしては高い。同じくショー会場でタイにて初披露となり、日本から完成車輸入される現行ジムニー(日本でのシエラ)3ドアモノトーン車の価格は176万バーツ(約675万円)となる。地元で聞くと、「そもそもタイでの新車は高い」とのことであった。
それでは現地生産モデルはどうなのか見てみよう。トヨタ・カローラ・アルティス(日本でのカローラセダンだが、国内販売されているナローボディではなくグローバルボディ)のハイブリッド・プレミアムの価格は99万4000バーツ(約381万円)となり、単純比較はできないものの、日本の「セダンW×Bハイブリッド」の280万円より100万円ほど高くなっている。いまは円安傾向でもあるので余計にタイでの車両価格がより高そうに見えるのだが、これはタイだけにいえる話ではなく、広く新興国では新車価格はけっして現地の物価に対してみても安いものではないのである。これは日本では販売されていない新興国向けモデルでも傾向は同じとなっている。
所得の向上により新車をローンで購入するのが一般的に
それでも現地で新車が良く売れるようになってきたのは、もちろん日本では想像もできない富裕層がいたり、外資系企業などに勤務し所得の高い中間所得層(外資系企業、とくに欧米企業ではそれぞれ欧米の本国の給与基準が採用されるそうでサラリーマンといえどもかなり所得は高くなる)の存在など格差社会もあるが、さらに新興国ではすでにローンを組んで新車を買うのが当たり前になっていることも大きく影響している。とくにタイでは比較的短いサイクルで新車を乗り継ぐといった人も多いようで、返済途中で売却して残債整理して次の新車に乗り換えるといった人も少なくないようだ。その意味でもメルセデスベンツなどの高級ブランドは別として、量販ブランドでは、トヨタなど日本車の人気が圧倒的に高いというのも、リセールバリューを期待してという選択が後押ししているようにも見える。
あくまで筆者の個人的感覚だが、タイで食料品など日用品を買うと「安いなあ」と思う。その点では日本より暮らしやすいようにも見えるが、だからといって新車の価格も日本より安いというわけではないのである。だから、たとえば東南アジアで販売していて、日本では販売していないモデルを日本に導入すれば売れるのではと考えても、結果的にボディサイズが中途半端に大きかったりする以外にも、価格がネックとなりなかなか売れないことも多いし、そもそも日本でも売れると判断すればメーカーが日本市場にも導入するはずである。
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