現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「もっと売れていい」影に隠れたSUV 三菱「エクリプスクロス」が持つ優位性とは?

ここから本文です

「もっと売れていい」影に隠れたSUV 三菱「エクリプスクロス」が持つ優位性とは?

掲載 更新 5
「もっと売れていい」影に隠れたSUV 三菱「エクリプスクロス」が持つ優位性とは?

■三菱「エクリプスクロス」はどのユーザー層に人気?

 自動車業界関係者の間で、「日本でも、もっと売れてもいいんじゃない?」という声がよく聞かれる、三菱のコンパクトSUV「エクリプスクロス」。日本での販売の実情はどうなっているのでしょうか。三菱本社に詳しく聞いてみました。

三菱、新型SUVミニバン「エクスパンダークロス」を発表! ド迫力の最上位モデルだ

 エクリプスクロスは、三菱のグローバル戦略車です。

 愛知県・岡崎製作所から欧州向け輸出が始まったのが、2017年10月。次いで、オセアニアと東南アジア、北米へと販売地域を広げ、日本での発売は2018年3月からとなりました。

 グローバルでの累積販売台数は、19万8105台。そのうちの約11%となる2万1404台が日本国内販売分です。日本国内での販売目標台数は、初年度の2018年が月1000台。2019年度は月800台の設定としています。

 過去1年間の実売を見ると、2019年4月と5月はそれぞれ月500台半ばでしたが、6月に「デリカD:5」で熟成してきた2.2リッターディーゼルが導入され、販売は一気に倍増して月1000台を回復しました。

 10月の消費税アップの影響もあり、最近ではディーゼル導入までの台数規模で落ち着いています。

 ガソリン車とディーゼル車の販売比率は、65:35。また2WDと4WDの比率は30:70となっています。

 この状況について三菱本社に聞くと「ディーゼル投入以降ガソリンの4WD比率が減少しており、4WDならではの高い走破性・走行安定性を求める方はディーゼルエンジンをお選びいただいている傾向があるといえます」と答えます。

 グレード別では、「G」が55%ともっとも多く、次いで「G Plus Package」が30%、「BLACK Edition」が10%、そして「M」が5%。

 ボディ色別では、ホワイトパールが35%、レッドダイヤモンドとブラックマイカがそれぞれ20%、そしてチタニウムグレーメタリックが15%という割合となります。

 では、どのような人が購入しているのでしょうか。

 まず、男女比は、85:15です。年代別では、50代が25%ともっとも多いですが、40代と60代がそれぞれ20%、30代と20代以下がそれぞれ15%と全世代での需要があることが分かります。70代以上も5%あります。

 購入者からは、エクリプス クロスの商品特長である「走り」と「デザイン」についてはどちらも高い評価があり、そこが購入の決め手になっているそうです。

 販売店での試乗後のアンケートでは、「期待以上だった」との声が半数を超えたといいます。

 興味深いのは、乗り換え需要の動きです。自銘(三菱)からの乗り換えの割合が50%ですが、残り50%の他銘からの乗り換えでは、軽自動車やコンパクトカーからのアップサイジングと、中型・大型SUVからのダウンサイジングが目立ちます。

 具体的には、トップがスズキ「ワゴンR」で、ホンダ「フィット」、日産「エクストレイル」、トヨタ「プリウス」、日産「ノート」、ダイハツ「ムーヴ」、スバル「インプレッサ」、スズキ「スイフト」、トヨタ「ウィッシュ」、スバル「フォレスター」と続きます。

■国内市場での販売実績はどんな評価? 三菱本社に聞いた

 エクリプスクロスの販売の現状と今後について、一歩踏み込んだ質問を三菱本社に聞きました。

――国内販売以来の推移は、想定内ですか。

 日本国内はコンパクトSUVの市場が伸長してきており、競争の激しいセグメントとなっています。

 エクリプスクロスは発売以来、RJCカーオブザイヤーやグッドデザイン賞を受賞するなど、商品については高い評価を頂いているものの、2019年度下期の消費増税反動減や、直近の新型コロナウイルスの影響による市場の落ち込みもあり、先行きの見通しが難しい状況にあります。

――「デリカD:5」による「三菱=ディーゼル」効果は、エクリプスクロスに影響がありますか。

 デリカD:5で実績を積み上げたエンジンを、より軽量・コンパクトなエクリプスクロスに搭載していることで、大トルクがもたらす力強さ・ゆとりをさらに体感出来ると好評をいただいています。

 ただし、ガソリンエンジンもエクリプスクロス登場に合わせ新開発したもので、エクリプスクロスの現状では(ガソリン車の設定があった)かつてのデリカD:5ほど、ディーゼルエンジンの比率が高いわけではありません。

――販売現場での実質的な競合車は何ですか? それに対する優位性はどこにありますか。

 ホンダ「ヴェゼル」、スバル「XV」など、コンパクトSUVとの比較検討をされるお客様が多いです。

 そういったコンパクトSUVに対しては、1.5リッターガソリンターボエンジンと2.2リッタークリーンディーゼルエンジンや高剛性ボディが生み出す走行性能の高さに加え、コンパクトクラスとしては車体が大きい分、キャビン・荷室の広さが優位性に繋がると考えています。

 加えて、マツダ「CX-5」などのミッドサイズSUVについても、コンパクトSUVとの比較に次いで多くなっています。

――三菱は各種SUVがありますが、それらと競合することはありませんか。

「RVR」および「アウトランダーPHEV」と比較検討される人は多いです。ただし、お客様の使われ方・趣味などにより、各種SUVのなかからお選びいただければと考えています。

――日本国内でさらに販売を伸ばすためには、技術面やサブスクリプション(サブスク)といった新型サービスなど、なにが必要だと思いますか。

 技術面では電動化や先進安全装備の充実。コネクティッドなどの領域での進化が必要だと思います。販売面ではシェアリングサービスやサブスクなどのほか、新型コロナウイルス後の市場の動向変化に対応することが求められると考えます。

※ ※ ※

 自動車業界で玄人受けするエクリプスクロス。商品ポテンシャルの高さが、今後しっかり実売につながっていくことを期待したいと思います。

こんな記事も読まれています

フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
AUTOSPORT web
不遇のイメージが色濃いR33スカイラインだが乗っていて楽しかったゾ! 所有していたからこそわかった[走り]の真実
不遇のイメージが色濃いR33スカイラインだが乗っていて楽しかったゾ! 所有していたからこそわかった[走り]の真実
ベストカーWeb
シェイクダウンは今季初出走のソルドが首位タイム。ヒョンデがトップ3独占/WRCポルトガル
シェイクダウンは今季初出走のソルドが首位タイム。ヒョンデがトップ3独占/WRCポルトガル
AUTOSPORT web
ガソリンを捨てきれない理由は[ハイブリッド車]のバッテリー寿命!? 延命術はあるのか?
ガソリンを捨てきれない理由は[ハイブリッド車]のバッテリー寿命!? 延命術はあるのか?
ベストカーWeb
ウェッズの人気ホイール「レオニス」に輝く新作登場! 繊細さの「FR」と躍動感の「MV」はトヨタ「アルヴェル」から軽自動車まで対応
ウェッズの人気ホイール「レオニス」に輝く新作登場! 繊細さの「FR」と躍動感の「MV」はトヨタ「アルヴェル」から軽自動車まで対応
Auto Messe Web
ポイントリーダーのマルティン、初日最速で予選へ。母国戦クアルタラロも奮闘10番手|フランスGPプラクティス
ポイントリーダーのマルティン、初日最速で予選へ。母国戦クアルタラロも奮闘10番手|フランスGPプラクティス
motorsport.com 日本版
新型ミニ・クーパー SEへ試乗 プレミアムでも「個性」は希釈? 本当の4代目はEVのみ
新型ミニ・クーパー SEへ試乗 プレミアムでも「個性」は希釈? 本当の4代目はEVのみ
AUTOCAR JAPAN
ニューウェイ離脱に「彼の役割は変わった」とレッドブル代表。チームは数年前から準備をしてきたと主張
ニューウェイ離脱に「彼の役割は変わった」とレッドブル代表。チームは数年前から準備をしてきたと主張
AUTOSPORT web
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
Auto Messe Web
グローバル販売は340万台超 日産、2023年度決算発表 売上アップも中国では「苦戦」続く
グローバル販売は340万台超 日産、2023年度決算発表 売上アップも中国では「苦戦」続く
AUTOCAR JAPAN
「風評は瞬く間に拡散されてしまう」ミック・シューマッハーが明かすWEC挑戦決断時の葛藤と、F1との違い
「風評は瞬く間に拡散されてしまう」ミック・シューマッハーが明かすWEC挑戦決断時の葛藤と、F1との違い
AUTOSPORT web
630万円! 最上級の「3列シートSUV」発表! パワフルな「ターボ×ディーゼル」エンジン搭載した特別な「オーバーランド仕様」発売へ!
630万円! 最上級の「3列シートSUV」発表! パワフルな「ターボ×ディーゼル」エンジン搭載した特別な「オーバーランド仕様」発売へ!
くるまのニュース
ブノワ・トレルイエの新チームから参戦するヨアン・ボナートが高速ターマック戦を連覇/ERC第2戦
ブノワ・トレルイエの新チームから参戦するヨアン・ボナートが高速ターマック戦を連覇/ERC第2戦
AUTOSPORT web
アウディF1、サインツに次ぐ候補はオコンか。現ドライバーのボッタスと周冠宇は厳しい状況
アウディF1、サインツに次ぐ候補はオコンか。現ドライバーのボッタスと周冠宇は厳しい状況
AUTOSPORT web
W12エンジンを搭載する最後のベントレー『バトゥール コンバーチブル』が発表。世界16台の限定生産
W12エンジンを搭載する最後のベントレー『バトゥール コンバーチブル』が発表。世界16台の限定生産
AUTOSPORT web
今年もル・マンにAOレーシング名物の特別リバリー登場。ドラゴンカラーの『スパイク』でLMP2参戦へ
今年もル・マンにAOレーシング名物の特別リバリー登場。ドラゴンカラーの『スパイク』でLMP2参戦へ
AUTOSPORT web
IMSA、12月に予定していた公認テストの日程を変更。2024年は11月中旬に実施へ
IMSA、12月に予定していた公認テストの日程を変更。2024年は11月中旬に実施へ
AUTOSPORT web
RB、リサイクルしたカーボンファイバーを使い、F1パーツを製造。角田裕毅とリカルドがエミリア・ロマーニャGPでドライブへ
RB、リサイクルしたカーボンファイバーを使い、F1パーツを製造。角田裕毅とリカルドがエミリア・ロマーニャGPでドライブへ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

5件
  • 良い車を造っても「三菱だから…」というだけで買わない人も多いだろう。
    それが信頼を得る難しさというもの。
    消費者を裏切った結果。
  • 新味を出したくてエクリプスクロスという名前にしたんだろうけど、かつての逆輸入スポーツカーのなじみのない名前より、パジェロクロス、ランサークロスにするなどかつての金看板の名を冠したほうがユーザーにもなじみやすく、売り手のほうもストーリーを語りやすく気合が入ったのと違うかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.3628.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.3628.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村