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「まじめ」な雰囲気が好印象 スズキ・ビターラ(エスクード) MHVへ英国試乗 操縦性は競合以上

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「まじめ」な雰囲気が好印象 スズキ・ビターラ(エスクード) MHVへ英国試乗 操縦性は競合以上

S-クロスと同じプラットフォームにハイブリッド

自動車の分野では、英国は把握の難しい市場だといわれている。四輪駆動に対する信者は少なくない。実際のグレートブリテン島は、1年の3分の2は二輪駆動でも困らない土地だとしても。

【画像】操縦性は競合以上 スズキ・ビターラ(エスクード) 近似サイズの欧製クロスオーバーは? 全129枚

大多数のメーカーは、出番の少ない四輪駆動を積極的には用意しない。英国人も、軽量でシンプルな前輪駆動を選ぶ人は多い。とはいえ、四輪駆動の技術で定評のあるスズキらしく、ビターラ(エスクード)には、ちゃんとオールグリップが設定されている。

現行のエスクードは、2015年に発売された2代目。ダチア・ダスターやフォード・プーマ、オペル・モッカといった欧州のライバルと、10年目も対峙することになる。

プラットフォームは、2013年にリリースされた2代目スズキS-クロスと共有。姉妹車の関係にあるが、微妙に差別化されている。どちらかといえば、エスクードの方が都市より自然との距離が近い。

超高強度鋼を多用し、車重を増やさず先代からボディ剛性は向上。ロワアームやサブフレーム、ストラットなども強化されている。

パワートレインは、1.4Lターボのマイルド・ハイブリッドか、1.5Lフル・ハイブリッドの2択。トランスミッションは、前者がマニュアルで、後者にはセミ・オートマティックが組まれる。どちらも、前輪駆動か四輪駆動を指定できる。

今回試乗した、マイルド・ハイブリッドの最高出力は128ps。0-100km/h加速は10.2秒が主張される。フル・ハイブリッドは115psで、加速力は若干劣る。

初代へ通じるスタイリング コスト重視な内装

スタイリングは、曲線が多用されたS-クロスと対照的。1988年発売の初代へ通じる、直線基調となっている。ホイールアーチとタイヤの隙間は大きく、サイドウインドウの下を横切る折り目が特徴といえる。

ヘッドライトの形状やクラムシェル状のボンネット、フロントフェンダー上部のトリムなども、初代に通じるデザイン。多くのライバルより、親しみやすい見た目だろう。

英国へ導入された当初は、個性的なツートーン塗装を選べたが、最近はブラックのルーフが設定される程度。欧州市場ではジムニーが売られていないから、華やかなコーディネートが用意されても良い。

2025年仕様としてフェイスリフトを受け、ラジエターグリルとフロントバンパーのデザインを一新。空力性能を向上させる、ルーフスポイラーも備わる。

インテリアでは、スマートフォンとの連携にワイヤレスで対応した、9.0インチ・タッチモニターによるインフォテインメントを採用。反応は遅めで、メニュー構造は複雑だが、ショートカットが用意され必要な項目は探しやすい。

内装の素材は、ベーシックでコスト重視。高級感を求めて、スズキを選ぶ人は限られるかもしれないが。

乗員空間は、このクラスの平均より狭め。背が伸びたティーンネイジャーには、リアシートはやや窮屈かもしれない。試乗車は上位グレードのウルトラで、パノラミック・ガラスフーフが組まれ、頭上空間を圧迫していた。

荷室容量は375L。平均的な容量ながら、広い方が嬉しいことは事実だ。

頼もしい動力性能 ライバル以上の操縦性

エスクードで英国の公道へ出てみよう。1.4Lガソリンターボは、充分なトルクを発揮し扱いやすい。高速道路の速度域でも不満なく加速し、背の高い見た目から想像するような鈍さはない。

エンジン単体で23.8kg-mを発揮するうえ、電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が、5.3kg-mを加算する効果といえる。速いSUVだとは表現できないが、動力性能は頼もしい。6速MTのシフトレバーは、軽く正確に倒せる。ブレーキの効きもイイ。

エスクードより重く上級至高な多くのライバルより、操縦性は良好。ボディが別体のラダーフレームではなく、モノコック構造を得たことが、好ましい結果を生んでいる。

走り始めてすぐ、車高の低いハッチバックと同等に扱える。ボディロールは抑制され、着座位置は高めでも、路面の凹凸による揺れも妥当な範囲。操縦性と快適性の、ちょうど良いバランスにある。

ステアリングホイールの感触は軽め。回頭性は悪くないが、切り始めに不自然なフリクションが手首へ伝わってくるのが気になった。速度域の高いカーブでの安定性も褒められる。軽めの車重と、不満ないグリップ力が効いている。

乗り心地もしなやか。薄い鉄でできた箱を感じさせるような音振は生じるものの、快適と表現できる。全体的な印象としては、軽快で流暢。短く高いプロポーションを考えると、反応にまとまりがあり、身のこなしは落ち着いている。

旧世代感は拭えない 実直な雰囲気が好印象

最新のエスクードには、ドライバー監視と車線維持支援、「インテリジェント・スピードコントロール」と称された速度監視など、複数の運転支援システムが実装される。衝突被害軽減ブレーキは、歩行者や自転車の検知にも対応する。

速度監視機能は、警告ブザーが少しうるさい。トリップコンピューターのノブを長押しすることで、無効にできる。

今回の試乗での平均燃費は、1.4Lターボのマイルド・ハイブリッドで17.5km/Lほど。このクラスのSUVとしては、可もなく不可もなくといったところ。

エスクードの標準装備は充実しているが、英国価格は約2万7000ポンド(約527万円)からと、やや高め。試乗車は3万449ポンド(約534万円)だった。

実直な雰囲気が好印象なエスクード。スズキの技術者が、時間をかけて賢明に仕上げた成果が良く現れている。堅牢なSUVでありながら、操縦性は良好。四輪駆動も指定でき、お望みなら6速マニュアルも選べる。走りが軽快で、扱いやすいのも美点だ。

しかし2025年の水準で見ると、インテリアやパッケージングは褒めにくい。インフォテインメント・システムも、機能面では不足ないものの、旧世代感は拭えない。

確かに、登場から10年が経過することを踏まえると、価格価値に長けるとは表現しにくい。それでも、MTと四輪駆動を選べる小さなSUVとして、唯一の魅力を有することも間違いない。

◯:優れた操縦性 複数から選べるドライブトレイン 充実した装備
△:安っぽい内装 狭めの車内空間 やや高めの英国価格 全体的に新しさが薄い

スズキ・ビターラ(エスクード)1.4ブースタージェットMHV ウルトラ・オールグリップ(英国仕様)のスペック

英国価格:3万449ポンド(約534万円)
全長:4185mm
全幅:1775mm
全高:1600mm
最高速度:194km/h
0-100km/h加速:10.2秒
燃費:18.5km/L
CO2排出量:128g/km
車両重量:1290kg
パワートレイン:直列4気筒1373cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:128ps/5500rpm
最大トルク:23.8kg-m/2000-3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル(四輪駆動)

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