待望の日本向け右ハンドル車も登場
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】先代と新型、見た目はどう変わった?【比べる】 全100枚
東京オートサロン2020(2020年1月10日~12日:千葉県幕張メッセ)に、新型コルベットが日本初公開となることが決まった。
ゼネラルモーターズ(GM)ジャパンとして、同イベントには初出展となる。2019年7月にアメリカで世界初公開された後、アメリカ国外での正式発表は日本が最初となる。
新型コルベットの特徴は、なんといっても、エンジンがリアミドシップ化されたことだ。
コルベットといえば、大排気量エンジンを搭載するロングノーズのFR(フロントエンジン・リア駆動車)の代表格として日本を含めて世界各国に熱烈なファンを持つアメリカンスポーツカーである。
FRはコルベットのアイコンであり、永遠に不滅である。そう信じてきた人々が世界中に大勢いたはずだ。
そうしたコルベットの常識を根底から覆す、今回のミドシップ化。
なぜ、このタイミングでの商品企画大転換なのか?
ミドシップ化によって、これまでのコルベットからのファン離れは起こらないのだろうか?
GMの大英断の裏には、スポーツカー市場を取り巻く大きな時代変化の波がある。
コルベットは時代の最先端にいるべき
2019年7月、GMのマーク・ロイス社長は新型コルベットの記者発表で「コルベット伝統のFRとしては、パフォーマンスは限界に達した」、「コルベットはいつの時代にも、革新と極限の頂点を体現してきた」と述べている。
つまり、FRとしてライバルたちと互角に戦くことが難しくなった、ということである。
その上で、GMが配布したプレス資料には、ミドシップ化によるメリットが列記されている。重量バランスとして、ストリートやサーキットでの走行性能が一気に上がったといいう、至極当然の説明である。
これを、コルベットユーザーが望んでいるはずである、とGMは見る。
つまり、コルベットという商品の出口戦略は「パフォーマンス」であり、GMが追い求める新たなる「コルベットのパフォーマンス」に対して、ユーザーは理解してくれるものと、GMが確信したのだ。
筆者(桃田健史)は80年代中盤からアメリカ生活を送ってきたが、歴代コルベットについてGM関係者と様々な機会に実車を交えて意見交換してきた。
そうした中で、GM側がいつも口にしたのは、1954年に初代コルベットが誕生した時に開発陣がアメリカンスポーツカーに対して抱いた希望と夢だ。
コルベットはアメ車のなかで別格の存在、という意識がGM内部で受け継がれてきたと思う。
コルベットはFRであるべきか?
コルベットはFRであるべきか?
こうした議論は、筆者の体験を紐解くと、2000年代前半頃からGM関係者の中で行われていた。
特に、C6(第6世代)が登場した2005年頃、当時のコルベット・チーフエンジニアは将来のコルベットのあるべき姿のひとつとして、「他のレイアウト」の可能性について言及していた。
そのきっかけは、リトラクタブルライトの廃止だった。1963年登場のC2(第2世代)からスティングレーというデザインコンセプトのもと、コルベット=リトラクタブルライトという商品イメージが定着した。
C6開発にあたって、パフォーマンスを上げるために車体構造を大幅に見直す上で、リトラクタブルライトを採用した際に生じる、空力的、また前後重量バランスを追及する上でのネガティブ要因となるため、リトラクタブルライトを継承しなかった。
C6開発中の事前調査の段階で、一部ユーザーからは反発の声も上がったようだが、多くのユーザーは「いつの時代でもコルベットが最善パフォーマンスとなることが第一」と理解を示した。
今回のFRからミドシップ化について、リトラクタブルライト案件と比べれば遥かに大きな変化だが、ユーザーのGMに対する期待としては、同じ方向にあると思う。
新型コルベット、ライバルは誰だ?
ミドシップ化したことで、パフォーマンスが一気に向上した新型コルベット。
ライバルはいったい何か?
長年に渡り、コルベットのライバルの筆頭は、ポルシェ911である。エンジンレイアウトも、商品性も大きく違う両車。ファン層もしっかりと二分してきた。
ハイパフォーマンス系のアメ車では、シェルビー系のマスタングや、ダッジチャレンジャーも引き合いに出されることもあるが、「コルベットはマッスルカーではない」ことは周知されている。
では、ミドシップ化したことでフェラーリやランボルギーニなどイタリアンスーパーカーが、新型コルベットのライバルなのか?
それは、イエスでありノーでもある。
パフォーマンス最重視主義であるコルベットが、FRの枠を超えることを決めた段階で、ライバルは一気に増えた。
その上で、コルベットの強みは、コスパだ。
近年、スーパーカー市場では2000万円台はエントリーモデル。数億円レベルのモデルが次々登場してきた。その中で、コルベットのコスパは極めて高い。
ミドシップ化は、GMにとって最高のマーケティング材料となるのだ。
右ハンドル車も登場する、新型コルベット。日本での走りにいまから期待が高まる。
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