この記事をまとめると
■スズキが4代目となる新型スイフトを発表し、新色をふたつ追加
エンジンも完全新規! サスペンションも新設計! 新型スイフトは見た目を除いて「正常進化」の域を超えてるぞ!!
■「フロンティアブルーパールメタリック」はカンパニーカラーの青をイメージしている
■「クールイエローメタリック」はZ世代をターゲットにした新色だ
新型スイフトはボディカラーにも注目!
スズキのグローバルコンパクト「スイフト」が4代目へのフルモデルチェンジを発表した。まずは12月13日にCVT車を、2024年1月17日に5速MT車の発売が始まる予定だ。
新鮮味のあるスタイリングのコンセプトは「一目見たら印象に残るデザイン」というもの。多面体をモチーフとしたデザインは従来のスイフトとは異なるイメージを実現しつつ、各ピラーをブラックアウトすることでルーフをフローティングさせるという歴代モデルとの共通性も守っている。
手短にまとめれば、新型スイフトのスタイリングは、伝統と先進性をバランスよく表現している。
そうした方向性は、モノトーン9色、2トーン4パターンからなる全13色のカラーラインアップにも現れている。象徴的なのは、新色である「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」の2色だ。
ベース塗装の上に、微細アルミ顔料・透明性青顔料+微細パーツ顔料・クリアという3層コートを施すことで、驚くほど深みのあるブルーを実現した「フロンティアブルーパールメタリック」は伝統を表現する新色だ(左は先代モデルに設定されていたスピーディーブルーメタリック)。
ブルーがスイフトのイメージカラーであることは言わずもがなの伝統だが、スズキの企業ロゴを見ても、赤いSマークと青いSUZUKIの組み合わせとなっているように青はカンパニーカラーでもある。
なにしろ、新色「フロンティアブルーパールメタリック」は、同社の創立100周年(2020年3月15日)に合わせて開発が進んでいたというほどで、スズキの次世代を象徴する色。コロナ禍などによって上市は、スイフトのフルモデルチェンジに合わせることになったが、じつに開発期間7年以上という新色だ。
実際、従来のスイフトに採用されていた「スピーディーブルーメタリック」と比べてみると、鮮やかさと深みの両面において圧倒的な進化を遂げていることがわかる。100年間にわたりスズキが積み重ねてきたモノづくりの経験を表現するのが「フロンティアブルーパールメタリック」というわけだ。
Z世代に向けた新たな領域の開拓を目指す
もうひとつの新色である「クールイエローメタリック」の狙いは先進テクノロジーを表現すること。このイエローを好むオーナーのペルソナとしては、メタバースとリアルを自然に行き来するZ世代ということで、より具体的には『目立ちたくないけれど、自己主張はしたい』というニーズに合致する、まったく新しいイエローだ。
黄色いスイフトというと、スイフトスポーツのイメージカラーである「チャンピオンイエロー」を思い浮かべてしまうかもしれないが、新型スイフトに合わせて登場した新色「クールイエローメタリック」は、そうした過去の伝統とはまったくベクトルを異にするイエローとなっている。
スズキに限らず、自動車メーカーのブランディングやマーケティングにおいては、従来価値を持つX世代と、新しい価値観を大事にするZ世代の両方にアピールできるクルマ作りが課題となっている。
あらためて新型スイフトのスタイリングを見れば、オーソドックスな部分と革新的なニュアンスがうまくバランスされたものであり、上記のように新色の「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」は、それぞれ従来価値と新しい価値に合わせて生み出されたボディカラーとなっている。
さらに、スイフトのスポーティさを表現する代表色である「フロンティアブルーパールメタリック」と「バーニングレッドパールメタリック」にはブラックルーフとの2トーン仕様を設定。
一方、「クールイエローメタリック」と「ピュアホワイトパール」には、ガンメタグレーのルーフとのコンビネーション仕様を用意。ファッショナブルな新しい2トーンカラーを提案している。
筆者が個人的に好印象を覚えるのは、こうしたスタイリングやカラーリングによる多様性の表現に合わせて、メカニズムの面でもパワートレイン進化やサスペンション刷新によって従来価値を高めた上で、ミリ波レーダーと単眼カメラをフュージョンした先進運転支援システムやドライバーモニタリングシステムのような先進安全装備を与えていること。
ドライビングの楽しさを求める層も、テクノロジーによる安心を求める層も、しっかり満足できるコンパクトカーに仕上げているからこそ、「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」というふたつの新色を採用したことが活きてくると思えるのだ。
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