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大人4人がしっかり乗れる!実用性の高さはピカ一の三菱「ekクロス EV」

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大人4人がしっかり乗れる!実用性の高さはピカ一の三菱「ekクロス EV」

■石川真禧照のK-CAR徹底解剖

 三菱自動車のEV(電気自動車)製造の歴史は2006年10月に「i-MiEV(アイミーヴ)」からスタートしている。世界初の量産電気自動車「アイミーヴ」は、軽自動車の「i(アイ)」をベースにしていた。リアエンジンに代えた永久磁石式同期電動機(モーター)をリアに搭載した5ドアハッチバック車だった。電池はリチウムイオン電池で、床下に並べた。

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 このときのEV性能は、リチウムイオン電池の総電力量は16kwh。満充電での可能走行距離は空調なしで140kw程度だった。ちなみに車両本体価格は発売当初は459,9万円。補助金が130万円付いていた。個人ユーザー向けには2010年から398万円で、リース販売を中心に行なわれた。この「i-MiEV」はボディサイズを大きくしながら、2021年3月まで生産されていたことはあまり知られていない。

実用性の高さに注目「ekクロスEV」

 そして「ekクロスEV」だ。「ekクロスEV」は、日産との合弁会社NMKVで企画、開発した。開発当初からEVは小型で、シティコミューター的なクルマが最適、という考え方が主流だった。三菱は軽自動車づくりのノウハウと、「アイ・ミーヴ」からのフィードバックでEVの開発に貢献した。EV生産技術や所内でのバッテリーパック一貫生産対応を実現、プラットフォームの製造ラインにも設備投資を行なったことで、生産も三菱の水島製作所が担当することになった。

 三菱は軽自動車のハイトワゴン「ekクロス」シリーズの一員として、EVをラインナップすることにした。ボディデザインも基本的には「ekクロス」を用いている。縦に並べられたヘッドライトは三菱の一連のEVに共通のデザインだ。室内も「ekクロス」と同じだが、センターパネルのレイアウトはEV独自のスイッチやシフトレバーを採用している。



 用意されたグレードはベースモデルのGと上級グレードのPの2グレード。車両本体価格はGが239万8000円、Pは293万2600円。この価格から令和4年度では「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」55万円が払われるので、実質購入金額は184万8000円と238万2600円になる。補助金などは国だけでなく自治体でも用意しているところがあるので、ディーラーやメーカーに問い合わせるとよいだろう。

 試乗したのは上級グレードのP。グレードによる装備の違いはオーディオや一部快適装備だ。安全装備の違いは少ない。運転席のシートはレバーで座面の高さを調節できる。高めにセットしても頭上の空間に余裕がある。ボンネットも確認でき、前方視界は死角が少なく、とても運転しやすい。



 インパネ中央のシフトレバーを動かし、Dレンジを選択、アクセルペダルを踏みこむと音もなく静かに「ekクロスEV」は走り出した。インパネ中央下にあるドライビングモードスイッチはスポーツ/ノーマル/エコの3モードが選択できる。スタートはノーマルモードを使い、街中を流してみる。

 加速は最初からトルクピークが立ち上がる感じで、軽快感がある。ガソリンエンジンの軽自動車のようにエンジン音が大きくなり、加速していくのとは大違いだ。聞こえるのはモーターのヒューンという高周波の音だけだ。スタート時の充電量は93%と表示され、可能走行距離は150km。試乗車は走行540kmの新車なので、ほぼカタログ値に近い数値だ。ただし、EVは走行状態によって、可能走行距離の表示は変化する。エアコンをつければ走行可能距離は10kmは減る。EVに慣れてくると、距離よりも、充電量のほうを、目安にしたほうがよい気がした。

 ハンドリングだが、ノーマルモードでは直進時はやや重めの操舵力をキープする。ハンドルを切ると、交差点などの低速域では、軽めになり、運転しやすい。スポーツモードに切り換えると、直進性はさらに重くなる。高速走行では、どっしり感がある。床下に重い電池を敷きつめてあるので、その重さが重心を低くし、走行安定性につながっている。

「ekクロスEV」は2グレードともにe-Assist(運転支援機能)の8項目が標準装備されている。パッケージオプションで高速道路同一車線運転支援も選べる。個人的にはこのクルマなら、このパッケージオプションは必要ないと思う。標準装備のブレーキオートホールドやグリップコントロール、ヒルアシストスタートがあれば十分だ。

 充電だが、普通充電(200V、14.5A)なら夜の間に満充電になる。急速充電なら30kw以上の充電器で約40分でエンプティから80%充電になる。さらにクルマに蓄えた電気を野外でも取り出せる「V2L」と、家庭に電力を供給できる「V2H」も備えている。リアシート、ラゲッジスペースも広いので大人4名乗車や、大人2名での車中泊も可能。実用性の高いEVだ。



■関連情報
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/ek_x_ev/

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博

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