多くが左右のスポークの裏側だが、ステアリングコラムに設置されている場合も。どうしてもパドルシフトの設置位置がこんなにもバラバラなのか!? そしてどっちが操作性いいの!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
GT-Rは途中で大幅変更!! なんで統一しないの!? パドルシフトの設置位置がバラバラのワケ
■パドルも当然の装備になりつつある!? 2ペダル車激増も要因
GT-Rなどのハイパーカーも2ペダル仕様が当然になりつつある。それに伴ってパドルシフトは当然の装備となってきているのだ
クラッチペダルの備わるマニュアル車であれば、シフトノブはセンターに備わっており(一部の旧車や商用車はコラムMTも存在するが)、変速をする場合は一度ステアリングから手を放してシフトノブを操作する必要がある。
これは今さらいう必要もないくらい当たり前の作業だ。
しかし近年ではスポーツモデルであっても2ペダル車が増えてきており、走行中の変速(シフトアップ&シフトダウン)をするためにパドルシフトが備わっている車種も珍しくなくなってきた。
これは通常のマニュアルトランスミッションとは異なり、2ペダルMTにおける変速はトランスミッションへの電気信号さえ送ることができれば変速の指示を送ることができるということで実現できた機能ということになる。
■非スポーツカーでも続々採用!! 電動モデルも減速時に超便利
N-BOXなど軽自動車にもパドルシフトは装備される時代に!! 高速の合流時や減速といった際にはかなり重宝するため、今後も採用が進むか!?
ステアリングから手を離すことなく変速ができるパドルシフトは、ステアリング操作に集中できるということもあってスポーツモデルとの親和性も高い装備である。
だが、近年ではコンパクトカーやミニバンに装備されることも増えてきているのは、エンジンブレーキが必要になる長い下り坂などのシチュエーションでも操作しやすいという点が評価されての採用と言えるだろう。
また、変速ギアを持たない一部のハイブリッド車や電気自動車にもパドルシフトが備わっているケースもある。
これは変速ではなくアクセルオフ時のモーターの回生度を変更するために備わっており、疑似的にシフトダウンしたような減速感やシフトアップしたときの空走感を段階的に得られるようにするためのものとなっている。
そんなパドルシフトだが、ステアリングに備わっていて、ステアリングの動きに連動して一緒に回転するタイプ。
そしてステアリングコラムに備わっていて、ステアリングを回してもその場に留まり続ける固定されているタイプの2種類が存在しているのだ。
■ステアリング連動式は切った状態でも使いやすさバツグン!! 固定式は直感的操作に軍配
三菱は一貫してコラム固定式を採用していたが、アウトランダーPHEVの現行モデルはステアリング連動式に
2種類存在するパドルシフトの装着方法だが、どちらにもメリットとデメリットがあり、どちらが正解ということはなく、車両のキャラクターやメーカーの考え方によって採用されるタイプが異なっている。
まずステアリング連動式のメリットは、ステアリングを切り込んでいってもパドルシフトが連動して動いてくれるため、ステアリングを切った状態でも変速がしやすいというメリットがある。
その一方で、ステアリングを持ち替えるほど切り込んだ場合は一瞬、どちらのパドルがシフトアップでシフトダウンなのか混乱してしまう可能性がある。
そのため、そもそものステアリングの切れ角が極端に少ないF1マシンのような車両であれば、全く問題ないが、ロックtoロックが2回転以上することが当然の乗用車ではデメリットも生まれてしまうということになるのだ。
一方、コラム固定式のパドルシフトではどんなにステアリングを回したとしてもパドルの位置は変わらないため、右側がシフトアップ、左側がシフトダウンというレイアウトは変わらず、直管的に操作することができる。
その代わりステアリング操作中はパドルの操作をしにくいという問題がある。
それを考慮して大型のパドルを備えている車種も存在するが、ステアリングを12時の位置と6時の位置で握っているときはほぼ操作不可能というデメリットが存在する。
■GT-Rは途中で変更!? 三菱は原則一貫してコラム固定式にこだわり
このようにどちらにも一長一短のあるパドルシフトだけに、メーカーでもどちらを採用するかは悩ましい問題のようで、日産GT-Rは2017年モデルからそれまでコラム固定式だったパドルを、ステアリング連動式に変更したというケースも存在。
一貫してコラム固定式を採用している三菱もプラットフォームがルノー・日産・三菱アライアンスによって開発されたものを使用している兼ね合いもあって、現行型のアウトランダーのみステアリング連動式となっている。
この辺りの違いは完全に好みで選んでしまっていい部分ではあるが、実際使ってみたら意外と使いづらかった……というケースもあるので、購入前に試乗する際は積極的にパドルシフトの操作もしてみて自分に合っている方を選ぶのがいいだろう。
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