現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > まるでおしゃれ家電のようなe-BIKE オランダ生まれの『VanMoof(バンムーフ)』最新モデル「S3」の走行性能をチェック!

ここから本文です

まるでおしゃれ家電のようなe-BIKE オランダ生まれの『VanMoof(バンムーフ)』最新モデル「S3」の走行性能をチェック!

掲載
まるでおしゃれ家電のようなe-BIKE オランダ生まれの『VanMoof(バンムーフ)』最新モデル「S3」の走行性能をチェック!

■見た目も機能もシンプルそのもの、果たして乗り心地は?

 シンプルでユニークなデザインのe-BIKE(電動アシスト自転車)、オランダの『VanMoof(バンムーフ)』がラインナップする最新モデル「S3」を1週間ほど使用し、その性能を余すことなく試乗体験しました。

オランダ生まれのスマートな電動アシスト自転車 『VanMoof(バンムーフ)』の最新e-BIKEとは!?

 走行距離はおよそ55km、筆者(山本健一)が都心部を中心に取引先の往復など、一般道を走行して感じたことをレポートしたいと思います。

■外観について

 アルミニウム製の大口径なチューブを使っていて、見るからに質実剛健。各チューブ接合部もスムースウェルドで美しい。オランダのメーカーというイメージは大事です。電子機器やバッテリーを内蔵化するための施策ではありますが、バンムーフらしさというのがブレずに表現できていると思います。

 筆者の身長は187cmで、サドルの高さはちょうど良いですが、日本人の平均身長だと「S3」ではやや大きめかもしれません。そういう意味では「X3」でレポートしたほうが良かったのでは……と薄々感じていましたが、後の祭りです。とはいえ機能性は同じなので、差し引いて感じていただければと存じます。

■乗り心地は?

 ここは「S3」のビッグホイールとジオメトリーが影響していますので、その印象となります。28インチホイールの走破力はかなり高く、少々の荒れた路面でもハンドリングに影響なくグングンと突き進んでくれます。これは気持ち良いです。ただし、回転半径は24インチのほうが良いでしょう。狭い道で転回するときなどは大回りになります。

 タイヤはシュワルベのビッグベンを履いています。e-BIKE専用設計でトレッドコンパウンドが強化されています。ボリュームがあり、低圧で乗れるのがいいですね。グリップ力についてもまず課題になるようなところはないでしょう。このシュワルベというタイヤメーカーも非常に大きな会社なので、一定レベルのクオリティが保証されていると言って良いでしょう。

 ホイールの走破性能、ボリュームのあるタイヤのおかげですこぶるご機嫌な走りを楽しめます。

 サドルについてもオリジナルのデザインですが、クッションの下に振動吸収性素材が内蔵されていて、ほどよい硬さでペダリングロスも少ない印象です。座面はかなり広めですが、一般的な自転車に乗り慣れていれば違和感はありません。サドルの上下の位置は微調整可能です。サドルの固定ボルトはトルクス(盗難防止)なので、専用のトルクスレンチを無くさないようにしましょう。

 フレーム同様に大柄な欧米人が乗ることが前提なので、ハンドル幅も広めです。ハンドルとステムは一体型で角度を調整することはできませんが、ユニバーサルなデザインなので、持ちやすい角度になっていました。

 都道などでは路肩をすり抜けるような場面なども多々見受けられますが、そういった走り方には向いていないでしょう。

■アシスト機能について

 アシスト機能は前輪ハブ部分に搭載している電動アシストユニットによって、250Wから350Wの補助が得られます。350Wというと(以前の記事でも触れましたが)プロサイクリストが一定時間出し続ける出力とそう変わらないレベルです。

 信号停止からの踏み出しや、上り坂でブーストを使ってみます。最大アシストレベルとなる「4」の威力を発揮し、爽快な加速が得られて実に楽しく走れます。自転車走行で走り出しは億劫なもので、その煩わしさを一気に解決したのが電動アシスト自転車でしたが、さらに爽快なレベルまで昇華させたのがバンムーフだと言えます。もちろん無限に加速していくわけではなく、時速24kmに至るまで緩やかにアシストは減少していきます。

 感覚的ですが、時速0kmから12kmくらいの間がもっともアシストが有効で、数パーセント程度の上り坂なら時速20kmから22kmを維持できました。この速度には個人差はありますが、誰でも都内で突如出現する怪しい急勾配の上り坂でも圧倒的余裕をもって走ることができると思います。

■スマートキックロック

 リア三角のエンドに設置されたボタンが備えつけのロックです。これを押すとハブに設けた溝に突起がハマり、ホイールがロックされる仕組みです。この状態で無理に動かすと警告音が鳴り響きます。かなり音量なので、防犯対策としては有効ではないでしょうか。

 スマホで手動解除ができますが、慣れるといつもの鍵(ワイヤーロックなど)が面倒になるくらい便利でした。もちろんワイヤーロックなどを用いて2重ロックにすれば、よりセキュリティ効果は強化され盤石となるでしょう。

■グリップ

 グリップは程よい硬さで握りやすい設計です。悪路でもブレずにブレーキ操作がしやすいと感じました。ブーストのボタンはグリップを握りながら操作できますが、ボタンがやや重く、押し続けながら長時間走るのは手が疲れるという副産物があります。

■シフトチェンジ

 eシフターによるオートマチック変速は楽しみにしていた機能のひとつです。デフォルトで2パターンのモードと、カスタムモードがあります。カスタムでは時速0kmから28kmの間でギアチェンジのタイミングを変更できます。スピード変化に応じて変速していきます。変速時のショックは多少ありますが、4段階変速ということでよほどのことがなければ不快に感じるほどではありません。

 電動アシストが効かなくなる時速24km以上では平坦でギアが重く感じましたが、スポーツ自転車と比較するともう少しケイデンス(クランクの回転)が高いほうが乗りやすいと感じました。

 とはいえ、上り坂ではゆったりとしたペダリングですが、電動アシストによってぐんぐん進んでいき、電動アシストの補助を考慮したギアレシオなんだろうという結論に至りました。

■アプリについて

 バンムーフのパフォーマンスを最大限活かすには、アプリを使わない手はありません。iOS、Androidに対応しています。感覚で使えるシンプルさが特徴です。「My Rides」の項目では、1日ごとのアクティビティログに時速やバッテリー残量が表示されます。乗る動機つけにも良いです。

※ ※ ※

 自転車とITと電動アシスト。三位一体でそれぞれの特性がイキイキとしています。そういう意味では業界の先陣を切っていて、スマートバイクのベンチマークと言えるでしょう。「S3」の価格(消費税10%込み)は25万円、価値のある価格です。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
くるまのニュース
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
レスポンス
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
モーサイ
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
カー・アンド・ドライバー
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
AutoBild Japan
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
くるまのニュース
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
レスポンス
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
VAGUE
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
WEB CARTOP
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
バイクのニュース
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
レスポンス
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
motorsport.com 日本版
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
くるまのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村