生産終了が発表され特別なチューニングが施された最終特別仕様車が登場する。スポーツカーの王道ともいえる花道だが、軽ミドシップスポーツのホンダS660も例にもれず華々しい有終の美を飾った。
2021年3月12日に最終特別仕様車のModulo X Version Zを発表し、標準車も2022年3月に生産終了となることを発表した。
新しい「オレたちのホンダ」の時代が始まる?? 完全電動化の先へ ホンダが描く道筋
ところがどっこい、19日後の3月31日にはVersion Zも標準車も完売。すでに中古車市場ではほぼ新車の最終仕様車にプレミア価格もついており、本当にS660が欲しかったのに購入ができなかったオーナーからは不満も多発した。
それを見てホンダが奮起したのかどうかは知らないがなんと「おかわり」の生産が決定した。ホンダやるじゃん!!! としか言いようがない超グッジョブな追加生産。今回はその詳細に迫っていこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部
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■生産終了からの追加生産は名車の証!?
2021年に生産終了がアナウンスされたS660。まさかまさかの追加生産決だ
S660は2022年3月に生産を終了することがその1年前となる2021年3月にアナウンスされていたが、その発表から販売店にはオーダーが殺到。当然のごとく「瞬殺」レベルで特別仕様車も標準車も完売した。軽自動車でミドシップ。世界に類を見ない名車として駆け込み需要も多くあったようだ。
さらに完売直後から中古車市場は高騰。なんと今や500万円オーバーのプライスタグをつけたModuloXもあったりと、すっかりプレミアがついてしまった状況だ。そんななか、突如として2021年11月1日、ホンダから「S660を追加生産するよ」という感動的なアナウンスが届いた。
とは言え、生産ラインのキャパシティもあるから「何台でもOK」ではなく、最後のS660は650台限定となる。これぞまさに最後の最後。今買わないと二度と新車は買えない。
実はこの流れ、2002年に生産が終了したR34スカイラインGT-Rでも同じ事態が起こった。生産終了前に最終特別仕様車として「M Spec Nür」と「V Spec II Nür」をそれぞれ300台限定で生産すると発表があった。
名車の証ともいえる「おかわり」の追加生産。R34 GT-Rでも同じようなケースがあったのを思い出す
しかし「最後のRB26」という情報が自動車媒体から流れていたこと、そして「スカイラインGT-R」の終焉とあって、とてつもない数の問い合わせが殺到。まずは500台への増産が決まり、最終的には各1000台へ増産するという異例の事態となった。
国産車でこのような「おかわり」がおこるのは異例中の異例で、やはりGT-Rにしろ、S660にしろ、多くのファンから愛された名車だったことがうかがい知れる。
■追加生産は価格は据え置きで標準車のみ
追加生産は標準グレードのαとβのみ。価格は据え置きだ
最後のS660に追加生産されるグレードは特別仕様車やModulo Xは除外され、標準車のαとβとなる。価格は据え置きの232万1000円(α)と203万1700円(β)となる。
トランスミッションはこれまでどおり価格差なく6MTとCVTが選択可能。追加分の総生産台数は650台だが、そのうち50台はWebサイトからの抽選申し込み。残りの600台は商談中に完売して購入ができなかった販売店の顧客が優先となる(当然だ)。
Webページでの申し込みは2021年11月12日(金)~12月5日(日)までだから、絶対に欲しいという人はWeb抽選に申し込んでほしい。また商談中に買えなかった人は早めに販売店に相談してみることをおすすめしたい。
またコンプリートカーのModulo Xについては追加生産がないのだが、Moduloサスペンションなどはホンダアクセスから継続販売がなされており購入ができる。こちらも早めの購入をおすすめしておこう。
本当の本当にさようならを言う時がきたようだ……また会える日が来るといいなぁ
最後にこの場を借りてだがS660の追加生産分に関して、やはり投機目的の購入がないことを自動車専門誌としては祈りたい。S660は日本市場専用の手が届く価格帯のミドシップスポーツカー。好きな人に乗ってもらいたい1台だし、転売して利益を得たい人の手に渡るのは是が非でも避けたい。
今回のホンダの粋な追加生産を享受するのはS660を愛する人だけにしてほしいと願うばかりだ……。いざサラバS660!! ホンダさん、またとびきり素敵なスポーツカー出してくださいね!!
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本当に欲しいなら最初から買ってる、転売ヤーだろ?騒いでるのは