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原付一種生産終了間近の今だから注目したい! かつて大流行したゼロハンスポーツ5選

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原付一種生産終了間近の今だから注目したい! かつて大流行したゼロハンスポーツ5選

あの頃のアツい気持ちが蘇る!かつて大流行したゼロハンスポーツ5選

 半世紀以上にわたり庶民の足として活躍してきた原付バイク。しかし「スーパーカブ」でおなじみのホンダは、50cc以下(原付一種)のガソリンバイクの生産を2025年5月で終了する見込みです。

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 これは、同年の11月に控えている新排ガス規制をクリアするのが、総排気量50cc以下の原付では難しいという結論によるもの。代わりに、125ccクラスをベースにした原付二種を4kW(5.4PS)以下に抑えた「新基準原付」が新たに誕生する予定です。

 なお、原付は80年代のピーク時には年間で約250万台が生産されていましたが、2022年には約15万台まで落ち込んでいます。現在の原付のカテゴリーは、カブシリーズを除くとスクーターだけしかなく、選べる車種も少なくさびしい状況と言えるでしょう。

 しかし、かつてはフルサイズボディの「ゼロハンスポーツ」と呼ばれた原付モデルが、70年代後半から90年代前半にかけての”空前のバイクブーム”の時に各メーカーから販売されていました。当時多くの高校生は16歳になると原付免許を取り、高性能のギア付の原付からバイクの楽しさを覚えていったとされています。

 そんな原付ライダーの若者たちを熱狂させた原付スポーツは、2ストロークで7.2PSの最高出力を引っ提げて次々と登場しましたが、数あるゼロハンスポーツにはどのようなモデルが存在していたのでしょうか。

◆ヤマハ「RZ50」

 1981年に、クラス初の水冷エンジンを採用して登場したのがヤマハ「RZ50」です。前年にデビューし大ヒットした「RZ250」のスタイルを踏襲し、最新機構の「Y・E・I・S(ヤマハ・エナジー・インダクション・システム」により、90km/hに迫る最高速度と低燃費を実現しています。

 前後18インチのタービン型キャストホイールに本格的なダブルクレードルフレーム、優れたクッション性を誇るモノクロスサスペンションなど、原付とは思えない完成度の高い装備も魅力。最高出力7.2PSを発揮し、それまでのゼロハンのイメージを一新させたモデルです。

 なお、幾度かのモデルチェンジを繰り返し、TZR50に引き継ぐ形で一旦市場から姿を消します。しかし、1998年に復活した際には、レトロな雰囲気に改装され前後17インチスポークホイールや丸型ヘッドライトなどを装備し、2006年まで販売されていました。

◆スズキ「RG50Γ(ガンマ)」

 1982年に登場したのがスズキ「RG50Γ(ガンマ)」です。水冷エンジンに6速ミッション、快適な乗り心地と優れた操縦安定性を実現したフルフローターサスペンション、フロント16インチホイール、フルカウルなどを装備。50ccらしからぬワークスマシン「ガンマ」の名に恥じない贅沢な造りで人気を博しました。

 なお、レーサーレプリカブームに陰りが見え始めた1989年に、同じエンジンを搭載したネイキッドモデル「WOLF50」も登場。ちなみに、市販車のガンマシリーズはスズキの2ストレプリカの称号ですが、実はこのRG50Γが初代です。

◆ホンダ「NS50Fエアロ」

 1987年には、CBRシリーズの流麗なエアロフォルムを受け継いだホンダ「NS50Fエアロ」が登場します。前身の「MBX50」よりも小径化した前後17インチホイールを採用し、街乗りやツーリングはもちろん、SP50クラスの定番マシンとしてサーキットでも大活躍。4ヶ月後に発売された前後12インチホイールを搭載した「NSR50」と共に、50ccミニバイクレースの構成図を大きく塗り替えたモデルです。

 またサイレンサー別体型チャンバーや30W/30Wのハロゲンヘッドライト、シートカウル後部に内蔵された小物入れなど、豪華な装備で多くの原付ライダーから高い支持を集めました。

1990年代に登場したゼロハンスポーツ

◆ヤマハ「TZR50」

 そして1990年に、ヤマハ初となるフルサイズ原付スポーツのフルカウルモデルとして登場したのが「TZR50」です。市販レーサーマシン「TZ50」と同時開発され、多くのパーツを共有しています。

 エンジンは水冷2ストロークで、最高出力は自主規制いっぱいの7.2PSを発揮。デルタボックスタイプの専用フレームに、前16インチ・後17インチホイール、前後ディスクブレーキなど、ひとつ上のクラス並みの充実した装備が魅力。そして、TZRシリーズとそっくりなレーシーなスタイリングで若者のハートを鷲づかみにしました。

 ちなみに1993年には、エンジンやフレーム、足回りを強化した「TZR50R」にモデルチェンジ。さらに、1994年にはNSR50に対抗すべく、前後12インチの小径ホイールを採用した「TZM50R」もデビューしています。

◆ホンダ「NS-1」

 TZR50と同時期に発売され、人気を分け合った異色のモデルがホンダ「NS-1」です。最大の特徴は、通常ではガソリンタンクとなる部分がメットインスペースとなっており、フルへイスヘルメットを収納できること。スーパースポーツバイクの見た目とは裏腹に、スクーター並みの使い勝手のよさで、日常の足として利用したいユーザーからも人気を獲得しました。

 エンジンは、NS50Fゆずりの水冷2ストローク短気筒で最高出力は7.2PSを発揮。6速ミッションと圧倒的なハイパワーを武器に、スポーティーな走りを実現しました。1995年のマイナーチェンジではルックスを大きく変更し、400ccクラスの「RVF」をイメージしたデュアルヘッドライトを採用しています。

※ ※ ※

 かつての原付少年は多くは、フルサイズボディの「ゼロハンスポーツ」からバイクの楽しさを覚えていきました。50ccの小さなエンジンながら刺激的な加速やスタイリッシュなルックスを堪能できるのが、ゼロハンスポーツの魅力といえるかもしれません。

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みんなのコメント

9件
  • akb********
    カワサキもAR50っていうのを出していた。
    一度はカブ並みの4.7馬力まで落とされたが、7.2馬力に戻っていた。
    NSR50 TZR50の前にミニレプリカの元祖ヤマハYSR50とスズキGAGがあるのに。GAGはカブ同然のバーディーのエンジンだったから、仮にRG50Γの2ストだったら、
    後イタリアのアプリリアが日本の原付のために作ってくれたRS50。外国車だから50なのに馬力は8.5馬力と125cc並みに出せた。
  • pon********
    水冷時代になると自主規制7.2って数字と中高回転の伸び・レスポンス重視される時代になった。でもその直前の空冷50終焉期、低中高とバランスよくトルク発揮してたバイクたちも面白かったよ。普通に通勤通学サーキット(死語)だと下からツキがいいから実用域で速かった。長い峠登りなんかは空冷故熱ダレしやすいんだけどね。特にスズキ・ヤマハの空冷2st50は名エンジンだったと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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