都会人の心のオアシスとなりそうなスポット、「Hondaウェルカムプラザ青山」が、青山の自社ビル1Fにリニューアルオープン。中に入ると、まず緑が多いというのが第一印象です。
「Hondaウェルカムプラザ青山」はHonda青山ビル1階(東京都港区南青山2-1-1)にある。東京メトロ銀座線、東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目」駅 下車5番出口すぐ。都心にあるオフィスビルの屋内なので、「まさか本物の植物ではないだろう」と、思ったのですが、話を伺うとすべて本物ということで嬉しい驚きが。インフォメーションコーナー背後の壁にある、飾り的な葉っぱにいたるまで本物だそうです。
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とくにエントランス付近の植物コーナーが充実しています。ホンダの生産拠点がある各地から、その土地特有の苗木を運んできたとのこと。「いろいろなジャンルのものが合わさって、想像のアイディアの“種”になる」、というコンセプトだそうで、このコーナーのベンチに座っているだけでもアイディアが芽生えてくる予感が……。ちなみに水やりはコンピューター制御で完全に自動化されているそうで、さすがです。
内装は、「再び訪れたくなる場」をコンセプトにしたという。「ウッドとグリーンを多く取り入れ、親しみやすく居心地の良い空間にした」と、メディア向け資料ではうたう。グッズコーナーも以前より拡充され、商品数も増えていました。ホンダのミニカーや子ども用自転車、キャップや服、ASIMOグッズまで豊富です。
ちなみに1番人気のアイテムを伺うと、カレーうどんという意外な答えが。ホンダの社員食堂で大人気のカレーうどんのスープを、各研究所&工場の味ごとに商品展開。ほかでは手に入らない商品なので人気になるのも納得です。
オリジナルのアパレルグッズなども販売する。筆者が手にするのは「Honda Racing テディベア」。ドライバーとメカニックの2タイプある。価格は3300円。ホンダの社員食堂で提供されるカレーうどんの味を再現したというレトルト食品「ホンダ社食のカレーうどんの素」も販売される。カレーうどんは事業所ごとに味が異なるそうで、レトルト食品も「浜松工場味」「鈴鹿製作所味」など複数種類ある。ステージではときどき、ホンダロボティクスのデモンストレーションがおこなわれたり、故・本田宗一郎氏のエピソード・ビデオが流れていたりします。ちょうど取材時は、ASIMOのデモンストレーションを拝見することができました。
ロボ好きとして以前もここでASIMOのパフォーマンスを観たことがあるのですが、久しぶりに拝見したらできることが増えていました。腰を落として歩く忍者的な独特の歩行スタイルに続いて、走ったり、ケンケンしたり、片足立ちまで。さらに手話と歌も披露してくれました。どんどん才能が開花していくASIMOの姿に、親戚の子どもの成長を見ているようで感動しました。海外の観光客が動画で撮影しているのも印象的でした。
ASIMOのデモンストレーションは1日2~3回おこなわれる。ASIMOとともに、全方位移動可能な次世代型パーソナルモビリティー「UNI-CUB」のデモンストレーションもおこなわれる。デモンストレーション終了後には、ASIMOとの記念撮影も。ところでふと気になったのは、客層の男性率の高さです。男性は80%以上でしょうか。クルマやF1、バイクなどに興味がある層だからかと思いますが、女性としてこの場にいるだけでモテているような疑似感に浸れるのは想定外のメリットでした。男性と接する機会が少ないという人には、男性ホルモンが漂うこの場所はおすすめです。
また、一般のお客さんだけでなく、この日は、ホンダの北米法人の社長や、著名レーシングライダーがふらっと立ち寄っていたのも印象的でした。
取材時は、ホンダが所有する「N360」が展示されていた。気になる商品があれば、その場でパンフレットをもらえる。「Super Cub C125」に乗る筆者。展示商品は定期的に入れ替わる。コスパ抜群のカフェは居心地も良好特筆すべきは、カフェの居心地の良さです。スペース内にたくさんテーブルと椅子があってどこでも飲食できます。この界隈のカフェは結構混んでいるので席数に余裕があるのは魅力的。
新たにオープンした「MILES Honda Café」。より立ち寄りやすく、憩えるカフェを目指して空間を設計したという。MILES Honda Caféは、「ブルーボトルコーヒー」の日本導入を手掛けた石渡康嗣氏が監修。世界各国のF1開催地にちなんだサンドイッチなども販売する。さらにコーヒーやティーは200円台から、サンドウィッチも約380円という安さに驚きました。ヒバの木を使った大樽でカルキ臭を抜いた「宗一郎の水」でいれたコーヒーは、巷のコーヒーチェーンよりもまろやかでおいしい印象でした。
ちなみに無料の水を飲むだけでも、この空間にいさせてもらって大丈夫みたいなので、もはや家で仕事せず、ここで半日くらい過ごしたいくらいです。ホンダの蓄電機「LiB-AID(リベイド)E500」が、各テーブルにあるので、電源の心配もありません。さらに無料のWi-Fiまで!
環境負荷軽減の取り組みとして、紙ストローの導入や食べ残しゴミの飼料化をおこなっているという。F1開催地のひとつであるドイツをイメージした「ホットドック」(380円)と、「イタリアン レモネード」(370円)。カウンターチェアの1脚は、ホンダのオートバイ「モンキー」のシート。各テーブルにホンダのポータブル蓄電器「LiB-AID(リベイド)E500」を設置。PCやスマートフォンの充電用電源として利用出来る。Hondaウェルカムプラザ青山内にはホンダのクルマやバイクが何台か展示されていますが、ここに通って電気代とWi-Fi接続費をこまめに節約すれば買えそうな気がしてきます。
むしろ電気やWi-Fiを使わせてくださった恩義からホンダの商品を何か購入したくなってくるという……巧みな技術で心理的に誘導されました。
文・辛酸なめ子 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
まず、全面総ガラス張りといった今風のビルばかりの青山にあって、なぜこの本社ビルには旧態然の「ベランダ」があるのか?
これは、地震の際ガラスが割れて落下することで、通行人がケガをすることが無いようにと言う配慮からであり、すべての窓を幅1.5mのバルコニーで囲み安全性を確保したのだという。
また何故このビルは、多くがそうであるように敷地の角一杯まで建てることをあえてせず、角があくように「セットバック」しているのか?
これは、交差点を右左折する自動車や歩行者の視界を遮る事で起こる交通事故を減らすためだという。
こと左様に、リスクを未然を回避する発想がズバ抜けている本田宗一郎氏だが、それは、こういたことをやり遂げることこそ社会的責任を果たすというものだという、氏の人生哲学からであり、その集大成の一つがこのビルなのだ。
せっかくの青山なのに、地方のイオンモールみたいなフレンドリーさでカッコよさや洗練・先進性のアピールはゼロ、外国人観光客もガッカリですよ。