バーレーンGPでは全車完走を果たし、4台のうち3台がポイント獲得したホンダ勢。この結果の評価が分かれている。速さでトップ2に追いつけなかったと見るか、トップ2の後ろで表彰台を狙う健闘を見せたと分析するか。実際の走りはどうだったのか、各ドライバーのコメントとともにその戦いぶりを振り返ってみよう。
健闘するもトップ2強に追いつけなかったレッドブル
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは5番グリッドからスタート、最初のピットストップでバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)をアンダーカットするなど健闘したが、再びオーバーテイクされてしまう場面もあった。37周目に2位を走っていたフェラーリのセバスチャン・ヴェッテルのスピンで4番手に浮上し、終盤にはトップを走るフェラーリのシャルル・ルクレールがペースダウンし、2戦連続の表彰台が見えかけたが、残り2周でセーフティカーが導入され、惜しくも4位のままレースを終えた。
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フェルスタッペンはレースを振り返って「決勝をポイント獲得で締めくくり、最善の結果を出すことができたと思います。強風のコンディションの中、ペースがあまりつかめずリアタイヤのグリップにも悩まされていたにもかかわらず、4位でレースを終えることができたのは悪くない結果だったのではないでしょうか。表彰台まであと一歩でしたが、今日の決勝は理想的なペースで戦えずにいたので妥当な結果であったと感じています」とコメント。フェラーリ、メルセデスAMGについていけなかったことを素直に認めている。
一方、13位のポジションからスタートしたピエール・ガスリーは、我慢強くレースを続け、とくに2スティント目のソフトタイヤを上手にマネージメントし、最終的には今季初ポイントとなる8位でレースをフィニッシュした。
レース後のインタビューでは「今日は難しいレースとなりました。プッシュしようとすると、マシンのリアとトラクションを制御するのが難しい状態にありました。マシンの力を最大限に発揮し、自信を持ってレースに挑めるよう、エンジニアとどの点を改善していけばいいのかを追求していく必要があります。しかし、結果的にはポジティブな一日でもあったとも思います。スタート後のマシンの感触は改善が見られ、ポイントを獲得してレースを終えることができました」と語っている。
アルボンの9位入賞で弾みをつけたトロロッソ
トロロッソ・ホンダもアレクサンダー・アルボンが9位に入賞している。アルボンは12番グリッドからスタートして波乱のレースを完走。一時はガスリーをオーバーテイクするなど力強い走りを見せ、2戦目にしてキャリア初入賞。初めてのポイントを獲得した。
アルボンは「とても忙しなく過ぎた一戦でした。どの瞬間も誰かとバトルをし、常にすべきことに追われていました。1コーナーで思い切って飛び込めず、ベストなスタートとはなりませんでしたが、気を取り直してレースを続けました。戦略もうまくいき、スタートタイヤでのペースも悪くなかったと思います。F1で初めてのポイントを獲得できたことがとてもうれしいです」と初めての入賞を喜んだ。
トロロッソのチームメイト、ダニール・クビアトは、15番グリッドから上位進出を狙ったがスタートで失敗、12周目にはアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィと接触してスピンを喫し、後方からレースを展開する形になり、ポイント獲得には至らず、12位でレースを終えている。
レース後、クビアトは「もっといい結果を出せたはずで、このレースウイークはどこかまとまりのない週末となってしまいました。スタートでホイールスピンをしてしまい、1周目で集団の後方に下がってしまったのも痛かった。失ったポジションを取り戻すためには懸命な努力が必要であり、レース中に起きたいくつかの問題がなければ、よりよい結果となっていたでしょう。決勝中のペースにはいい手応えを感じていたので、ジョヴィナッツィ選手との接触によってスピンをしてしまったのはとても残念でした」と悔しさをにじませた。
では、ふたつのチームにパワーユニットを供給するホンダF1チームはバーレーンGPの結果をどう見ているのだろうか。ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは次のように語る。
「今日はタフなレースになりました。しかし、4台とも完走を果たし、3台がポイントを獲得することができました。パワーユニットとしては週末を通してトラブルフリーで走り抜き、それがこの結果につながったと感じています。フェルスタッペン選手については今日も素晴らしい走りを見せてくれました。ラスト2周でのセーフティカー導入がなければ、2戦連続の表彰台をが獲得できたでしょう。一方のガスリー選手は終始苦しいレースとなってしまいましたが、タイヤをうまくマネージメントし、入賞を果たしてくれました。トロロッソについては、デビューから2レース目で初ポイントを獲得したアルボン選手におめでとうと伝えたいですね。昨日もいい走りを見せてくれましたし、今日もいくつかのオーバーテイクを含めて粘り強い走りを見せ、ポイントを獲得してくれました。クビアト選手については接触もあり不運な展開となりましたが、レースでは速さを見せていましたし、今後を楽しみにしています」
たしかに結果は悲観するものではないだろうが、フェラーリ、メルセデスAMGとは差があったもの事実。4位という結果に満足しているはずはなく、トップとの差をしっかりと分析して次戦中国GPに向かう。
なおホンダのエンジンを搭載するマシンが3台トップ10入りするのは、2006年第18戦ブラジルGP以来、3台のポイント獲得は1991年の開幕戦米国GP以来となる。
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