試乗の舞台はアメリカ テキサス州。ピックアップトラックが街中にまであふれる中で見ると、それほどでもないかと勘違いしそうになるが、実際にはBMW X7、見た目の迫力が相当のものであることは間違いない。
全長5151mm×全幅2000mm×全高1805mmという堂々としたサイズもさることながら、連結された過去最大級のサイズのキドニーグリル、その大きさを強調するかのように天地に薄い形状とされたLEDヘッドランプなどによって描かれるフロントマスクは威圧感に満ちている。日本の都市に置いたら、一体どんな風に見えるのかは興味をそそる。
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もっとも、目が慣れればこの顔もそれほど強烈なものとは思えなくなってくる。スタイリング自体も最近のBMWの中ではクリーンとすら感じられるもので、やはり悪くはないと思うのだが、どうだろうか?
外から見るとやや威圧的だが、室内に入るとX7は非常に開放的だ。視点が高く、またベルトラインが低くてガラス面積も広いから、閉塞感とは無縁。大きなラジエターグリルのおかげで高くなったフード先端まで運転席から見渡せるから、車両感覚を把握しやすく、大きいクルマを操るという心理的な圧迫感がずいぶん緩和される。
もちろん空間的にも余裕は十分。シートは3列が標準で、2列目は左右独立の2座とベンチの3座から選べる。2列目はスライドとリクライニングが可能で、3列目にスペースを割り振っても、まだまだ余裕で寛げる。その3列目も大人2名に十分な広さが確保されている。より高いヒップポイント、独立したエアコンの装備により、閉所が苦手な筆者でもストレスを感じることなく座っていることができた。
しかも視線を上げれば、前、中央、後の3つのセクションに分かれた大型パノラミックグラスルーフによって開放感がさらに高められていて、BMWでありながらこのクルマ、2列目、3列目シートの方が優遇されているかもしれないと思わせる。それだけには留まらない。オプションのスカイラウンジを選べば、このルーフに埋め込まれたLEDが1万5千もの光のパターンで夜のドライブを演出してくれもするのだ。
もっとも実際のニーズとしては3列フル乗車よりも、広大なスペースを遊び道具を積むために使いたいという方人が多いに違いない。荷室容量は3列目を起こした状態で326ℓ。3列目の電動バックレストを折り畳めば750ℓとなり、2列目まで倒せば最大で2120ℓにも達する。
改めて、今回の試乗車である直列6気筒3.0ℓターボエンジンを搭載するX7 xDrive40i Luxuryに乗り込む。運転席まわりのデザインはX5にほぼ準じたもので、BMWライブコクピットが採用され、センターディスプレイは大型タッチスクリーンに。その上で、8シリーズにも使われていたクリスタルを用いたシフトノブを用いるなど、よりラグジュアリーな方向に仕立てられている。
その走りも、まずはラグジュアリーな雰囲気を濃厚に味わわせるものだった。非常に乗り心地が優しく、そして静かなのだ。
標準の4輪エアサスペンションは、COMFORTモードにすると驚くほどソフトな設定となり、路面の荒れたところも大きなうねりも、包み込むように受け止め、いなしてしまう。試乗車はオプションの22インチタイヤ&ホイールを履いていたのだが、思わずあとでサイズを再確認してしまったほどである。
エンジン音、ロードノイズ、風切り音などあらゆるノイズが抑え込まれた高い静粛性は、二重構造とされたバルクヘッドなどボディ側の徹底的な対策、そしてリアゲート以外の全面への遮音ガラスの採用などの効果だという。おかげで1-2列目間は自然に会話を楽しめるし、3列目から話しかけられても聞き逃すことはない。
特等席は2列目。乗り心地はソフトな上にホイールベースの真ん中に座るからフラット感が高いし、フロアが安っぽく振動することもない。視界も上々だから本当に快適に過ごせる。独立2座のいわゆるキャプテンシート仕様は、下手すると7シリーズからユーザーを奪ってしまうかもしれない。
もっとも、そこはBMWだけにドライバーを退屈させるようなことはない。さすがにCOMFORTモードのままで速度を上げていくと、大きな入力に対して揺り返すような動きに見舞われることもあるが、それも一発で収まる。そもそもホイールベースが長いから直進性は良好。自然とまっすぐ走ってくれる。
そしてSPORTモードで走ったワインディングロードでは、BMWらしい意のままに操れる感覚をしっかりと堪能させてくれた。後輪も操舵するインテグレーテッドアクティブ・ステアリング特有の癖はあるが、それでも車体の大きさ、背の高さを忘れさせる切れ味のいいコーナリングには、ついついペースが上がってしまった。
スポーツ・アクティビティ・ヴィークルと BMWが呼ぶ、SUVラインナップの頂点として据えられるX7は、存在感たっぷりの外観に余裕のスペース、そして従来のBMWのイメージを覆すような静かで快適な走りで新たな魅力をアピールしつつ、根底では期待に違わない駆け抜ける歓びも決して忘れていない、魅力的なクルマに仕上がっていた。単なるX5のロング版ではない独自の魅力が、そこにはある。先行するライバルたちの中でも埋没することなく、独自のポジションを築くことができそうだ。
嬉しいことに、日本導入まではそれほど待たされることはなさそう。ラインナップは直列6気筒3.0ℓディーゼルエンジン搭載モデルからとなる線が濃厚である。
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