2022年4月24日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が鈴鹿サーキット(三重県)で開催され、B-Max Racing Teamの松下信治が8番手から初優勝を達成した。2位にはシリーズランキングトップの野尻智紀(TEAM MUGEN)、3位には牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入った。
鈴鹿で初のポールポジションを獲得した野尻
決勝前日に行われた予選では雨は降らず、気温24度、路面温度31度というコンディションの中で行われた。Q1 A組ではここまで好調の平川亮(carenex TEAM IMPUL)が苦戦。
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サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が1分36秒914をマークしトップでQ2に進出する中、ランキング2位の平川はタイムが上がらず6番手タイムを出すのがやっとの状況。ギリギリQ2進出を果たしたが、鈴鹿との相性が良くないインパルと平川にとって、今回も厳しいスタートとなってしまった。Q2へ進出を決めたのはフェネストラズ以下、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、国本雄資(KCMG)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、牧野、平川の6名となっている。
ランキング2位の平川が苦しむ一方で、Q1 Bグループに登場した野尻は絶好調。午前中のフリープラクティスでトップタイムをマークし勢いに乗る野尻はQ1でもトップタイムを記録。結局誰も野尻のタイムを越えることができず、野尻はトップでQ2へ進出を決めた。2位には山下健太(KCMG)が続き、以下、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、小林可夢偉(KCMG)、松下、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がQ2に進出している。
ポールポジションを決めるQ2で、野尻が計測2周目でさらに自己ベストを塗り替え、1分36秒352を記録。各車、野尻のタイムを超えられない中、アタックのタイミングをずらしていた山下が渾身のアタック。タイムを削るも野尻にわずか0.075秒届かず2位。宮田も攻めた走りを見せるが、シケインでブレーキをロックさせてしまい3番手どまりに。最後のアタッカーになったフェネストラズが宮田を逆転し3番手に食い込んだ。終わってみれば野尻が今季2度目のポールポジションを獲得した。2位に山下、3位にフェネストラズが入り、以下、宮田、国本、牧野と続いた。
野尻を追いたい平川だったが予選は12番手と低迷した。これまで1勝ずつあげている平川と野尻だが、ポールポジション獲得者に与えられる3ポイントにより、2人のポイント差はさらに開く結果となった。チャンピオン争いでも大きい3ポイントを獲得、さらに鈴鹿で初めてのポールポジション獲得と野尻にとって最高の予選結果となった。
2022年スーパーフォーミュラ第3戦予選結果(上位10位まで)
1位 1 野尻智紀(TEAM MUGEN) 1:36.352
2位 3 山下健太(KONDO RACING)1:36.427
3位 4 S.フェネストラズ(KONDO RACING) 1:36.535
4位 37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S) 1:36.557
5位 18 国本雄資(KCMG) 1:36.626
6位 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 1:36.675
7位 38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING) 1:36.910
8位 6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 1:37.000
9位 50 松下信治(B-Max Racing Team)1:37.037
10位 64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)1:37.113
・・・・・・・・・
12位 20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
難コンディションの中「大外刈り」を決めた松下が自身初優勝!
日曜日に行われた決勝は生憎のウエットレースに。全車レインタイヤを装着し、タイヤ交換義務はなし。スタートは通常どおりスタンディングスタートで行われた。
レースはポールポジションの野尻がホールショット。2位には山下が続き、6番手スタートの牧野が一気に3番手まで浮上した。大方の予想どおり野尻が順調にトップで周回する中、後方で松下と大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が大幅にポジションをアップしている。水飛沫により視界を確保できない悪コンディションの中、4周目のスプーン2つ目でジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が単独スピン。無事レースに復帰するが最後尾まで落ちてしまった。
7周目、2番手を走る山下のペースが一気に落ち、3番手の牧野が接近。逆バンクからダンロップコーナーにかけて牧野が山下を捉え2位に浮上。後方では予選で苦戦した平川がオーバーテイクショーを見せる。9周目には福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)と宮田をパス、さらに山下や坪井のピットインもあり8位まで順位を回復。平川の決勝での強さが発揮された。
レース半分を過ぎたあたりから、3番手に上がった松下が2位牧野との距離を縮めていく。さらに2位集団がトップの野尻との距離も詰めていく展開に。残り5周、ついに牧野を捉えた松下はシケインの飛び込みで牧野をパスし2位に浮上。そこから一気にペースを上げ29周目には野尻と松下の差は1秒4に。水が残っている箇所を走り、必死に消耗したウエットタイヤを保たせながら攻める松下は残り2周となったホームストレートで野尻に並びかけ、豪快に1コーナーアウトからオーバーテイクしトップに浮上。最終的に松下は2位以下に5秒差をつけ、悲願のスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。2位には野尻が入りしっかりランキングトップをキープ、3位には今季初表彰台獲得の牧野が入った。
松下のウイニングオーバーテイクは1980年代、全日本F2選手権で星野一義やジェフ・リースといった錚々たるメンツから優勝を奪った、アウトから豪快に抜き去っていく中嶋悟の「大外刈り」を彷彿とさせた。消耗したタイヤで変化する路面状況の中、ものの見事にやってのけた松下。グリップのないタイヤで激しい戦いが繰り広げられるヨーロッパのカテゴリーを戦ってきた松下らしい見事なオーバーテイクだった。3戦が終わり3名のウイナーが誕生した2022年のスーパーフォーミュラ。今回のレース結果が今後どのような作用をもたらすのだろうか。(写真提供:JRP)
2022年 スーパーフォーミュラ第3戦 決勝結果(上位10名)
1位 50 松下信治(B-Max Racing Team)31周
2位 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)+5.053s
3位 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) +8.113s
4位 4 S.フェネストラズ(KONDO RACING) +18.419s
5位 7 小林可夢偉(KCMG) +21.894s
6位 18 国本雄資(KCMG) +44.604s
7位 20 平川亮(carenex TEAM IMPUL) +46.381s
8位 6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) +47.809s
9位 64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)+51.564s
10位 53 佐藤蓮(TEAM GOH)+52.487s
2022スーパーフォーミュラ チームランキング(第3戦終了時点)
1位:carenex TEAM IMPUL 53
2位:TEAM MUGEN 51
3位: KONDO RACING 27
4位:DOCOMO TEAM DANDELION RACING 23
5位:B-Max Racing Team 20
6位:Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 20
7位:TCS NAKAJIMA RACING KCMG 13
8位:TEAM GOH 10
9位:TCS NAKAJIMA RACING 6
10位:P.MU/CERUMO・INGING 3
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