走る楽しさや操る喜びを味わえるスポーツモデルを多数ラインナップするBMW。2023年2月に発表、導入されたM2はその頂点と言っても良いだろう。ツーリングとクーペのクロスオーバーとなる新種誕生も待ち遠しい。(Motor Magazine2023年9月号より)
BMWらしい操る楽しさが満喫できる、Mの真骨頂
いまBMWで一番ホットなスポーツモデルと言えば、2世代目に進化したばかりのM2(2023年2月27日 日本発売)だろう。Mで一番コンパクトなモデルになるが、M3、M4と共通のBMW M社が開発したS58B30エンジンを搭載し、本物のハイパフォーマンスカーとして仕上げられている。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
パワートレーンだけでなく左右に張り出したタイヤを覆う前後のオーバーフェンダーが、外観からも本格的なサーキット用のマシンであることをアピールしている。
装備もM3/M4に準じ、ハンドルの赤いM1、M22ボタンでエンジン、サスペンション、ハンドル、ブレーキ、Mデファレンシャルの設定などプリセットしたものを呼び出すことができる。
8速ATの2ペダルドライブもいいのだが、6速MTも選べるところがマニアの心を掴む。単に加速だけならATの方が速いが、このクラスで唯一の後輪駆動とMTという貴重な組み合わせで、自分で操る歓びを永く楽しんでもらいたい。
軽量化に加えて、エンジンも51psパワーアップ
限定モデルとして、M3セダンには世界限定1500台、日本市場へは30台の割り当てで抽選販売されるM3CSも登場した。
先に限定販売されたM4CLSは徹底した軽量化で1630kgまでダイエットしたが、M3CSはM33コンペティションM xドライブをベースに20kg 軽量化され、1840kg0、エンジンは41㎰ のパワーアップで551ps になったモデルだ。車重はそこそこあるが4WDDのおかげで0→100km /h加速は3.4秒と俊足だ。
M3CSは残念ながらすでに抽選販売も終わり、当選者はデリバリーを待っている段階だ。
BMW M2主要諸元
●全長×全幅×全高:4580×1885×1410mm
●ホイールベース:2745mm
●車両重量:1710/1730kg
●エンジン:直6DOHCツインターボ
●総排気量:2992cc
●最高出力:338kW(460ps)/6250pm
●最大トルク:550Nm/2650-5870rpm
●トランスミッション:6速MT/8速AT
●駆動方式:FR
BMW M3 CS主要諸元
●全長×全幅×全高:4795×1918×1444mm
●ホイールベース:2857mm
●車両重量:1840kg
●エンジン:直6DOHCツインターボ
●総排気量:2993cc
●最高出力:405kW(551ps)/6250pm
●最大トルク:650Nm/2750-5950rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
次期Z4のベースデザインは「コンセプト ツーリングクーペ」か
イタリア北部のコモ湖にあるホテル、ヴィラ・デステで開催されたクラシックカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ2023」の会場で発表された「BMWコンセプトツー リングクーペ」にも注目したい。ロングノーズ、ショートデッキのスタイルはFRを基本にするBMWらしいシルエットといえる。
2ドア、ハッチバックのスポーツカーといえば、1939年のル・マンにおいて2Lクラスで優勝、翌1940年のミッレ・ミリアで総合優勝するなど、数多くのレースで優勝を重ねた「BMW328ツーリングクーペ」を思い出す。
このイメージは02シリーズのシューティングブレイクにも通じるもので、遊び道具を載せてグランドツーリングができるクルマだ。優雅さがあり、豪華で、スポーティさも兼ね備えている。
ツーリングクーペでもう1台思い出すのはZ3クーペだ。Z3ロードスターが市販され、それをベースにBMW MM社のデザイナーがクーペを作った。これがユニークなデザインで注目を浴び、今でも熱烈なファンがいる。Mロードスター、MクーペといえばZ3ベースのロードスターとクーペのシャシを補強して直列6気筒のMのエンジンを搭載したモデルだ。
そうした背景を考えると、次期Z4はこの「BMWコンセプト ツーリングクーペ」をベースにしたデザインになる可能性が高い。(文:こもだきよし/写真:BMW AG)
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みんなのコメント
Z4クーペはクーペっぽさがあったけどZ3クーペみたいに不人気により販売台数が少なく絶版になると中古が爆上がりのパターンもトレースしそう。