マイナーチェンジを受けた日産の「ルークス」に、小川フミオが試乗した!
内外装の変更
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日産の新しいルークスは、ふだん使いなら軽自動車でも十分! プラクティカルな考えの持ち主に勧められる。今回乗ったのは、2023年4月に発表されたマイナーチェンジ版だ。6月にデリバリーが始まったというけれど、9月になってようやくハンドルを握れた。
最新モデルの特徴のひとつは、内外装の変更だ。とくにフロントマスクは、2022年12月に登場した新型「セレナ」に通じる、新世代のVモーションとなったので、路上で一目見ればあたらしいルークスとわかる。
ドライブしたのはルークス・ハイウェイスターGターボ”プロパイロットエディション”(前輪駆動)。性能でも装備でもトップモデルだ。4WDにもおなじグレードが設定されている。
ハイウェイスターシリーズは、「ワイドに進化した」(日産)とされる「デジタルVモーション」とバンパーの組み合わせが特徴的だ。
「上質でモダンテックな存在感を演出しています」と、メーカーは述べる。ひところで表現すると、黒いグリルがデカい!
かなり乗り心地が良い搭載する659cc3気筒インタークーラー付きターボエンジンは、発進時から期待以上にパワーがある。加速もよく、しかも、アクセルペダルを踏み込んだときのエンジンのフィールが気持ちよい。
トランスミッションはCVTと呼ぶ無段変速機。あまり燃費志向でもないようで、アクセルペダルを軽く踏み込んだときの反応も鋭く、ときどきほかのCVTで体験するようなタイムラグとも無縁だったのが嬉しい。
もうひとつ、感心したのは、乗り心地。3395mmの全長に対して、ホイールベースは2495mm。昨今の乗用車は2600mm超が一般的なので、けっして長くはないものの、初代ゴルフは2400mmだったし、初代ホンダ・アコードは2380mmしかなかった。そんなことを思い出した。
開発エンジニアがパッケージングとともにサスペンション設定をしっかりやってくれたおかげで、ルークスは、かなり乗り心地がよい。
路面が多少荒れていようと、不快な揺れは伝わってこない。ロングホイールベースと、上手なサスペンションセッティングの恩恵だろう。振動も意識されないし、丁寧に作られていると感心。
デジタライゼーションの充実あたらしいルークスのインテリアは、インストルメントパネル、ドアトリム、シート地に新しい色彩を採用したのが特徴だ。
なかでも、ハイウェイスターGターボと、ハイウェイスターG ターボ・プロパイロットエディションにおいては、カシス色のアクセントステッチを持ったレザー調インストゥルメントパネルが専用に用意される。
印象的なのは、やはりデジタライゼーションの充実ぶりだ。ひとつは、後方カメラを使った「インテリジェントルームミラー」。個人的には今ひとつ慣れないが、日産のものは明瞭度において悪くない。
LEDヘッドランプとディスプレイ付自動防眩式ルームミラーは、今回から、全車標準装備となった。
シートのいいところは、乗降性にある。おしりが滑りやすい表皮とあまり深く沈み込まない座面形状のため、乗りこむときも、降りるときも、素早く動ける。
シート座面の高さ設定とともに、全高1780mm(前輪駆動モデル)ゆえに天井高も1390mmと高くできて、乗降が楽になる。スーパーハイトワゴンであるルークスの機能的メリットだ。
その反面、シートの上にものを置くと、滑って落ちやすいのも事実。私は、ブレーキングのときに、何度ペットボトルを床に落として焦ったことか。
高速道路の走行時に運転支援機能を持った「プロパイロット」が用意されたのは、比較的長い距離をドライブするユーザーには嬉しいだろう。
市街地でとくに便利なサイズだし、かつての「ミニ」をはじめ、欧州のコンパクトカーの便利さをおぼえている人を含めて、いろいろな面で、良きつきあいができそうなクルマだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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