現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:HOPPY team TSUCHIYA

ここから本文です

開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:HOPPY team TSUCHIYA

掲載 更新
開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:HOPPY team TSUCHIYA

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第27回目は、GT300クラスに参戦するHOPPY team TSUCHIYAだ。

■HOPPY team TSUCHIYA
マシン:HOPPY Porsche
ドライバー:松井孝允/佐藤公哉
カーナンバー:25
監督:土屋武士
タイヤ:ヨコハマ

開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:埼玉トヨペットGreen Brave

 これまで5年間に渡ってGT300マザーシャシーを使用してきたが、2020年から新たにポルシェ911 GT3 RにスイッチしたHOPPY team TSUCHIYA。ホッピービバレッジの石渡美奈社長と土屋武士の“ダブルオーナー”体制となり、エントリー名が今季から改められているが、チームの母体となっているのは、日本屈指のプライベーター、つちやエンジニアリングだ。

 つちやエンジニアリングは、1971年設立(来年設立から50年!)。土屋武士の父である土屋春雄は、モトクロスライダーとして活躍した後、東名自動車を経て1971年に独立した名メカニック。FJ1300のエンジンや、マイナーツーリングなどに挑み、1980年代後半からはグループAで行われていたJTC全日本ツーリングカー選手権に参戦した。

 当時のグループAはディビジョン1~3まであり、小排気量のディビジョン3は、ホンダ・シビックとトヨタ・カローラ(カローラレビン)の骨肉の戦いが展開された。無限やムーンクラフトなどのシビックに対し、カローラ勢はトムス、RPバンドウ、そしてつちやエンジニアリングが強力なコンペティターとして存在した。特につちやはエンジンも手がけ、その存在はライバルたちにも恐れられた。

 グループAが1993年で終わり、1994年からはJTCCが始まるが、こちらにも継続して参戦しながら、JGTCにも参戦を開始する。JTCC用のエンジンとミッションを流用し、土屋春雄のオリジナルフレームで作り上げられたトヨタMR2は、1996年にスポット参戦すると、1998年には鈴木恵一/舘信吾のドライブで6戦中5勝。今も語り継がれる圧倒的な成績でこの年のチャンピオンを獲得した。

 99年もアペックスとのコラボレーションで新田守男がチャンピオンを獲得。2年連続王座を得ると、2000年からはGT500にステップアップし、スープラを走らせた。2005年には、織戸学/ドミニク・シュワガーのコンビが第1戦岡山で初優勝。チームにとって嬉しいGT500初制覇を飾った。

 2006年には武士がチームに復帰し、織戸と武士のコンビで2007年まで参戦。2008年は武士と若き石浦宏明のコンビでレクサスSC430を走らせたが、この年がGT500での最後の年となった。リーマンショックにともなう景気後退もあり、チームは活動休止に追い込まれてしまったのだ。

■3年計画での復活劇。そして『25』の由来は……?
 ガレージ自体はその後も残り、武士はドライバーとして活動するかたわら、チーム・サムライとしてガレージを存続させていく。2010~2011年には、SAMURAI TEAM TSUCHIYAとしてポルシェ911 RSRを走らせた。

 そして2014年2月、武士は支援者を集め、3年計画でスーパーGTへ復帰することを目標とすると宣言した。1年目は、一時ドライバー人生をあきらめかけた松井孝允をJAF-F4に送り込み育て、2年目はGT300参戦。3年目に王座獲得……というものだった。

 2015年、『VivaC team TSUCHIYA』として復帰したチームは、その年の第6戦SUGOで初優勝を遂げると、2016年に悲願のチャンピオンを獲得。武士はレギュラードライバーとしてはこの年限りで、3年計画を最後に実現させる「思い描いたストーリー」で締めくくった。ちなみに、3年計画が宣言された当時のことを報じる記事があるが、いまだに筆者が書いた記事を武士は「この記事がはじまり」と取り上げてくれるのはありがたい限りだ。

 武士はその後、監督兼エンジニア兼第3ドライバーとしてチームを支え続ける。HOPPY 86 MCは、まさに「ホームセンターで売っている材料」を使いながら速さが磨かれてきたが、2020年からはGT3カーであるポルシェ911 GT3 Rにスイッチし、将来のマザーシャシー2を見据えながら、周囲と同じ環境でレースを戦うことになった。

 さて、そんなHOPPY team TSUCHIYAのカーナンバーと言えば『25』だ。武士はチームサムライとともに『25 Racing』というチューニングショップを運営しているほか、チームのサポーターも『25 PRIDE』という名称。チームと『25』は切っても切れないような関係にある。

 ところが武士に『25』の由来を聞くと「よく分からない」という。なぜなら25はあまりに歴史がありすぎ、武士が幼少の頃から「生活の一部で、切っても切れない当たり前のようにある番号」だからだ。土屋春雄氏にも聞いてもらったが、これまた分からないという。

 ただひとつたしかなのは、HOPPY team TSUCHIYAが使うヨコハマタイヤのブランド、『アドバン』のエースナンバーが25ということだ。今でこそサーキットでおなじみのアドバンブランドの誕生は1978年で、積極的にモータースポーツに参入していく。

 残念ながら短い時間のなか、かつ外出自粛ですべての資料を調べることはできないのは恐縮だが、1980年にF2でトールマンを駆った高橋国光が『25』をつけた。一方マイナーツーリングでは、当初カーナンバー『30』だったつちやエンジニアリングが、1981年から『25』を使うことになる。この頃から『24』『25』『26』はアドバンの番号で、『25』がエースナンバーとしての位置づけだったという。

 ではなぜアドバンの番号が『25』だったのかは、武士の協力を得ながら当時を知る関係者にさまざまな取材を試みたが、残念ながらこちらも分からずじまい。1978年以前にもヨコハマを使っていたマシンが『25』をつけているようで、アドバンブランド以前から40年以上も続くカーナンバーということになる。

「つちやエンジニアリングも来年50年だし、ホッピーさんの意向もあるけれど、またアドバンカラーの『25』のマシンを走らせたい」とも武士は言う。

 2020年、カーナンバー25をつけた新たなHOPPY Porscheをドライバーふたりと土屋武士監督がどう走らせるのか。開幕が待ち遠しい。

こんな記事も読まれています

驚異的に「速く」明らかに「重い」 最新BMW M5へ初試乗 次世代は727psのV8プラグインHV!
驚異的に「速く」明らかに「重い」 最新BMW M5へ初試乗 次世代は727psのV8プラグインHV!
AUTOCAR JAPAN
シボレーC6型「コルベット」を『ウマ娘プリティーダービー』の痛車に! こだわり抜いて完成までに3カ月かかった理由とは
シボレーC6型「コルベット」を『ウマ娘プリティーダービー』の痛車に! こだわり抜いて完成までに3カ月かかった理由とは
Auto Messe Web
”代役参戦”のロバンペラ、王者の貫禄見せる総合優勝。エバンス2位でトヨタがワンツー|WRCラリー・ポーランド
”代役参戦”のロバンペラ、王者の貫禄見せる総合優勝。エバンス2位でトヨタがワンツー|WRCラリー・ポーランド
motorsport.com 日本版
バニャイヤ、独走逃げ切りでオランダGP”ハットトリック”達成! ランク首位逆転近し|MotoGPオランダ決勝
バニャイヤ、独走逃げ切りでオランダGP”ハットトリック”達成! ランク首位逆転近し|MotoGPオランダ決勝
motorsport.com 日本版
ダイハツの「認証不正問題」どうなった? 基準適合性の確認が終了! グランマックス含む3車種はリコール対応に
ダイハツの「認証不正問題」どうなった? 基準適合性の確認が終了! グランマックス含む3車種はリコール対応に
くるまのニュース
英国総選挙 自動車関連の争点は「エンジン車禁止の時期」「EV支援」か 各党の公約は?
英国総選挙 自動車関連の争点は「エンジン車禁止の時期」「EV支援」か 各党の公約は?
AUTOCAR JAPAN
「ル・マン24」翌日、自分の車でコースを巡る聖地巡礼! 縁石は想像以上に鋭角で高さがあるので要注意です【みどり独乙通信】
「ル・マン24」翌日、自分の車でコースを巡る聖地巡礼! 縁石は想像以上に鋭角で高さがあるので要注意です【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
流行りはホットハッチからFFクーペに! トヨタ・セリカ マツダMX-6 ローバー220 クーペ 1990年代の煌き(1)
流行りはホットハッチからFFクーペに! トヨタ・セリカ マツダMX-6 ローバー220 クーペ 1990年代の煌き(1)
AUTOCAR JAPAN
カーブで光るトヨタ・セリカ ワンランク上のマツダMX-6 ホットハッチ的なローバー220 クーペ 1990年代の煌き(2)
カーブで光るトヨタ・セリカ ワンランク上のマツダMX-6 ホットハッチ的なローバー220 クーペ 1990年代の煌き(2)
AUTOCAR JAPAN
ジムニーのアームレストを本革調表皮に…カーメイトが発売
ジムニーのアームレストを本革調表皮に…カーメイトが発売
レスポンス
1.5リッターエンジンで「300馬力」オーバー! 超パワフルな「小さな高級車」発表に驚きの声! リーズナブルな「低価格」も実現した新型イヴォークとは
1.5リッターエンジンで「300馬力」オーバー! 超パワフルな「小さな高級車」発表に驚きの声! リーズナブルな「低価格」も実現した新型イヴォークとは
くるまのニュース
BMW、2025年に登場する『M4 GT4エボ』の追加情報を発表。新車は約3800万円
BMW、2025年に登場する『M4 GT4エボ』の追加情報を発表。新車は約3800万円
AUTOSPORT web
首都圏に向けて水産加工品を運ぶデコトラ乗り! 夜間特急便の仕事ぶりに密着取材した
首都圏に向けて水産加工品を運ぶデコトラ乗り! 夜間特急便の仕事ぶりに密着取材した
WEB CARTOP
トラブル多発の荒れた展開の中、ガブリエル・ボルトレトがF2初優勝。宮田莉朋は完走ならず|FIA F2シュピールベルグ フィーチャーレース
トラブル多発の荒れた展開の中、ガブリエル・ボルトレトがF2初優勝。宮田莉朋は完走ならず|FIA F2シュピールベルグ フィーチャーレース
motorsport.com 日本版
使い勝手の良さが際立つメルセデス・ベンツ「E220dステーションワゴン」の万能感
使い勝手の良さが際立つメルセデス・ベンツ「E220dステーションワゴン」の万能感
@DIME
BRZが第4戦富士でピットB棟……!? スーパーGTのピット位置はどう決まっているのかをおさらい
BRZが第4戦富士でピットB棟……!? スーパーGTのピット位置はどう決まっているのかをおさらい
AUTOSPORT web
「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
乗りものニュース
高齢者の事故が増加傾向に! 国交省や警察が「ただちに」動くべき「2つの“緊急”対策」とは
高齢者の事故が増加傾向に! 国交省や警察が「ただちに」動くべき「2つの“緊急”対策」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1694.02615.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

220.07250.0万円

中古車を検索
911の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1694.02615.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

220.07250.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村