現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 正確なモデルチェンジ情報がなくても予測で売るしかない! 新車の納期遅延が招いている販売現場の大混乱

ここから本文です

正確なモデルチェンジ情報がなくても予測で売るしかない! 新車の納期遅延が招いている販売現場の大混乱

掲載 8
正確なモデルチェンジ情報がなくても予測で売るしかない! 新車の納期遅延が招いている販売現場の大混乱

 この記事をまとめると

■新車の深刻な納期遅延はまだ終息しそうにない

買ったのに乗れない! いま話題の新型車の「納期遅延」が常態化しているワケ

■単純な材料不足だけでなく改良などの事情が重なり、より複雑な状況となっている

■ディーラーマンも商談において苦労している

 新車の納期遅延は終息する気配がない

 新車の深刻な納期遅延問題が長引いている。世界的に可能な限りコロナ禍前へ社会活動を戻そうとする動きが活発化しており、時間がかかるものの“時が解決する”とばかりに、深刻な納期遅延も収束へ向かうものと考えていたのだが、どうもそれは甘い考えのようであった。事態はより深刻化し、そして複雑化しているのである。

 たとえばトヨタ・ハリアーについて事情通は、「今年10月に法規対応のための改良を控えオーダーストップとなっております。しかし聞いた話ではありますが、販売会社ではすでに10月に改良されてから1年間、つまり2023年10月までのメーカーからの改良後モデル配車枠で新規受注可能な台数はあと10台のみとなっているそうです。現行型オーダーストップ期間でも、現行モデルとして発注できなかったケースも多かったようです。そのため改良後モデルの新規受注が入り続けていたようなのですが、改良後モデルが正式発売になってからオーダーを入れると、ハリアーはそろそろマイナーチェンジも控えているので、マイナーチェンジ後モデルで購入検討(当然詳細な価格も含めた情報はない)していただかないといけないかもしれないと、販売現場には動揺が走っているそうです」とのこと。

 つまり、いままでの納期遅延は単純に部品が足りなかったり、新型コロナウイルス感染拡大により生産工場の稼働状況が悪くなり、生産が停滞することが納期遅延の主原因だったのだが、感染拡大は別としても、部品の供給状況が十分改善されないまま、そして大量のバックオーダーを抱えたまま、マイナーチェンジなどの改良タイミングまでに改良前モデルのバックオーダー分の生産を消化する必要があるので、それを逆算して改良実施のタイミングより、かなり早めにオーダーストップしながら、改良後モデルの販売促進活動も行うことになるので、筆者が感じたところでは事態はより複雑化しているように見える。

 今後の動きを予測しながら商談を進めざるを得ない

 あるトヨタ系ディーラーセールスマンは、「メーカーから日々提供される生産や配車状況に関する情報に対して、自分たちがどこまで“裏読み”できるかが大切になっています」と語ってくれた。まさに“デイリー”といっていいほど車両の生産状況は変化しているので、その動きのなかで、“改良が入りオーダーストップとなりそうだな”などと情報を分析して販売促進に活かさないとなかなかやっていけないとのことであった。納期遅延が顕著な人気車のご商談を始める場合も、ご希望の仕様をお聞きし、商談前に購入希望車種の配車状況がどうなっているのか(当然はっきりしたことは確認できないが、どこまで深刻なのかといった様子ぐらいは探ることができる)を必ず確認するようにしないとトラブルになってしまうといった声もセールスマンから上がっているようだ。

 現状では“注文して納車を待っている間に改良などの変更があっても、そのまま改良後モデルに変更して購入します”というような、一般的には“念書”と呼んでいい書面を受注時に交わすケースが多くなっているが、この書面自体に法的拘束力はなく、トラブル回避の抑止効果しかないのが現状。そのため、改良時期から逆算してバックオーダー消化に必要な長い期間をオーダーストップとするケースが今後は多くなっていくことになるだろうが、販売現場ではすでに把握できないぐらい状況は複雑化してきているようである。

 販売現場ではすでに次期型プリウス(正式発売スケジュールなどは当然未定だが、2022年末もしくは2023年の年明け早々にはデビューするのではないかと想定されている)の購入意思確認を進めているとも聞いている(正式発注はかけられないが、納車の優先順位を確保するためでもあるようだ)。新車購入の現状は長期戦がやむをえなくなっているが、納期遅延が長期化していくなかで、モデル改良時期というものが今後は事態をより複雑化させていくことは間違いないようだ。

こんな記事も読まれています

【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
くるまのニュース
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
VAGUE
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
WEB CARTOP
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
GQ JAPAN
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
乗りものニュース
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
レスポンス
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
motorsport.com 日本版
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
くるまのニュース
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
@DIME
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
motorsport.com 日本版
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス

みんなのコメント

8件
  • 納期は確かに混乱してるけど
    モデルチェンジ情報はディーラーは把握しとるよ。
    正確なモデルチェンジ情報がないのはカートップだけでは?
  • そりゃ企業のトップが、納車できるのが4年以上先だとわかってるのに、歴史的刷新!
    とか大発表会ばかりやって煽るからね。

    企業としてどうなのよ? 無在庫販売。
    供託金だけ集めてクルマは渡さないトヨタ商事商法ってか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

312.8453.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8674.8万円

中古車を検索
ハリアーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

312.8453.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8674.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村