この記事をまとめると
■トヨタがアメリカのSEMAショーにブースを出展
一般人から見たらどれも同じ……だけどそれぞれコダワリがあるんです! 車高短カスタムの流派5つ
■さまざまなスタイルのカスタムモデルを提案
■日米モーターカルチャーのレガシーをオマージュしたデモカーに注目が集まった
トヨタがSEMAショーに本気になった
全米のモーターカルチャーが集結することで有名なSEMAショーですが、今回のトヨタは気合が入っていましたね。ラリーカーやSUVに加えてレーシングカーのコンセプトモデルまで、トヨタファンならずとも目をみはるようなモデルがてんこ盛り! 大注目の4台を厳選してご紹介しましょう。
ランドクルーザー ROX
北米トヨタのデザインセンターが作り上げたランクルのコンセプトカー「レクリエーション・オープン・エクスペリエンス(ROX)」は、その名のとおり究極のアウトドアアドベンチャーのために設計されたオープンエアモデル。
オープンエアのキャビンには、ロッカーパネルの上に「スケルトン」ドアを装備。また、カスタムの前後スライド式ソフトトップは、乗客がアウトドアをじっくり楽しむために大きな開口部を確保しています。そして、キャビンにはミッドゲート(通路)が用意され、後部の収納スペースにアクセスができるというのも斬新なアイディアに違いありません。
革新的なユーティリティに加え、TRDによってカスタマイズされたサスペンションシステムも注目に値します。4インチのリフトアップをはじめ、フロントとリヤともに鍛造アルミニウム製コントロールアームでトレッドを8インチ拡大。さらにフェンダーフレアを広げストローク範囲を拡大することで、アグレッシブなスタイルを作り上げました。
これが発売されたらただでさえ人気のランクルが無双状態になること間違いなし! ですが、市販についての情報は一切公表されていません。
GR86 ラリー・レガシー・コンセプト
もうね、カストロールカラーをまとった時点でオッケーですよね。往年のGT-FOURラリーカーをリスペクトしたのが、こちらのGR86ラリー・コンセプト。試作車といえども、コンストラクションはリアルなラリーマシンに等しく、G16E-GTSエンジンとGR-FOUR AWDドライブトレインを搭載すべくシャシーの作り変えまで行われているのです。
GR86を全輪駆動にコンバートするためにはフロントサスペンションにも大幅な改造が必要で、GRカローラのハブ、スピンドル、アクスルを組み込むことで対応したほか、サブフレームの変更を補完するためのカスタムコントロールアームまで作られるなど、さすがワークスファクトリーの仕事っぷり!
むろん、インテリアにしてもフルケージの組み込みをはじめ、スパルコのバケットシート&ステアリングなどヴィンテージラリーカーを徹底的にフォロー。ライトポッドやスピードラインのホイールだとか、とにかくオールドファンは胸アツとなること請け合いです。
残念ながら、競技に参戦するなどの情報はありませんが、臨戦態勢のマシンであることは間違いありません。
スープラがリチャード・ペティの怪鳥に大変身
GRスープラバード・トリビュート
ゼッケン43番とブルーのボディカラーを見てピンときた方はかなりのNASCAR通に違いありません。いうまでもなくNASCARの伝説的レーサー、リチャード・ペティへのオマージュを込めたコンセプトモデルで、その名もスープラバード! これもまた、1970年にペティが駆ったNASCARマシン、プリマス・スーパーバードをもじったネーミングです。
ゼッケンといい、ペティブルーと呼ばれるボディカラーといい、憎らしいまでの完成度! ですが、どうしてトヨタがプリマスなんてよそのブランドをオマージュするのかといえば、じつは2024シーズンよりNASCARに2台のカムリで参戦しており、そのチームのアンバサダーを務めているのがリチャード・ペティその人なんだそうです。
なお、スープラバードはチューンアップも施されており、吸排気系のファインチューンで382馬力を発揮しつつ、車高調ダンパー&19インチホイールなどで足まわりを強化。北米オリジナルのカスタムボディキットとあわせ、NASCARばりの走りを実現している模様。
トヨタRAV-X
RAV4は北米でも人気を博していますが、こちらは現地のパーツやアクセサリーを開発するSPAD(Toyota Service Parts and Accessories Development)が、ダカールラリーにも参戦できるマシンとしてガチで製作したもの。
まずは特注のコンポーネントでロングトラベル化によって車高を2インチ(51mm)アップしたほか、トレッドを6.3インチ(160mm)拡幅。サスペンションシステムも完全に砂漠がターゲットとされ、2.5インチのショックアブソーバーは外部リザーバーとピギーバッグのダブルスタンバイ。灼熱地獄の下でも内部オイルの高温化をばっちり防ぐとのこと。
265/65R17タイヤと17×8.5インチの鍛造アルミホイールの足もとは、これまた鍛造アルミニウム製フロントロアコントロールアームとリヤアッパーサポートを開発。これで、アプローチ&デパーチャー角度を強化するためのクリアランスを確保しており、ダカールラリーはもとよりクロスオーバーマシンとしてのパフォーマンスは完ぺきといえるはず。
残念ながら、これもまた市販化やパーツの発売などのアナウンスは一切なし。ですが、ディテールはほとんどリアルで実用的なので、反響次第ではチャンスがあるかもしれません。
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