GRスープラのインテリアは、デザイナーがアウトバーンやニュルブルクリンクを走行しながら熟成を重ねた結果です。コーナリング中でも車両姿勢の変化がつかみやすいように水平基調のインストルメントパネルを採用。また、ドライバーが運転に集中できるような様々な工夫が施されています。ここではGRスープラのインテリアと荷室を解説します。文・写真/萩原文博
デザインの熟成を重ねたインパネ
10年、20年後も、"RX-7やスープラはよかった"と車好きは語るのか?
「ピュアスポーツのインテリアは机の上では設計できない」という考え方に基づき、GRスープラのインストルメントパネルは、デザイナーが実際にレーシングカーに乗りながらデザインの熟成を重ねて製作しています。
ハイスピード時に見晴らしが良く、車両姿勢の変化がつかみやすい水平に軸の通ったデザインを採用しました。また、ドアトリムからコンソールのニーパッドまでをひと繋ぎにし、ドライバーを包み込むように設計されています。
そして、すべての形状に走りに根ざした理由があり、ホールド性を突き詰めたスポーツシートをはじめ、細部に至るまでドライバー中心にコクピットが創り上げられています。
運転に必要な情報がわかりやすい運転席
運転席シートを自分のベストポジションに調整すると、GRスープラはボンネットが一望でき、非常に車両感覚が掴みやすいのが特徴です。
情報を集約し、運転に集中できるTFT液晶式メーター“METER DISPLAY”は、高精細TFTカラーモニターに立体的なタコメーターを組み合わせた一眼構成のデザインを採用。円形のタコメーター内にシフトタイミングインジケーター(8ATはMモード時)等のスポーツ走行時に必要な情報を表示します。
また、一部グレードには、運転に必要な情報をウインドシールドガラスの視野内に投影するカラーヘッドアップディスプレイを採用。少ない支援移動で情報確認が可能。表示内容は車速に加えて、連携したルート案内など、様々な情報を表示可能です。
GRスープラのステアリングには、レーダークルーズコントロール(8速AT)、クルーズコントロール(6速MT)をはじめ、オーディオ、ハンズフリー通話、音声認識などがステアリングから手を離さず操作できるステアリングスイッチを採用。ドライバーは運転に集中したまま操作することが可能です。
また、センターコンソールには専用リモートコントローラーによるナビ画面の遠隔操作が可能。コントローラーにはタッチパッドを装備し、スクロール操作や行き先などを手書きで入力することもできます。
運転における機能性を追求したインテリアデザイン
ハイスピード時の見晴らし性や車両の姿勢変化のつかみやすさを考慮した、上下に薄く水平に軸の通ったインストルメントパネル形状を採用。
そして、素材や配色で運転における機能性を追求した、ドライバーズオリエンテッドを強調する室内配色を施し、スポーティで上質な赤色でドライバーを囲い、新しいコクピット様式を強調するイグニッションレッドと、素材感のコントラストで引き締まった空間を演出しています。
しっかり体を支えてくれる助手席の快適性
GRスープラは、強大なGが発生してもしっかりと体を支えてくれるスポーツシートを採用しています。スポーツカーらしく腰部を中心に身体を保持するホールド性能にこだわり、走行テストのフィードバックを積み重ねて生まれたハイバック構成のシートとなっています。
細身のメイン部と、ショルダー部を含めたサイド部を組み合わせ、腰を中心に身体を保持する機能を追求しました。RZとSZ-Rには、サイドサポート幅の調整機能と電動ランバーサポートを採用しています。
大型のスーツケースも積める荷室の広さ
GRスープラのラゲッジスペースは290L(VDA法)の容量を確保。大型スーツケースも積むことができる実用性を備えています。
また、ラゲッジスペースと室内を隔てる壁の形状を工夫することで、長尺のゴルフバッグなどの積載できるように工夫されています。
GRスープラのラゲッジ容量は幅の最大部は1,121mm/最小部が960mm。奥行き785mmそして深さは387mm(最大部)となっています。
まとめ
ドライバーを包み込むように設計したレイアウト、ホールド性能にこだわったスポーツシート。視線を動かすことなく、運転に必要な情報をフロントウインドウに撮すカラーヘッドアップディスプレイなどドライバーがクルマと対話を楽しめるような工夫がインテリアに施されています。
また、2シータースポーツカーながら、290Lというラゲッジスペースを確保し、高い走行性能だけでなく、実用性の高さも魅力です。
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