現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマの屋根についてる「謎の角」どんな機能? 無くても平気なの? 意外と知らない役割とは

ここから本文です

クルマの屋根についてる「謎の角」どんな機能? 無くても平気なの? 意外と知らない役割とは

掲載 23
クルマの屋根についてる「謎の角」どんな機能? 無くても平気なの? 意外と知らない役割とは

■見た目はシンプルだけど高機能なシャークフィンアンテナとは

 クルマのルーフを見渡すとサメのヒレのような「謎の突起物」が付いています。
 
 これはどのような役目を持っているのでしょうか。

なぜ「雨の日に洗車」勧める? ガソリンスタンドで強く推奨する理由は?

 ルーフの後端についている、サメやイルカのヒレのような部品を「シャークフィンアンテナ(ドルフィンアンテナ)」 といいます。

 アンテナという名前の通り、おもにラジオのアンテナの役割を果たし、現在ではSUVやミドルセダン以上のクラスではほとんどの車種で採用されていています。

 シャークフィンアンテナの中身は意外と複雑な造りで、低い形状で電波の受信を行なう必要があるため、通常のアンテナに使用されているコイル線以外にも電子基板で受信を補っています。

 そのため低い形状でも、電子基板がアンプのような働きで電波を増幅するので、感度を落とすことなく利用できる仕組みです。

 シャークフィンアンテナは、内部に基板を組み込んでいるコストだけでなく、ボディに併せたカラーリングを行う必要があるので、採用当初は高級車のカテゴリのみでした。

 コストこそかかるものの、クルマの外観に違和感を与えづらいだけでなく、畳んだり外したりする必要がないこと、さらに風切り音が発生しにくいことがメリットです。

 それだけでなく、内部基板との併用で広帯域の電波も受信でき、ラジオのみならずさまざまな通信に対応できることで採用車が拡大しています。

 シャークフィンアンテナの形状やメリットについて、ホンダ広報部の担当者は次のように話します。

 「シャークフィンアンテナはクルマのデザインや空力性能が考慮された形状となっています。

 また、コンパクトながら受信機能はロッド式のアンテナと同等で、多様化した通信システムも兼ねることできます」

※ ※ ※

 また、シャークフィンアンテナは、ラジオの受信以外でもさまざまな用途で利用されています。

 以前のレクサス「IS」では、緊急時の連絡などに利用できる「G-LINK」の通信アンテナとしても利用されていました。

 ほかにも日産「アリア」では、一部グレードでシャークフィンアンテナが2つ取り付けられており、ひとつはラジオの受信用、もうひとつは衛星からのGPS信号の受信に利用されています。

 ハンズフリー機能の「プロパイロット2.0」を採用しているグレードは、より高精度な位置の把握が必要なため、シャークフィンアンテナをGPSアンテナに利用することは理にかなっているといえるでしょう。

■シャークフィンアンテナはいつから登場した?

 1950年代頃からクルマでもラジオの受信が可能になり、ピラーやトランク付近に設置された伸縮可能な「ロッド式のアンテナ」がメインでした。

 過去には、電動で伸縮するロッドアンテナも一部の高級車で採用されていましたが、駐車中でアンテナを折られるイタズラや収納することを忘れたまま立体駐車場や洗車機で折ってしまうなどのトラブルもあったようです。
 
 最近のクルマではほとんどみかけなくなりましたが、コストに厳しいカテゴリの商用車などではいまだにロッド式のアンテナが搭載されているものもあります。

 1990年代以降には、ウィンドウ内にアンテナ線を組み込む「フィルムアンテナ」が採用されましたが、受信性能が低い割にはコストが高く、現在では地デジの受信用アンテナのみにとどまっています。

 2000年に入った頃に採用され始めたのがポールアンテナで、折りたたむことや取り外すことができるので、洗車の際や天井の低い駐車場所では効果を発揮しました。

 さらに短い形状でもそれなりの受信能力があるだけでなく、コストも安いので軽自動車やコンパクトカーでは現在でも主流のアンテナです。

 そしてシャークフィンアンテナが初採用されたのが2001年に登場したBMW「7」シリーズですが、国産車では2005年のレクサスISが初採用となりました。

※ ※ ※

 現在、主流になりつつあるシャークフィンアンテナですが、今後はさらなる小型化やコスト削減が求められています。

 とくに小型化は軽量化につながるだけでなく、燃費の向上にもつながるので各メーカーも開発に力をいれるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
くるまのニュース

みんなのコメント

23件
  • 記者さんの愛車自慢の記事などいらない。
  • 某進次郎坊ちゃまの「意外と知られてないんですが」的ドヤ顔で皆さんご存じの当たり前を自慢されましても。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

481.0900.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.01110.0万円

中古車を検索
ISの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

481.0900.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.01110.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村