80~90年代の国産スポーツカーの中古相場が高騰している理由
電動化ムーブメントによってガソリンを燃やすスポーツカーの未来は風前の灯火、いまや国産スポーツカーは中古で探すものといった雰囲気です。
とくに1980年代~1990年代の国産スポーツカーがアニメやゲームといった日本のカルチャーが人気を高めているという面もあります。
その中でAE86(カローラレビン/スプリンタートレノ)や第二世代のスカイラインGT-R(BNR32~BNR34)といったモデルは中古車相場の高騰が続き、もはや新車価格を超えるのは当たり前、程度によっては四ケタ万円でもおかしくないという状況になっています。完全にコレクターズアイテム、資産とみなされるクラシックカーの領域です。
二桁万円の国産中古スポーツカーを探してみると…
その背景には海外からの引き合いもあります。たとえば、本来は右ハンドル車が登録できないアメリカですが、生産から25年を過ぎた中古車については登録可能になるという通称「25年ルール」もあって、日本から古いスポーツカーが流出しています。これも相場を上げる要因となっています。
では、すべての国産スポーツカーが手の届かない相場を形成しているのかといえば、そうとは限りません。走りが刺激的で、個性豊かな日本のスポーツカーで、二桁万円の相場を中心に流通しているのは、どのようなモデルでしょうか。
傾向としていえるのは、価格が高騰しやすいのは“後継モデルの存在しない絶版系スポーツカー”です。逆にいえば、フルモデルチェンジを続けているモデルは適切な中古車相場を形成しているのです。
その1:マツダ ロードスター(2代目)
その代表が「マツダ ロードスター」。とくに2代目・NB型については10万kmを超える過走行車であれば50万円を切った価格帯でいくらでも見つけられる状況にあります。もっともNB型ロードスターのデビューは1998年1月ですから、年式を考えると10万kmを走っていることは当たり前からもしれません。
NB型ロードスターの基本メカニズムは初代モデルをブラッシュアップしたもので、エンジンは1.6Lと1.8Lを用意していました。中古車相場では、とくに1.6Lエンジンを積んでいるグレードがお手頃価格になっていることが多いようですが、明確な違いがあるとはいえません。
この手のスポーツカーではATよりMTにプレミアがつく傾向もありますが、その法則はNB型ロードスターでもいえます。絶対にMTでなければダメというのでなければ、ATの中古車を探すことで予算の中で、程度のいいものが見つかるかもしれません。
その2:三菱 ランサー エボリューション(7代目)
「三菱 ランサーエボリューション」も見逃せません。1992年に登場した初代ランエボから基本的にMTだけのラインナップとなっていましたが、2002年ランサーエボリューションVIIのときに5速ATを組み合わせた「GT-A」というグレードが誕生しています。
GT-AはMTに比べるとピュアスポーツ度では物足りない面もあるかもしれませんが、スタイリングは十分にランエボしていますし、エンジンも史上最強と呼ばれた4気筒ターボ「4G63」を積んでいます。それでいてランエボの中古車の中でも圧倒的に買いやすい価格帯となっています。それでも100万円前後の予算は必要なので、年式からすると高い印象を受けるのは事実ですが、同年代のMT車が300万円前後(!)の相場となっていることを考えると、十分にリーズナブルで現実的な価格帯といえるでしょう。
その3:ホンダ シビック タイプR(2代目)
同じく2002年式のスポーツカーとして注目したいのが「ホンダ シビック タイプR」です。EP3の型式で知られる2代目シビックタイプRはイギリス製なので厳密には国産スポーツカーではないかもしれませんが、エンジンは自然吸気のi-VTEC搭載「K20A」で、最高出力は215馬力と十分にスポーツカーしているものでした。EP3シビックタイプRの日本デビューは2001年12月なので、初期受注の多くが2002年登録であり、中古車市場でも2002年式が中心となっています。
シビックタイプRといえば、歴代各モデルの中古車相場が高騰しています。その中で、EP3については100万円台前半で見つかることも珍しくありません。現時点でもっとも手の届くタイプRです。また、トランスミッションは6速MTだけの設定ですから、「安い個体を見つけたけれどATだった」と失望するようなことはありません。
その4:ダイハツ コペン(初代)
2000年代前半の国産スポーツカーがお手頃なのは、前述した25年ルールに引っかかっていない部分もあるでしょう。その意味で注目しておきたいのが、軽自動車のオープンカー、初代「ダイハツ コペン」です。
コペンが誕生したのは2002年6月。1990年代前半に登場したAZ-1、カプチーノ、ビートといった通称「ABCトリオ」が惜しまれつつ生産終了になった後、軽自動車の新規格に適合したオープンカーとして登場したのがコペンです。
ライバル不在ということもあって、国内の販売台数は6万台を超えていますから、中古車市場でも比較的見つけやすくなっていますし、過走行(走行距離の多い)の個体などは30万円前後で見つかるというのが現状です。ただし、徐々にタマ数は減っていますので、いつまでもこうした手の届く相場であり続ける保証はありません。時期的にはラストチャンスという印象もあります。
20年前のクルマなのでメンテナンス費用も考慮しておこう
いずれにしても、今回ピックアップしたモデルたちは、年式的には20年落ちとなります。いくら国産スポーツカーといっても、そのままノントラブルで乗り回せるコンディションを期待するのは難しく、購入予算に加えて、ある程度のメンテナンスを考慮しておくことがスポーツカーライフを楽しむには吉といえるでしょう。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
写真:
1枚目:マツダ ロードスター(2代目)
2枚目:ランサー エボリューションVII
3枚目:シビック タイプR(2代目)
4枚目:ダイハツ コペン(初代)
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みんなのコメント
買える時に新車に乗った方がいいよ
それさえクリア出来ればかなりの期間乗り続ける事が出来るはず。あと税金面での負担増も課題ではあるな。