スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーGT第6戦の予選。SUGO戦のGT300クラスと言えば、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが長らくポールポジションの座を独占して久しいが、今回は3番手という結果に終わった。
実は61号車にとって今回の予選は、SUGO大会での5連続ポールがかかっていた。2018年第6戦に始まり、2019年の第7戦、コロナ禍を挟んで2021年の第5戦、2022年の第6戦……過去4戦全て61号車が予選で最速だった。しかし、今回は96号車K-tunes RC F GT3に0.757秒の差をつけられ、ポールポジション獲得はならなかった。
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振り返ってみると、昨年のSUGO戦も当初は96号車がトップタイムをマークしており、61号車は96号車が再車検不合格(サクセスウエイト規定違反)で失格になったことによる繰り上がりポールだった。そのため小澤正弘総監督も昨年から続く96号車の速さを素直に認めている。とはいえ、昨年はこの2台の間に今回のようなコンマ7秒もの大差がついていたわけではなかった。
61号車と96号車は共にダンロップユーザー。持ち込んだタイヤの種類が多少違っていた可能性はあるが、タイヤがこの0.757秒差の大きなファクターになったとは考えづらい。もちろん61号車のBoP重量増加も一因になった可能性はある。その他に考えられるのは、シンプルなセットアップの仕上がりの違い、それともBRZとRC Fの車両特性の違いか……そう水を向けると、小澤総監督は今回の路面コンディションがBRZよりもRC Fに合っていた可能性を指摘した。
今回は予選直前になってにわか雨が降ったことにより、GT300の予選Q1はちょい濡れのダンプコンディションとなっていた。そしてQ2が行なわれる頃には完全ドライコンディションになっていたものの、ラバーグリップが十分に得られる状態ではなかった。
「今回は路面にラバーがのっていない状況でのQ2でした」と小澤総監督は切り出した。
「こういう状況では、パワーウエイトレシオの良いクルマの方が速く走りやすいと言えば走りやすいです。我々のようにコーナリングのボトムスピードをあげて、とにかく脱出を速くすることでタイムを稼ぐ、というのがやりにくい。そういう意味では路面コンディションはタイム差に出ていたかなと思います」
決勝レースは3番グリッドからスタートすることになる61号車。ここ数年はとにかくポールポジションから逃げ切るレースでタイトルを争ってきたが、今年は例年と比べるとバトルで前に行くことができていると、決勝に向けて自信をのぞかせる。
ではなぜ、今季は追い上げのレースができるようになったのか? 「それは色々な要素がありますけどね」と苦笑する小澤総監督だが、そこからさらにこう続けた。
「F1でも話題になっていることですが、(先行車の)後ろについたときの空力面などを少しずつ考えてやってきたら、意外とコース上で戦えるようになってきたな、という感触です」
61号車は今季、GT300車両規定の変更箇所に合わせてフロントカウルとアンダーフロアを改良。車両上面よりもアンダーフロアでの空力が重視されるようなコンセプトにレギュレーションが変わったことで、前のマシンに追従した時のエアロバランスが崩れにくくなったのではないかと小澤総監督は考えており、「非常によく調整されているなと(笑)」と締めくくった。
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