現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハイブリッドモデルとどう違う?乗ってわかったホンダ「ヴェゼル」ガソリンモデルの実力

ここから本文です

ハイブリッドモデルとどう違う?乗ってわかったホンダ「ヴェゼル」ガソリンモデルの実力

掲載 更新 74
ハイブリッドモデルとどう違う?乗ってわかったホンダ「ヴェゼル」ガソリンモデルの実力

前回、e:HEV=ハイブリッドモデルの試乗記をお届けした、販売絶好調の新型ホンダ・ヴェゼルのGグレード、ガソリン車に試乗する機会を得た。販売の主力はe:HEVモデルとは言え、PLaYの329.89万円、Zの289.85万円、Xの265.87万円のe:HEVモデルに対して、G、ガソリン車は227.92万円の価格となり、e:HEV Xより約38万円安い価格設定だ(いずれもFF)。そんなGグレードの実力をロングドライブで検証した。

ちなみにWLTCモード総合燃費はe:HEVモデルのベストバイグレードのZの25.8km/L(お薦めの4WDは22.0km/L)に対して、ガソリン車のGは17.0km/L(4WDは15.6km/L)となる。

ベースに5シリーズ初のM Sportを採用したBMW ALPINAの新型「B5 Limousine」

e:HEVとガソリンモデルの違いはまずパワートレーンの出力。e:HEVモデルは1.5Lエンジンが106ps、13.0kg-m+モーター131ps、25.8kg-m。対するガソリンモデルは1.5Lエンジンの118ps、14.5kg-mのみの出力となる。ただし、車重はe:HEV Xの1350kgに対してガソリン車のGは1250kg(FF比)となり、100kgも軽量だ。メイングレードのe:HEV Zとなら130kgも軽いのである。

そしてタイヤサイズ。e:HEV Z以上では大径18インチタイヤを履くところ、ガソリン車のGは16インチとなる(e:HEV Xも16インチ)。

もちろん、先進運転支援機能のホンダセンシングは全グレードに標準装備。前席頭上にあるSOSコール、トラブルサポートボタン、スマホでドアのロック、アンロック、エアコンのリモート操作などが行えるホンダコネクトの用意も、ガソリン車だからと言って省かれているわけではない。

さらに、ガソリン車のGグレードでも電車パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能などがしっかり付いているから、一般道の信号待ち、渋滞時、スーパーマーケットなどの料金所での一時停止時も、ブレーキを踏み続けなくていいメリットがある。

さて、新型ヴェゼルのGグレード(今回は4WDモデル)を走らせれば、動力性能的には、2人分の宿泊を伴う荷物を積み込んだとしても、日常的な走りのシーン、高速走行で、加速力に歯がゆさを感じさせるシーンはまずなかった。e:HEVモデルとの動力性能の差が感じられるとしたら、フル加速時、登坂路、そしてGのエコモードであるECONを使った時に限られるという印象だ。

乗り心地に関しては、e:HEVモデルの場合、FFより4WDのほうがしっとり重厚でしなやか。より上質感を味わえる乗り味が自慢なのだが、FFになると18インチタイヤ装着車では、先代よりは遥かに快適なものの、路面によって硬さがある乗り心地になってしまう。

一方、16インチタイヤを履くGグレードは、FF、4WDを問わず、ヴェゼルとしてはフラットで、カーブや山道などで前後左右の姿勢変化最小限かつ、乗員に優しいマイルドな乗り心地を示してくれるのだ。

車内の静かさについても、ハイブリッドモデルのほうが上、という定説はあるものの、高級感、上級感を増した新型ヴェゼルの場合、ガソリン車でも遮音、吸音がしっかり行われているため、エンジンが静かにスムーズに回るだけでなく、風切り音やロードノイズなどを含む全体的な印象としては、想定外に静かに走ってくれたのである。

新型ヴェゼルをファミリーカー、あるいはペットを同乗させるクルマとして見たとすれば、パワー的にe:HEVモデルに譲るぶん、走りそのものが穏やかで、むしろ好ましいと感じるジェントルドライバー(や乗員)もいるはずだ。

ただし、ハイブリッドのe:HEVに対して、渋滞追従&停止保持機能付きの先進的なACC(アダプティブクルーズコントロール)の動作は、よりスムーズでリニアなモータートルクのあるe:HEVモデルに比べ、やや強めの再加速、減速感となる。

今回、真夏のドライブ試乗で嬉しかったのが、ホンダコネクトによる、スマホアプリの操作。ドアのロック、アンロック、エアコンの遠隔操作などが可能で、炎天下に止めた新型ヴェゼルの室内を、あらかじめエアコンで冷やしておくことができ、乗り込んだ瞬間から快適なドライブができたのである。こうした先進機能を、ベースグレードだからといって省かなかったことは、賞賛に値する。

帰路、大雨に降られたのだが、新型ヴェゼルのドアは、本格SUV同様、サイドシルを覆うタイプで、雨や雪(あるいは悪路走行での泥)でサイドシルが汚れにくく、乗降時に衣服がサイドシルに触れ、汚れてしまうこともない。

ガソリン車のGグレードでは、エアコン用のフル電動コンプレッサー、後席エアコン吹き出し口を含む3ゾーンフルオートエアコンが未装備(e:HEV Xも)。よって後席エアコン吹き出し口がなく、前席左右独立の温度調整もできないのだが、もし、ドライバーが暑がり、助手席の乗員が寒がり・・・といったケースでも心配無用。新型ヴェゼルにはそよ風アウトレットなるエアコンの機能があり、助手席だけそよ風アウトレットを用いれば、直接的に顔や体に冷風が当たらず、例えエアコンの温度設定をドライバーに合わせて低めにセットしても寒がりの助手席乗員が「寒すぎる」とクレームを出さずに済みそうなのである。

そして試乗車では、意外な発見があった。新型ヴェゼルには、工場オプション、またはe:HEV PLaYに標準装備されるホンダコネクトディスプレー&ナビと、ディーラーオプションとなるホンダ純正アクセサリーのギャザズのナビが用意されているのだが、試乗車に付いていたのは後者。ホンダコネクトディスプレー&ナビがApple CarPlayやAndroid Auto に対応するものの、CDに対応していないのに対して、ギャザズのナビは、Apple CarPlayやAndroid Autoには未対応ながら、CDスロットがあり、CDを再生できるのである。今だにCD派の筆者としては、嬉しい限りであった。

そうそう、愛犬家にもニュースがある。それは、新型ヴェゼルの後席に装着できるホンダ純正アクセサリー、ホンダドッグシリーズの「ペットシートサークル」(小中型犬用/体重25kgまで)が、後席左右、どちらにも取り付けられること。実は、e:HEVモデルの場合、後席右側端にハイブリッドバッテリーの冷却口があり、それを「ペットシートサークル」が塞いでしまう可能性(バッテリートラブルや劣化の原因になる)があるため、「ペットシートサークル」に限っては、後席右側の装着は適応外なのである。当然、ガソリン車のGはハイブリッドバッテリーを積んでおらず、その冷却口もないため、後席左右どちらにも取り付けられるメリットがあるというわけだ。

新型ヴェゼルのe:HEVモデルとガソリン車の価格差は最低でも約38万円(e:HEV Xの場合。E:HEV Z、PLaYではさらに広がる)。あえて、e:HEVモデルとスタイリッシュなエクステリア&インテリアデザイン面ではほとんど変わらないガソリン車のGグレードを選び、その差額の約38万円の使い道(ナビやドライブ旅行費用など)を考えるのも楽しいではないか!! なお、東京~南房総九十九里を往復(高速道路60%、一般道40%走行)したときの実燃費は、4WDのSUVにして12km/L前後と優秀だった。

ホンダ・ヴェゼル
ホンダドッグシリーズ

撮影協力/Asovillage in 九十九里

写真/青山尚暉・雪岡直樹
文/青山尚暉

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

74件
  • だいたいここで冷やかしてる連中ダサイ
  • 実車を街中でも結構見る様になったが当初、言われていたマツダ車に似ているなんて思い浮かばない。
    またグリルレスの同色フロントは特に違和感も無く、この車の特徴として良いのでは?
    それにしてもコンパクトSUVなのに大きく立派に見えるのは不思議、車格が上がった様に見える。
    高速道以外はEVでエンジンは充電に徹するって上質で良いですね。
    比べられるヤリスクロスよりも圧倒的に優れた加速をするのは速いホンダとして面目躍如、後席の広さも圧倒的。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

69.8390.0万円

中古車を検索
ヴェゼルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

69.8390.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村